大手PCメーカーとして知られるHPは、新型MRヘッドセット「Reverb G2」の詳細を公表しました。600ドル(約64,000円)で2020年秋の発売を予定しています。
「Reverb G2」の開発にはマイクロソフト、及びSteamを運営するValveが協力。トラッキングカメラの追加やコントローラーのデザイン変更等、様々なアップグレードが行われているようです。
MS、Valveと共同開発の第二世代モデル
2019年5月、HPはWindows Mixed Reality(Windows MR)ヘッドセット「HP Reverb」を発売しており、今回の「Reverb G2」は、後継モデル(第二世代=Generation 2)に当たります。
オリジナルから1年余りでの第二世代モデル登場となりますが、Reverb G2には多くの改善点が盛り込まれています。
トラッキングカメラ数の増加
Windows MRヘッドセットは2017年のリリース以降、2つのカメラを用いたインサイドアウトのトラッキング方式を採用してきました。しかし現在では、Oculus Rift S等が4つのトラッキングカメラを搭載、より広範囲なトラッキングを実現しています。
Reverb G2はWindows MRヘッドセットとして初の4つのトラッキングカメラを採用しました。これにより、「動きを捉える範囲が1.4倍になる」とのこと。
新デザインのコントローラー
コントローラーのデザインが一新されました。従来のWindows MRヘッドセット向けコントローラーは他社と異なる独特な仕様で、使用感にはやや難点のあるものでした。
Reverb G2ではエルゴノミクスの観点からボタン配置が変更され、Oculus Touchといった他社デバイスと類似の仕様になりました。Windowsの操作に使用する”Windows”ボタンも備えています。
さらに新コントローラーは、他社のWindows MRヘッドセットでも使用可能とのこと。単体での発売も予定しており、コントローラーのみ交換したいといったユーザーには朗報です。
ディスプレイの改良
解像度や視野角はオリジナルと同様、片目当たり2,160×2,160pixel、および114°となっています。しかしディスプレイ自体は変更されており、「よりコントラスト、明るさが増した」とのこと。レンズはValve社との共同開発品を採用しています。
Reverb G2のハンズオンを行ったメディアRoad to VRは、「コンシューマー向けVRヘッドセットで一番の驚くべき鮮明さ」と感想を述べています。
オフイヤースピーカーの採用
Reverb G2では耳に密着するヘッドホンでなく、オフイヤースピーカーを採用しました。これはValveの「VALVE INDEX」と同じもので、共同開発の成果と見られます。
直接接触しないおかげで耳が蒸れず、痛くなりにくい、遠くから聞こえてくるように感じられ、没入感を得られる、といったメリットがあります。
ハードウェアデザインの改善、IPD調整機能
ヘッドマウントディスプレイのデザインが改善され、フェイスパッドは厚くサイズも大きくなりました。目の周りの圧迫感を軽減する狙いです。
手動でIPD(瞳孔間距離)を調整するためのスライダーも採用。ヘッドセットを被ったまま上に開けるフリップアップ機能はありませんが、ディスプレイ部分を90度回転できるため、そのまま他の作業を行えます。また、全長6mのケーブルは、従来品から軽量化されているとのこと。
まずは米国でプレオーダー開始
「Reverb G2」の価格はオリジナルと同じ600ドル。2020年秋のリリースを予定しています。5月29日現在、プレオーダーは米国内のみが対象で、HPの公式サイトやSteamから受付中です。他の地域については、6月中旬から7月頃に「特定の国を対象に」プレオーダー開始するとコメントしました。
「Reverb G2」スペック詳細
解像度 |
2160 × 2160(片目) |
リフレッシュレート |
90Hz |
視野角 |
114度 |
トラッキング方式 |
インサイドアウト |
重量 |
550グラム |
ケーブル長 |
6メートル |
接続 |
DisplayPort、USB-C |
(参考)Road to VR
Mogura VRはRoad to VRのパートナーメディアです。