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AR/MR 2017.11.24

ARの広告・プロモーション活用事例10選

VRとともにAR(拡張現実)という技術が注目されるようになっています。ARの代表的な例としては「現実にデジタル情報を重ね合わせて表示する」ことがあげられます。たとえば近年ではARアプリ『ポケモンGO』で、ポケモンのキャラを現実に映し出すことができます。

さらにARは『ポケモンGO』のようなエンタメ用途だけでなく、ビジネスでの活用もされています。特にプロモーションや広告分野に関しては、純粋な宣伝に加え、「商品に興味を持ってもらい、買ってもらう」ためにARならではの工夫をこらした活用もなされています。今回は、広告・プロモーション分野でのAR活用事例10選を紹介します。

目次

ネイルサンプルを気軽に試す!メイベリン・ニューヨークの事例
手持ちの金額からメニューが想像できる!ケンタッキーフライドチキンの事例
購入前に家具をおためし配置!IKEAの事例
リアルな腕時計を試着!TISSOT(ティソ)の事例
ゲームのように楽しめる広告!IronSourceの事例
展示物をより詳しく説明する!BMWの事例
未来の靴のデザインとは?ナイキの事例
イベントでも活躍!NATIONAL GEOGRAPHIC(ナショナル・ジオグラフィック)の事例
企業のブランディング強化に!百度(バイドゥ)の事例
目的地までの移動をよりわかりやすく!テレコムスクエアの事例
ARを使うことで、モノや体験がより身近に

ネイルサンプルを気軽に試す!メイベリン・ニューヨークの事例

https://www.youtube.com/watch?v=xtZVy67hRNE

化粧品を使った事例として、日本でも人気の高いメーカーである「メイベリン・ニューヨーク」のプロモーション事例です。専用のアプリで枠に合わせて自分の爪を撮影すると、自分の爪にさまざまな色のネイルを試すことができます。

ネイルなどの化粧品を購入する際には店頭でサンプルを試すことが多いと思われますが、何色ものサンプルを試すためには1度塗ったものを落とす手間がかかってしまいます。しかし、このアプリなら気軽にサンプルを何度でも納得のいくまで試すことができるようになるので便利です。

手持ちの金額からメニューが想像できる!ケンタッキーフライドチキンの事例

KFC WOW@25 CAMPAIGN – AN AUGMENTED REALITY APP from Blink Digital on Vimeo.

日本でも人気のあるファーストフード店「ケンタッキーフライドチキン」にもARを使ったプロモーション事例があります。インドの「ケンタッキーフライドチキン」は紙幣をカメラにかざすことでその金額から頼めるメニューを表示してくれる「KFC WOW@25」というアプリを配信しました。

スマートフォンを紙幣にかざすと、ドリンク、ハンバーガー…さまざまなメニューが現実空間に現れます。手持ちのお金でどんなものが食べられるのかということを分かりやすく・面白く示せる事例となっています。

「ケンタッキーフライドチキン」は高いというイメージがインドでは根付いていたのですが、このアプリによって少ない金額でも頼めるメニューがあることをアピールできます。

購入前に家具をおためし配置!IKEAの事例

https://www.youtube.com/watch?v=-xxOvsyNseY

日本展開も行っている大手家具メーカーの「IKEA」は、部屋の中にARで家具を配置できるアプリ「IKEA Place」を配信しています。

家具を購入したものの、床や壁の色と合わなかったり、サイズ感が違ったりということも多いですが、このアプリを使うことで事前に家具のフィット感を確かめることができます。購入の前に面倒な採寸などをしなくて済むようになるので、顧客の家具の購入意欲をアップさせるためのプロモーションとしての側面もあります。

リアルな腕時計を試着!TISSOT(ティソ)の事例

スイスの有名腕時計ブランド「TISSOT」(ティソ)が行ったプロモーションは、腕時計型の黒いリストバンドを配り、店頭に設置されたカメラに腕をかざすだけで腕時計の試着をすることができるというものです。

なんといっても特徴的なのは秒針が現在の時間通りに動くというリアリティの高さで、実際に腕時計を購入した後のイメージがしやすくなっています。さまざまな種類の腕時計を試着できるようになっており、全ての腕時計を試着すると新しい腕時計が抽選でプレゼントされるというキャンペーンも行っていました。

ゲームのように楽しめる広告!IronSourceの事例


イスラエルのマーケティング/広告企業であるIronSourceは、スマホゲーム用のAR広告を発表しています。

同社が開発するモバイルAR広告の例として、ユーザーがスマートフォンのアプリを起動し、『ポケモンGO』と同じような様子でキャラクターが現実空間にAR表示されるものがあります。プレイヤーはキャラクターにファイヤーボールを投げ、ミニゲームをプレイします。

そしてゲームが終了すると、本編のゲームをインストールするかどうかを聞かれます。従来のようにユーザーが受動的に視聴する一方通行の広告から、インタラクティブ性を重視した「遊び体験」をもたらす広告です。

展示物をより詳しく説明する!BMWの事例

ドイツの自動車メーカー「BMW」でもARを利用したプロモーション事例があります。BMWのショールームに展示されたエンジンの前にタブレットを設置し、タブレットを通してエンジンを見ることでエンジンの内部構造をより深く理解することができる仕組みです。

タブレットは移動型のスタンドに設置されており、360度さまざまな視点からエンジンの内部構造を見ることができます。エンジンのように複雑な部品の場合、外見や言葉だけで説明することは難しく、3Dを利用したエンジンの動きを見せることで展示物としての価値を上げています。

未来の靴のデザインとは?ナイキの事例

https://www.youtube.com/watch?v=noutzo3xT8k

スポーツメーカーのナイキは、PCメーカーのデルと共同で未来のシューズデザインの様子を紹介するビデオを公開しました。制作にはARメーカーが協力しており、未来の靴製造のイメージを見せてくれます。

ビデオでは、今までのような図面ではなく、ARで立体モデル化してシューズデザインを行うシーンや声を使って画面を操作するなど、未来のナイキでのARの使われ方が紹介されています。

紹介されているビデオはまだ未来の話ですが「新たな製造のあり方」を示すものとなっています。プロモーション動画にAR技術を上手く活用した事例です。

イベントでも活躍!NATIONAL GEOGRAPHIC(ナショナル・ジオグラフィック)の事例

ARのプロモーション事例はスマートフォンやタブレットだけに限りません。ナショナルグラフィックが手掛けたプロモーションでは、ショッピングセンターに大型のスクリーンが設置されて行われました。

スクリーンの前にある白いスペースに立つと、前方に置かれている現実空間を映したスクリーンの中に、恐竜や宇宙飛行士が現れます。そこにいるはずのない動物たちを撫でる人達の姿が印象的で、ナショナルジオグラフィックの世界に迷い込んだかのような、新しい体験を提供しました。このプロモーションはロンドンやベルリンなど世界各国で開催され話題になり、日本でも2012年8月にテラスモール湘南でイベントが行われました。

企業のブランディング強化に!百度(バイドゥ)の事例


中国の検索エンジン「Baidu」を運営する「百度」の日本法人は、スマートフォンアプリのAR機能を使用する「AR広告」の販売を企業向けに行っています。中国から日本に来る旅行客向けに、企業のブランディング広告として展開しています。

AR広告は、中国で月間6.6億人が利用しているBaiduのモバイルアプリ「手机百度」にて配信されます。スマートフォンのカメラに商品をかざすことで、AR広告が商品に重ねて表示されるという仕組みとなっています。

百度の中国本社の実績としては、これまでロレアルの男性向け商品と『トランスフォーマー』のコラボレーション事例などがあります。画面に表示されたトランスフォーマーを360度回転させることができ、 その後にクーポンサイトへアクセスできます。 また、ロレアルのシャンプーでは、スキャンをすることで桜のARイメージが表示されます。

目的地までの移動をよりわかりやすく!テレコムスクエアの事例

台湾の空港では、日本へいく旅行客向けにARアプリと機能連動させたフリーマガジン「日本放題」が配布されています。「日本放題」は「日本の食べる・遊ぶ・飲む・楽しむ」をテーマにした台湾人向けの旅行情報誌で、カメラをかざすことでARナビゲーションアプリ『PinnAR(ピンナー)』が目的地へのナビゲーションを行います。

目的地までの距離や所要時間などを表示しながら、地図上ではなく現実の風景を見ながらのナビゲーションを行ってくれるので、地図が苦手という方向けに敷居を下げることで店のプロモーションにも繋がり、迷わずに目的の店まで辿り着くことができます。

ARを使うことで、モノや体験がより身近に

現在ARを使ったプロモーション・広告事例は化粧品やファッション業界をはじめ、旅行や自動車メーカーなどさまざまなシーンで見受けられます。どの事例でも共通しているのは、顧客に商品や店をより身近に感じてもらうことができるという点です。

現実だけではできなかった体験をARを使って提供することができ、企業の認知度だけではなく顧客の満足度もより一層高めることができるようになります。


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