マイクロソフトは、開催中の開発者会議Buildにて、MRヘッドセット開発者版の予約をアメリカとカナダのストアで開始しました。AcerとHPが製造しているもので、Acer製は299ドル、HP製は329ドルとなります。一般消費者版は2017年ホリデーシーズン(年末)に発売されます。
発表を行うマイクロソフトのアレックス・キップマン氏
MRヘッドセットとは何か
MRヘッドセットは、現実にデジタル情報を配置できるシースルー型のHoloLensと異なり、没入型のVR体験を可能にします。発表の場では、シルクドソレイユがHoloLensを使って舞台装置の配置をシミュレーションするデモが披露。遠隔地のユーザーがMRヘッドセットを通して同じシミュレーションをバーチャル空間上で共有する様子が実演されました。
MRヘッドセットは、Windows 10搭載のPCで所定の条件を満たせば動作します。また、シースルー型のHoloLensと同じWindows Mixed Realityのプラットフォームを使い、空間に様々なオブジェクトを配置したり、没入型のVR体験も可能です。
ディスプレイにはLCD(液晶)を使用しています。Oculus RiftやPlayStation VR、HTC ViveなどのハイエンドなVRヘッドセットではOLED(有機EL)が採用されていました。
また、インサイドアウトトラッキングを搭載しており、外部センサー不要でヘッドセットに搭載されたセンサーを使って位置のトラッキングが可能です。
スペック
Acer製 | HP製 | |
ディスプレイ | 1440×1440×2 LCDディスプレイ | 1440×1440×2 LCDディスプレイ |
水平視野角 | 95度 | 95度 |
リフレッシュレート | 90Hz(ネイティブ) | 90Hz(ネイティブ) |
オーディオ、マイク | ビルトイン・オーディオ、マイク用3.5mmジャック | ビルトイン・オーディオ、マイク用3.5mmジャック |
ケーブル | HDMI 2.0(ディスプレイ)とUSB3.0ケーブル(データ)が一本になったもの長さ:4m | HDMI 2.0(ディスプレイ)とUSB3.0ケーブル(データ)が一本になったもの長さ4m、0.6m(着脱可能) |
位置トラッキング | インサイドアウト方式(外部センサー不要) | インサイドアウト方式(外部センサー不要) |
その他 | モーションコントローラーとの同梱版あり | 快適性を考慮した2重のヘッドバンドと調整用ノブ |
価格 | 299ドル | 329ドル |
推奨PCスペック
なお開発者向けに“推奨”されているPCのスペックは以下の通りです。最低動作環境は明らかになっていません。
プロセッサー | インテル Core i7(6コア以上)AMD Ryzen 7 1700(6コア、12スレッド) |
GPU | NVIDIA GTX 980/1060, AMD Radeon RX 480 (2GB)と同程度以上、DX12及びWDDM2.2対応消費電力15W以上 |
ディスプレイ | ヘッドセット用に・HDMI1.4もしくはDisplayPort 1.2(60Hzでの駆動)HDMI2.0もしくはDisplayPort 1.2(90Hzでの駆動) |
解像度 | SVGA (800×600)以上ビット深度 1ピクセル当たり32ビット |
メモリ | 16GB以上 |
ストレージ | 10GB以上 |
コネクター | USB 3.0 Type-A(900mA以上の電力供給)Bluetooth 4.0(アクセサリ用) |
Acer製MRヘッドセット向けにはモーションコントローラーとの同梱版が399ドルで発売されることも明らかになっています。
(参考)
マイクロソフト公式
https://blogs.windows.com/buildingapps/2017/05/11/windows-mixed-reality-dev-kits-available-pre-order/#qbQQL22H0cJzSx1g.97