ネカフェでVRを楽しめる「VR THEATER」記者会見レポート。気になるあれこれを聴いてきた

4月5日、メディア向けの「VR THEATER」プレス体験会が、自遊空間 BIGBOX高田馬場店で行われました。「VR THEATER」は、全国のインターネットカフェでVRコンテンツが楽しめるようになるという取組みです。サービス開始時は関東地方の31店舗で実施されます。今回のプレス体験会では『進撃の巨人展 360°体感シアター“哮”』と『攻殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver 完成版』を体験してきました。

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VRコンテンツを体験する前に「VR THEATER」を展開する、一般社団法人 日本複合カフェ協会(JCCA)、インターピア株式会社、株式会社 ejeの各代表による記者会見が行われました。

JCCA理事長の日高大輔氏は自身のVRの体験について「小さいころに思い描いていた未来がきたように感じた」と語りました。また、VRとインターネットカフェの相性の良さ、VRがクールジャパンを活性化させる可能性があるという考えを示しました。

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インターピア株式会社代表取締役社長の楠岡仁志氏は、VRには「対象年齢が13歳以上」「VR酔い」という2つの注意しなければならないポイントがあり、そのためVRの普及には慎重な取組みが必要になるとしました。また、日本には優秀なVRクリエーターが多くいるが、それに対しての投資が少ないこと、そして投資家の立場からすれば、VRよりもソーシャルゲームを制作して欲しいというのは正論であることから、VRを盛り上げるためにも「VR THEATER」のようなマネタイズへの導線が必要であるとしました。

さらに、今後はインターネットカフェだけでなく、他の施設、ゲームセンターやカラオケ、カプセルホテルなどに展開していく考えがあることを明らかにしました。年内に「VR THEATER」を1,000ヶ所に導入していくことを目標としているとのことです。

株式会社 eje代表取締役三代千晶氏は、VRのマネタイズの方法が少ない状況はクリエーターにとって厳しいものであり、「VR THEATER」によってインターネットカフェで手軽に課金できるオフラインの環境が整うのは、クリエイターにとっても歓迎されることになると語りました。

各記者会見の直後に行われた質疑応答では、今後の展開についての質問が複数ありました。質問への答えの中で、Gear VR以外のヘッドセットの導入も検討していくということ、またコンテンツについては、VR映像のほかにも、インタラクティブな要素を持つVRゲームの導入についても検討していることが語られました。

また、VR映像の事例として、音楽アーティストのファンの中には、何回も同じコンテンツを楽しんでいる人がいるということも語られました。熱心なファンにとっては、VRコンテンツは、必ずしも1回だけ消費するものではないということのようです。

TELEPODを設置する店舗は、「VR THEATER」開始時は自遊空間 BIGBOX高田馬場店のみになるとのことです。

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体験会では、最初に『進撃の巨人展 360°体感シアター“哮”』を、次に休憩を入れてから『攻殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver 完成版』を体験しました。

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長めのテーブル上に6つほどのGear VRが用意され、椅子に座って楽しむというものでした。アイマスクの上からGear VRを装着するので、衛生面でも安心です。

『進撃の巨人展 360°体感シアター“哮”』は、2014年の冬から全国で行われた「進撃の巨人展」で長蛇の列ができるほどの人気になったVRコンテンツ『トロスト区奪還作戦』と同じ内容です。並ぶことなく、全国のネットカフェで気軽に楽しむことができるというのは、魅力です。

市街地に複数の巨人が侵入し、主人公のエレンが巨人化したところから物語は始まります。プレーヤーはミカサら訓練兵団と共に巨人との戦いに向かいます。特に操作は必要なく、見ているだけで自動的に動いてくれるので、安心して進撃の巨人の世界を見回すことができました。立体機動装置によって建物の屋根から屋根を飛び移るシーンは、スピード感があり、迫力もありました。

巨人に捕食されて口の中まで入ってしまった時は、後ろを振り返って巨人の口が閉じていくのを呆然と眺めるだけという無力感を味わえたのも、進撃の巨人の世界観と合っていて楽しめました。

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コンテンツの体験時間は5分ほどで、多少画像も荒く感じもしましたが、進撃の巨人ファンではない筆者でも満足感は高く、600円ならば体験する価値は高いと思いました。

10~20分ほど休憩をしてから『殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver 完成版』を体験。完成版ということで、すでに公開されているティザー版の約5倍の15分という、本格的なVRコンテンツとなります。5月に配信が予定されています。

https://www.youtube.com/watch?v=C1iAi2yvSZE

スタートしてすぐに目の前に主人公・草薙素子の姿が徐々に現れてきます。草薙素子の顔の小ささが、比較する対象物がなくても分かることに感動しました。場面の転換や、現実ではありえないような演出が多くあり、物語を見ているというよりも、アトラクションに乗りながら物語を体験しているという感覚でした。そのためか、15分間の一般的な映像を見るよりも、疲労感がありました。

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まだ、VR酔いを感じる作品だったので、これから一般公開されるまでに改善されるかも注目したいです。ただ、インターネットカフェならば終了後すぐでも、水などを飲みながら休憩することができ、特にVRを初めて体験する方ならば、相談できる店員の方もいるので安心できる部分もあります。

しかし、インターネットカフェを利用する人のことを考えると、できるだけ快適な環境を用意することは必要です。VR酔いするコンテンツは控えた方が適切であることは間違いないでしょう。

体験会後もスタッフの方がいたので、いくつか気になる点を聴いてみました。

●衛生面について
実際の店舗でもGear VRを貸し出す際にはアイマスクを提供します。そして、一度使用したGear VRは必ず消毒シートで拭くとのことです。

●体験する環境について
オープンなスペースにあるテーブルにGear VRを置いてというのではなく、個室にGear VRを持って行って体験することになります。

●スタッフは体験中ずっと付きっきりなのか
スタッフはチュートリアルのところまでは個室にいますが、本編を体験中は個室から出ているようです。もし何か呼び出しがあれば、すぐに駆けつけれるような体制にするとのことです。

●1店舗に用意されるGear VRの台数について
「VR THEATER」開始時は、1店舗当たり最低2台のGear VRが用意され、最大でも6台となります。スタッフの人数などを考えると、数十台など数多くの台数を揃えるのは難しいとのことです。現状ではGear VRを貸し出して、自力でコンテンツを楽しんでもらうのは難しいと考えているとのことです。

●導入店舗が次に増えていくタイミングについて
まず、稼動して最初の1,2ヶ月で知見とノウハウを貯めます。これはインターネットカフェの各会社や各店舗の枠を超えて、知見を共有していくとのことです。導入店舗を増やしていくのは、その間の期間にオペレーションなどを洗練させてからとなるそうです。

●カラオケに展開するとすればGear VRになる?
カラオケなどへの展開を考えると、Gear VRは、選択肢を増やすヘッドセットであると言えます。カラオケなどの施設が、1から高性能PCとヘッドセットを揃えるというよりかは、ハードルが低くなるとのことです。

●『攻殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver 完成版』の料金について
現在、調整中です。ただし、『進撃の巨人展 360°体感シアター“哮”』の料金である600円というのは、料金を検討する際の1つの基準にはなるとのことです。

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韓国や中国でもインターネットカフェにVRを導入するという動きがあります。高性能PCを始めとした機材を揃えやすい環境であること、個室でVRを楽しめるということを考えると、インターネットカフェとVRは相性が良いと言えるのではないでしょうか。

「VR THEATER」の全国展開が実現すれば、これまでにVRを体験する機会の少なかった地方の人でも、簡単にVRを体験することができるようになります。VR普及の効果的な取組みになるのか、期待したいところです。

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