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活用事例 2018.03.04

無料の『ポーカーVR』課金額が伸びて好調

VR空間内で、まるで自分自身がその場でポーカーをしているかのうように楽しめるソーシャルVRアプリ『Poker VR』は、無料でダウンロードできるVRアプリでありながらもその高い収益性に注目が集まっています。

『Poker VR』は現在スマートフォン向けのGear VR向けに配信されています。日本での配信は未定です。なお、今後はPC向けのOculus Rift、一体型のOculus Goでの配信も予定されています。

『Poker VR』のビジネスモデル

無料で遊べるアプリのビジネスモデルは、モバイル・家庭用ゲーム機・PCに加えて、今ではVRにも進出しています。

『Poker VR』は無料でアカウントを作ることができます。ゲーム内で使用できる通貨をポーカーゲームで稼ぎ、その通貨でパワーアップアイテムやアバターのコスメ、アップグレードなどを購入。課金もできます。

ユーザーの消費額について正確な数字は明らかになっていませんが、開発したMega Particle社CEOのHamza Siddiqui氏によると、本アプリは1人当たり50セント(約50円)を消費しているとのこと。比較対象として最もポピュラーなPCゲーム『League of Legends』を挙げると、ユーザー1人当たり1.32ドル(約140円)を消費しています。(米リサーチ会社Superdataレポート参考)

大多数の無料ダウンロードアプリと同じく、この数字は一般ユーザーよりも多額の課金を行うヘビーユーザーによって導き出されています。また、平均以上にユーザーが課金することに加えて、ユーザーは『Poker VR』にかなりの時間を費やしています。

Siddiqui氏いわく、現在のところユーザーは本アプリに平均62分間費やしているとのことです。このような結果は、開発チームがソーシャル面で面白くユニークな内容を作ることに力を入れているために出せていると話しています。



開発したMega Particle社

『Poker VR』を開発したMega Particle社は、従来のオンラインカジノではなく、VRの技術を使ってよりリアルに近いカジノが自分の部屋でもできるように、2016年5月にモバイル向けソーシャルVRアプリ『Casino VR Poker』をリリースしました。2017年12月に発表された『Poker VR』は1年間の制作期間を費やし、前アプリの改良版ではなく全く新しいゲームとしてリリースされました。

米メディアVRScoutのインタビューでSiddiqui氏は「『Poker VR』はOculus Storeで配信されている無料で体験できるVRアプリの中で「非常に高い収益」を出しています。」と述べています。また同氏は「(ある時点で)我が社のソーシャルVRアプリは、1,000タイトル以上あるGear VRのアプリの中で一番売れてるアプリになりました。(中略)Oculus Storeの中で最高収益を出している無料アプリです。」と話しています。

鍵となるのはソーシャル面の充実

Siddiqui氏は「私たちは様々な仮説を立ててきましたが、VRゲームのデザインへのアプローチ方法を完全に見直しました。『Poker VR』がその答えとなっています。従来のポーカーゲームを劇的に変えたわけではなく、充実したソーシャルバックグラウンドのコンテンツを構築しました。」と述べています。

このソーシャルバックグラウンドコンテンツがプレイヤーを惹きつけ楽しませて、その結果消費を誘導していると同氏は語ります。

続けて同氏は「例えば、私たちのコミュニテイの中で人々はコスメのアップグレードにとても関心を持っています。この世界に長い間存在していると外見に気を遣うようになりますよね。社会的地位や友人たちのことに多くの関心を持っています。『Poker VR』の特色のひとつとが、多様なアバターシステムです。4億通りのユニークなカスタマイズができるオプションが存在しています。」

アバターのファッションはゲーム内で得た通貨で購入ができ、その通貨は現実世界で使用されている通貨で購入可能です。

『Poker VR』は現実世界での繋がりにも深く関係しています。これについて同氏は「より多くの友人がいる人は、よりゲームに夢中になるという相関性が明らかになっています。」と述べています。

(参考)
VRScout『Poker VR』フェイスブックページ

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