VR用動画をストリーミングで 米企業が20億円超を資金調達

VR動画でのストリーミング再生を実現するためのクラウドベースのプラットフォームを構築するPixvanaは、シリーズAの資金調達で新たに1,400万ドルの投資を獲得しました。2015年の投資と合わせて、計2,000万ドル(約22.5億円)の資金を調達しています。

ストリーミング再生とは

YouTubeなどの動画サイトで動画を見るとき、毎回あらかじめ動画データをダウンロードしておく必要はありません。ストリーミング再生と呼ばれる技術により、リアルタイムに動画データをダウンロードしながら、即座に見ることができます。

ストリーミング再生では通信を行いながら動画を再生するため、ダウンロード速度が重要となります。特にVRでは360度の映像が視界いっぱいに表示されることとなり、それに応じて1秒あたりのダウンロード量も膨大となります。

このダウンロード速度が足りない時、動画が再生途中で止まったり、画質が著しく低下したりしてしまうのです。

いかに容量を圧縮し、かつ没入に足る映像品質を保てるかという点において、VRでのストリーミング再生技術はまだ確立されていません。

視線に応じて解像度を変える圧縮技術

シアトルに拠点を置くPixvanaは、360度ビデオ制作プラットフォームであるSPIN Studioを利用して「誰でも次世代のビデオ体験を作成し、配信できるようにしたい」としています。

SPIN Studioでは、VR/AR/MR向けビデオコンテンツを制作、配信することができます。現在ベータテストが行われており、最大8Kのビデオを再生したり、Steamストアに直接公開することができます。

同プラットフォームではFOVAS(Field of View Adaptive Streaming、視野適応ストリーミング)と呼ぶ技術を用い、データ容量の最適化を実現しています。FOVASではプレイヤーが視線を向けている部分のみ高解像度に、それ以外の部分を低解像度にすることで、余分な容量を省いています。

FOVASはOculus Rift、HTC Vive、Windows MR、Gear VR、Google Daydreamなどのヘッドセットに対応しています。

新たに1,400万ドルの資金を調達

同社は2015年12月の資金調達にて活動を公にし、これまでプラットフォームの構築を進めてきました。

今回のシリーズAラウンド資金調達では、Vulcan Capital、Microsoft Ventures、Cisco Investments、Hearst Ventures、加えて前回の投資にも参加したMadrona Venture Groupより投資が行われ、1,400万ドルの資金が調達されました。

PixvanaのCEOであるForest Key氏は、「XRストーリーテリングのビジョンを実現するために、これらの投資家たちの協力を得ることができて非常に喜ばしく思っています。ビデオと3Dコンテンツのやり取りをより速く繰り返すことができれば、クリエイターやブランド・メディア企業はより素晴らしいXR体験を創り出すことができるでしょう」と述べています。

下の動画は、投資に際して同社が制作した360度映像です。

なおYouTubeでの再生はFOVAS技術に対応していないため、より高品質な体験を得るためにはSteamで無料配信中のSpin Playアプリが必要となります。

https://www.youtube.com/watch?v=_1Dq1ZkGacc

(参考)
Pixvana Raises $14M Series A Investment for Cloud-based VR Video Platform / Road to VR(英語)
https://www.roadtovr.com/pixvana-raises-14m-series-investment-cloud-based-vr-video-platform/

Mogura VRは、Road to VRとパートナーシップを結んでいます。

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この記事を書いた人

  • 力触覚を中心としたバーチャルリアリティを専攻する学生。幼少期から趣味でゲーム開発を行い、やがてVRにたどり着く。現在はコンテンツ開発やデバイス開発を勉強中。

    Twitter:@FoltTenor

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