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AR/MR 2017.11.24

落合陽一氏ら、AR向け技術を続々発表 キーワードは広視野・透過型

ピクシーダストテクノロジーズ株式会社は、AR向けヘッドマウントディスプレイ(HMD)を実現する新技術を発表しました。同研究室では他にもAR向けHMDを実現するための技術を複数発表しており、「広視野かつ透過型」のARHMDの製品化に結びつけていく、としています。広視野かつ透過型のARHMDは、既存のARHMDの課題を解決する技術として注目が集まっています。

今回発表された技術は「Light Field Blender」と呼ばれています。同社は今後「Light Field Blender」方式やその派生技術の研究開発を進め、広視野・透過型HMDの製品化に結び付けてゆく方針を明らかにしています。また本技術に関する速報をSIGGRAPH ASIA 2017にて発表するとのこと。

これまでの透過型HMD研究では「視野角が狭い」「背景がゆがむ」「HMDの表示が正しく光線が再生されていない」などの問題点がありました。これらの問題に対し、今回発表された方式は、広視野角かつ正確な光線再生を行うことが可能、と謳っています。

「Light Field Blender」では微小なレンズを配列した光学部品・マイクロレンズアレイと、従来は空中像投影システムなどに用いられるTMD(Transmissive Mirror Device / 透過型ミラーデバイス)と呼ばれるデバイスを使用しています。この手法により、従来は難しかった「ボケ」の再現などが可能となりました。今後は本方式を搭載したデバイスの小型化、および高精細化などを進める予定です。

三種類の「広視野・透過型」HMD技術

ピクシーダストテクノロジーズ株式会社は先日も「広視野・透過型」のHMD向けにメガネ型のデバイスを発表したばかりです。Mogura VR編集部の問合わせに対して同社では、3つの異なる方式を並行して研究している、とのこと。現在はそれぞれの方式を試行・比較検討している段階です。

Air Mounted Eyepiece

「Air Mounted Eyepiece」は単レンズによるシンプルな構成で、既存のVRコンテンツをそのまま適用可能となっています。既存のシースルー型HMDよりも広い視野角を実現します。

Light Field Blender

今回発表された「Light Field Blender」はマイクロレンズアレイを使用したライトフィールド型。被写界深度を再現することが可能で、理論上は単レンズ型である「Air Mounted Eyepiece」よりも薄くて軽い構成にできるとのこと。

Air Mount Retinal Projector

そして先日発表された「Air Mount Retinal Projector」は網膜投影型。近視や乱視など、視力のばらつきがある人にも綺麗な映像を見せることができ、こちらも被写界深度の再現が可能となっています。

(参考)
・プレスリリース
・ピクシーダストテクノロジー社 Light Field Blenderプロジェクトページ


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