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活用事例 2017.03.31

Oculus創業者パルマー・ラッキー、Facebookを退社へ

Oculus Riftの発案者であり、Oculus社の共同創業者パルマー・ラッキー氏(以下、パルマー)がFacebookを退職することが明らかになりました。

米VRメディアUpload VRが報じたものです。同氏は今週を持ってOculus社、そして親会社であるFacebook社を退職するとのこと。

Oculus社は、Upload VRに対して「パルマーが去ることは心から残念です。彼の功績はOculusだけに留まりません。彼の独創的な精神は昨今のVR革命を引き起こし、業界の立ち上げに貢献しました。私たちは彼がOculusとVRにもたらしたすべてのことに感謝しています。そして、彼の成功を祈っています」との公式コメントを明らかにしています。

VRムーブメントのきっかけになったKickstarter

Oculus社が言及しているように、昨今の一般消費者向けVR市場が始まるきっかけとなったのはパルマーが発明したOculus Rift、そしてそのKickstarterでした。

パルマーが、クラウドファンディングサイトKickstarterにPC向けのVRヘッドマウントディスプレイ「Oculus Rift」を掲載し、目標資金の10倍近い240万ドルの資金を集めたのは2012年のこと。新たなゲーミングデバイスとして一般の消費者向けにVR体験を届けるデバイスOculus Riftは登場しました。その後、開発者キット第1弾(DK1)は300ドル、第2弾(DK2)は350ドルで販売された開発者版は合計20万台以上が出荷され、全世界の開発者が個人、企業かからわず誰でもVRのコンテンツ開発を始めました。

Oculusは2014年3月にFacebookにより買収をされ、パルマー氏はFacebookの社員としてOculus社内で働いていました。時折、Oculusのイベントなどでは、同氏が登壇し重大な発表などを行っていましたが、2016年秋に米大統領選でトランプ陣営を応援する団体へ寄付をしていることなどが発覚し、以降表舞台からは姿を消していました。直近では、Facebok社とOculusのメンバーを訴えたZenimax社との訴訟で被告人の1人となっていました。


2015年6月Oculus Touchの発表を行うパルマー・ラッキー氏

2016年3月にはOculus Riftの製品版が発売され、12月にVRで自分の手を動かすことのできるTouchコントローラーが発売されています。

VRムーブメントのシンボルだったパルマー氏

パルマーはそのオープンで親しみやすいキャラクターから、多くの人に愛されている人でもあります。2016年にTIME誌の表紙を飾った際に、その画像を加工した「コラ画像」が世界中で大量に作られたことからも伺えます。

TIMEの表紙を飾ったOculus VRの創業者パルマー・ラッキー氏のクソコラ祭りが盛り上がる

また、パルマーは日本好きとしても知られていました。日本のアニメである『ソードアート・オンライン』や『攻殻機動隊』、『.hack』などをこよなく愛し、公言していました。2014年、2015年に来日した際には、日本のVR開発者とも積極的に交流し、「日本からのVRコンテンツを楽しみにしている」という発言を繰り返しています。

「 Oculus VR 」の創業者パルマー・ラッキー氏はなぜ日本の開発者に魅了されたのか? ― Unite Japan 2014 レポート

Oculusの創業者パルマー・ラッキー、VRの未来と日本のコンテンツへの期待を語る

筆者も、2014年よりVRについての記事を書き始め、その最初期に出会ったのが日本に来日していたパルマーでした。トレードマークのサンダルを履き、半袖シャツを着て、誰とでもカジュアルに会話をするパルマー・ラッキー氏の姿は、オープンそのものでした。

Facebookを退社したパルマー・ラッキー氏は弱冠24歳です。彼がFacebookを去ることを惜しみつつ、今後、何に取り組むのか、注目したいところです。

(参考)
https://uploadvr.com/palmer-luckey-departs-facebook/


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