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活用事例 2016.12.29

Oculus、視線追跡技術のThe Eye Tribe社を買収

デンマークのスタートアップEye Tribe社は、Oculus社に買収されたことを明らかにしました。Tech Crunchのジョシュ・コンスティン氏の取材に対し、Oculus社とThe Eye Tribe社はいずれも買収を認めています。

2011年に4人の学生が立ち上げたThe Eye Tribe社

The Eye Tribe社は、2011年9月にコペンハーゲンIT大学の博士課程に所属していた4名の学生が設立。シードラウンドでベンチャーキャピタルのBootcamp等から300万ドル(約3.6億円)を調達。さらにレゴ、シリアスゲームズ、コペンハーゲンIT大学、デンマーク工科大学等と共同で、視線によるコントロールを市場に普及させる、440万ドル(約5.2億円)の政府支援のプロジェクトを主導しました。現在199ドルで、「Tracker Pro Kit」を販売しています。

同社のトラッキングデバイスをOculus RiftやHTC Vive、Gear VRなどのVRヘッドマウントディスプレイ(VRHMD)に搭載したデモをこれまでYouTube等で公開しています。

https://www.youtube.com/watch?v=VOmBJ7Eim9c

視線追跡がVRにもたらすもの

視線追跡は次世代のVRデバイスに搭載される機能として注目が集まっています。

視線追跡のVRデバイスへの実装には、コントロールや処理負荷軽減への貢献、より深いインタラクションの実現など様々な効果が期待されていることがその理由です。

現在のVR体験では、カーソルなどを移動する際に主に頭や手に持ったハンドコントローラーを動かしています。アイトラッキングが搭載されると「目で見て」選択することが可能となり、コントロールがより直感的になります。

また、アイトラッキングが搭載されること可能になるのは視線によるコントロールだけではありません。人間の視覚が視野の中心部分の解像度を高く、周辺部分の解像度を低くしていることから、目の動きを追跡することで、人間の視覚と同じように「見ている中心部の解像度を高くする」といった描画(フォービエイデッド・レンダリング)が可能となり、VRで1つの課題となっている描画処理負荷の軽減につながります。描画処理負荷の軽減はモバイルや一体型のVRHMDの実現には不可欠です。

また、目の動きは感情とつながっているため、VRの中で感情使ったインタラクションの実現します。

視線追跡のVRデバイスへの搭載は世界中で取り組まれており、日本を拠点にしているFOVE社は視線追跡型VRヘッドマウントディスプレイ「FOVE」を開発中、またSMIやTobii等視線追跡デバイスメーカーはVRヘッドマウントディスプレイへの組み込みに向けて動きを見せています。

Oculusは、2016年10月に開催されたOculus Connect3にて一体型VRHMDプロトタイプ「Santa Cruz」を発表しています。

2017年は視線追跡が搭載された次世代VRHMDに注目したいところです。

https://www.youtube.com/watch?v=2q9DarPET0o

(参考)

Oculus Acquires Eye-Tracking Company The Eye Tribe – Road to VR

http://www.roadtovr.com/oculus-acquires-eye-tracking-company-eye-tribe/

Oculus acquires eye-tracking startup The Eye Tribe

https://techcrunch.com/2016/12/28/the-eye-tribe-oculus/


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