【体験レポ】OcuFes 2015夏はVRの新しいアイデアを見られる宝庫だった(後編)

前編に引き続き、8月24日に秋葉原で開催されたVRコンテンツの展示会『G-Tune × AMD Ocufes 2015夏』のレポートをお届けします。

VR「蟲姫」/ 株式会社ファンタジスタ

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ホラー漫画「蟲姫」のPR用のデモ動画です。今年7月26日に行われたイベント「蟲姫ホラーナイト」で体験できたものです。原作の各シーンの背景やイメージに原作のキャラのカットが入り声優のセリフがついてるそのようなCMをご覧になったことがあると思います。その映像世界にそのまま入り込んだように思えました。

Oculus Riftを被ると第1話の冒頭、ぐるりと見回すと沢山の屍体が浮かんでいる血の海の中にいます、目の前には原作の絵そのものの少女の足、そして主人公高砂陵一のモノローグが聞こえてきます。シーンはダイジェストのように変わり、深い山の中の岩場、大量の羽虫の群れが舞う街の上空、暗い中で無数のゴキブリが足元を這い回るなど。

原作のシーンを360度で味わいながら、原作のカットが宙に浮いてきて、キャラクターの声が聞こえてくるという今までになかったタイプのVR動画です。

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自分の体が見えないのですが足元で大量のゴキブリが地面を埋め尽くしザワザワ動いていると自分の足もザワッとしてきます。大量の羽虫が飛び交う中にいると息をしたくなくなります。キャラクターを3DCGにしなくても作品世界の中に入れる、新たな漫画の楽しみ方を提示している作品でした。(kure)

木造校舎を歩く /鉄人ドリル

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GearVRで体験できるホラー系コンテンツ。木造校舎の中を、GearVRのタッチパネルを触ると見ている方向に前進できる、という操作方法は非常に分かりやすくシンプルです。Gear VRの特性上、Unreal Engine 4で作られた教室の懐かしい雰囲気を手軽に高画質で体験できます。「Ocufes」の展示では教室のみでしたが、製品版では学校全体でプレイできるようになります。(サヤメタクミ)

ODshooter / 松原達朗

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レトロゲームと呼ばれるドット絵のような自機を操る3人称視点シューティングゲームです。ゲームパッドを使用し、マシンガンと追尾型ミサイルの2種類の武器で敵機を撃墜します。
Oculus Riftを被ると宇宙空間の中、目の前に自機が見えます。

敵機は前方、宇宙空間の中心部に多く集まっているので中心部に突撃しては大きく方向転換して再度突撃を繰り返す、それだけ激しく動いたのに酔うこともありませんでした。ロックオンは近づけば自動でされるので、初志者でも操作しやすく爽快でした。(kure)

BLUST BUSTER / 野生の男

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こちらも宇宙空間での3人称視点のシューティングゲームで、鉱物のような生命体をひたすら破壊していきます。

操作は頭の動きのみ。対象をロックオンしてレーザービームを発射します。自分の手の動きをVR内に反映させるLeap Motionを利用すると、自分の手からもビームが出ます。

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写真のようにVR内で最初に手が出るとびっくりしました。Oculus Riftを被っていると、このVRの中の手の動きと位置は自分が伸ばしている手と全く同じです。現実と同期しているため、すぐに違和感はなくなり、ビームを出すことに夢中になりました。指一本より手を広げると指の本数分レーザーが発射されていくのはとても美しいです。頭をグリグリと動かし、かなりのスピードで動き回りましたが酔いもなく、映像も綺麗で操作も単純と、誰でも楽しめます。(kure)

恐竜戯画 / 積木制作

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博物館のティラノサウルスの化石標本を見てると白亜紀後期にタイムスリップ、陸、海、空を移動しながら色々な人気恐竜が動いているところを眺めるデモ映像です。

筆者は以前Oculus Rift DK2版を体験したことがありましたが、今回はでハコスコ+タブレットPCを使ったバージョンが展示されていました。立体的には見えませんが酔いにくく一人映画館のような気分とDK2よりも美しい映像が楽しめました。

走るトリケラトプスの群れの中に入ったり、ティラノサウルス対トリケラトプスなど恐竜好きならワクワクするシーンの連続です。4分30秒ありますが、あっという間の迫力のある体験でした。

プロモーショ映像はこちら(360度動画)

https://www.youtube.com/watch?v=S791s5QP_X0

VR Game Jam 優秀賞獲得コンテンツ

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Ocufesの開催される直前、8月22日から23日に行われた「東北ITコンセプト 福島GameJam 2015」で優秀賞を獲得したコンテンツ2作品も展示されていました。

一つ目は花火メーカー / 小川流花火大会
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Oculus Riftを被ると、巨大な球が中央に浮かんでるのが見えます。ゲームパッドを使い、中央の球に5色の中から自分の好きな色の球をくっつけていきます。この球は火薬で球の色は花火の色、くっつける場所で花火の形が決まります。作り終わったら、夜の土手で自分の作った花火の打ち上げを鑑賞します。
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組み合わせで形はかなり変化します。色々できそうなのでもっと作りたくなりました。作った花火の打ち上げを誰かと見たり、動画をSNSで共有できたら更にハマりそうな作品です。

二つ目はdeliallon / Balloon7
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こちらもゲームパッドで操作して、指定の場所に荷物を運ぶゲームです。風船を沢山膨らますと上昇、手放して下降するできるので向かってくるカラスや建物を避けていきます。
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物を運ぶゲームはしばしばありますが、このゲームでは移動方法にゆっくりとしか移動できない風船を選んだところがユニークです。一人称視点のため、足元に映る影で風船の個数を確認できるのは没入感を妨げない方法だと思います。ゆっくり移動するため、360度周りを見回しても酔いにくく、のんびりと遊覧してる気分を味わえます。
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両作品は2日間で作られたものなので他の展示作品に比べれば確かに映像はシンプルでしたが、アイデアが興味深い2作品でした。(kure)

見習い空賊と天空の少女/ウダサンコウボウ

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プレイ時間は2分程。某アニメ映画の名シーンのような、少年が飛行機に乗りながら少女を受け止めるシーンを体験できるコンテンツ。プログラム制御による風や水を体験できる他、自作ハードウェアによる振動体験が、そこにいる臨場感を味わえます。

プロモーション動画はこちら ※ネタバレあり(サヤメタクミ)

カスタムメイド3D2 / Kiss

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Ocufesの会場には、R18とされた展示がいくつかありましたが、このカスタムメイド3D2のデモ版は特に出来が良かったコンテンツでした。この体験でできるのは、ゲーム内の女の子アバターをカスタマイズすること。グラフィックが綺麗なことに加え、カスタマイズできる箇所が衣装、髪型、胸のボリュームや揺れ具合、身長、ポーズなどなど、VRで体験すると目の前でカスタマイズすることができました。(Alix)

Sexyビーチ /イリュージョン

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こちらもR18コンテンツ。イリュージョンが展示していたSexyビーチのデモ版です。VR内で、シャワーを浴びている女の子を様々な角度から見る事が出来ます。徹底的にリアルに作りこまれた女の子のグラフィックの美しさが印象的です。将来的には、「Oculus Touch」などのモーションコントロールを応用し、よりインタラクティブなゲームに仕上げたいとのことでした。(サヤメタクミ)

さいごに

今回取材を行ったライターからは、「どの作品にも新規性があり、酔いにくい作品が格段に増えました。ジャンルも様々。すべての展示ブースを体験したかったのですが、時間が足りず回りきれなかったのが心残り。」と言った声もありました。50を超える作品が一気に展示される機会というのものなかなかありません。

Ocufesは、VRで楽しむ新たなアイデアに触れる場として、絶好の機会です。一方で、ソフトの完成度はそれぞれです。物足りなさを感じることもあるかもしれません。少し考え方を変えてみると、今後磨きこむことで光り輝く原石のようなコンテンツも多くあったと言えます。課題も多くありますが、それぞれのコンテンツがどのように広がっていくか楽しみにしたいところです。(すんくぼ)

この記事を書いた人

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    東京在住のフランス人。ずっとゲーム業界で生きてきて、今は「Insert Coin」というゲーム業界のネットワーキングイベントを運営しています。VRと出会ったのが2年前で、DK1で体験してから、VRがエンターテインメント業界に大きいなインパクトを与えると信じるようになりました。これからMoguraVRで協力させていただきます!

    Mogura VRのライター一覧はこちら
    http://www.moguravr.com/writers/

  • image01

    アニメや特撮、VR・ARが好きなだけな人です。Oculus等HMD、VR・ARの魅力を沢山の人に広めていければと思っています。

    Twitter:@southern_kugua

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  • KFtb1VIM

    慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、環境省に入省。環境白書の作成等に携わる。ECベンチャー勤務を経て、現Mogura VR編集長、株式会社Mogura代表取締役社長。
    現実を進化させることができるVRに無限の可能性を感じ、身も心も捧げている。これまでに体験したVRコンテンツは展示、配信合わせて500作品以上。現在ももちろんコンテンツを体験し続けており、VR業界の情報集約と提供、コンサルティングに強みがある。また、海外の主要なVRイベントでは必ず現地に足を運び、取材やネットワーク構築を行っている。2016年は6回渡米。

    Twitter:@tyranusii

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    先端技術好きなデザイナー。VRでは、MVコンセプトアート制作や360度カメラを使用した企画に関わる。多摩美術大中退、CI開発から書籍装丁等の様々なデザイン業務に従事。 THETA LOVERだゾ。

    Twitter:@sayamecci

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