【レポート】日本から海外へ?Touchの課題?Oculus Connect 2の参加者は何を思ったのか(Ocuben #3)

10月13日、東京 御茶ノ水にあるデジタルハリウッド大学にてVR開発者向けの勉強会「Ocuben ♯03」が行われました。今回のテーマは、「Oculus Connect 2 報告会」。先月23日~25日に米ロサンゼルスで開催された「Oculus Connect 2」(OC2)に、日本から参加した開発者らから報告が行われました。会場には、開発者や学生が、200人以上集まり、現地の熱気を伝える報告に耳を傾けました。

今回は、6名が登壇し、報告を行いましたが、特に3名の講演に焦点を当てて紹介したいと思います。

日本のコンテンツのアピールを海外で

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教育分野やエンタメ、映像といった分野でVRコンテンツを制作しているスタートアップ「DVERSE」を率いる沼倉正吾氏。DVERSEは、日本人の率いるVRコンテンツ企業として初めての投資を受けた会社です。沼倉氏はOC2の後、サンフランシスコで自身のコンテンツのプレゼンを行う傍ら、サンフランシスコのスタートアップの様子を見てきたとのこと。
VR専門VCであるRothenbergでは「River」という企業の育成プログラムを行っており、資金を投資すると共に、3か月の間アドバイザーやオフィスの提供などを行います。現在2期目が動いており、1期では日本からは「FOVE」が参加しました。提供しているオフィスに実際に足を運んだ感想について「治安の悪い場所」とコメント。その理由として、「大成功した人と大失敗した人が混在しているのがサンフランシスコという場所です。」と解説しました。

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沼倉氏が見てきたコンテンツの中でも、特徴のあったコンテンツとして「Discovr」を挙げました。これはVR空間内で災害現場を再現するもので、負傷者を観察して緊急度を決定(トリアージ)する看護実習用のコンテンツです。

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海外のVRスタートアップの現状について、「ゲーム以外にこれだというものが見つかっていないので、日本から積極的に提案していった方が良い。日本のコンテンツはBtoB向けではウケがいいと感じられた。」とのこと。海外に自身のコンテンツを見せた経験からも、参加者に積極的な海外志向を促しました。

OculusTouchの弱点と、開発にあたって注意すべきこと

 

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ゲームライターの佐藤カフジ氏は、OC2について「複雑な感想を持つに至った。」と冒頭にコメントしました。その理由として挙げたのは、評価の高いOculus Touchですら、体を横に向けた時などに死角が生まれ、トラッキングが外れる事で没入感が削がれてしまうということ。そして、表面を触っているかで指の開閉を認識するtouch。しかし、触っているつもりがないのにコントローラーが勝手に反応してしまうことがあるため、これを利用するゲーム開発には注意が必要だと指摘しました。こういった事例について、「Oculusは綺麗なところしか説明をしていない。」とコメント。そこで、この話題について正直な感想を話してくれた「OwlchemyLabs」の講演内容を共有しました。同社はJob simulatorなどを開発している企業で、VR開発を3年程続けています。

Job simulator のトレーラー

https://www.youtube.com/watch?v=Uhh4dA-V2os

同社がOC2のセッションで使用したスライドを紹介した佐藤氏の講演。認識するカメラが2個の時でさえ死角が発生してトラッキングが剥がれてしまう例を挙げました。最もトラッキングのエラーが少ない(ほぼ死角がない)ものはLighthouseを使用した「HTC Vive」であると解説。

ほぼ死角の無い「HTC Vive」
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Riftでカメラが1個の時の死角
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Riftでカメラが2個の時の死角
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製品版発売後、どのHMD(ヘッドマウントディスプレイ)が選ばれるか分からないため、1つのHMDに絞ってコンテンツ開発を行うと失敗する可能性を指摘。おおむねPSVRに合わせて作れば全プラットフォームに対応が可能」と語りました。Oculus Touchに代表されるこれらのコントローラーのトラッキングについて「手が再現されるハンドプレゼンスを持ち込めば、現実を超えた体験ができる。これがVRの魅力。」とコメントした上、HMD全機種に対応できるようなコンテンツ制作を推奨しました。

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OC1からのOculus社とVRの進歩と、今後の課題であるキラーアプリの存在。

 

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日立製作所研究開発グループの藤原貴之氏は、去年開催されたOculus Connectの参加経験から、今回のOC2を比較しました。講演数が全体で2倍になった他、技術セッションは4倍。参加者数も約1000人から約1500人に増加。去年多かった簡易型スマホHMDの展示がなくなったとのことについて、OC1開催当時Cardboardが発売されてまもなくであった事に加え、GearVRが未発売だった事が出展内容にも影響を与えていると解説しました。また、Oculus touchの発表があったためか、入力デバイス系の出展も今年は見られなったとのこと。

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「VRは非ゲーム分野にも使われるのか」という話題では、。VRにも決定的な活用方法「キラーアプリ」を見つける事がVRを広めるために重要であると指摘しました。これまでの例として、PCが表計算ソフトの発明によって認知度が上がった事、ドローンが調査や配達関係で注目され、おもちゃ以外の活用方法の検討が加速した事を例に挙げました。VRにもこういった決定的な活用方法「キラーアプリ」を見つける事がVRを広めるために重要であると解説しました。

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なお、Oculus Connect 2についてはMogura VRでも多くのレポート記事をお送りしています。

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