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PlayStation VR 2017.10.28

新型PSVRの感想 VRソフトのプレイ感など

PlayStation 4(PS4)に接続し、VRゲームや360度動画が楽しめるデバイス「PlayStation VR(プレイステーションVR・PSVR)」。発売1周年となる2017年10月14日には新モデルが発売され、VR対応・専用ゲームやアプリも多く発表されています。

本記事ではPSVRの新型モデルを使用し、PSVRでVRを体験してみた感想や、どのようなVRを楽しむことができるのか紹介・レビューします。

PSVRとは?

PSVRは、PS4につなぐことで、VR(バーチャルリアリティ)を体験することができるデバイスです。PSVRを頭に装着して視界をディスプレイで覆うことで、ゲームの世界や世界各地の様子、アイドルのライブなどに本当に入り込んでいるかのような臨場感・没入感のある体験ができます。

(合わせて読みたい記事)
・PSVR体験動画まとめ 海外のリアクションも

PSVRは何が違うのか?

普段なかなかできないことが、臨場感たっぷりで体験できる

PSVRを使用するとゲームや映像の臨場感・没入感がぐんと上がります。『PlayStation®VR WORLDS』に収録されている『Ocean Descent』では、深海で巨大なサメに襲われる恐怖体験ができますし、ホラーゲーム『バイオハザード7』のVRモードでグロテスクなクリーチャーと戦う緊張やスリルを味わうことができます。自分の目の前にその作品の世界が広がり、本当に自分が映画やゲームの世界の中にいるかのような感覚があります。

PSVRで体験できるのは、恐ろしさやスリルだけではありません。『サマーレッスン』では、すぐそばに実在しているのではないかと思うほどリアルな女の子とのコミュニケーションを楽しめます。シミュレーション以外ではVRゲーム『Rez Infinite』では音楽と視覚を組み合わせた、全く新しい体験ができます。

さらにPSVRは立体音響に対応しているため、ヘッドホンをつければ360度全方向から立体的に音が聞こえてきます。ドライビングシミュレーターである『グランツーリスモSPORT』のVRモードでは、車のリアルなエンジン音が車内に没入感を生み出しています。

このように、PSVRを使用してゲームや動画を体験することで、その世界に本当に入り込んでいるかのような臨場感・没入感を得ることができます。

大迫力のシネマティックモードで映像を見れる

PSVRでは大画面で動画を楽しめる「シネマティックモード」という機能も搭載されています。PSVRを装着して動画を再生する際、最大226インチ相当の画面サイズで動画・映画・PS4の通常のゲームを観ることができます。画面サイズが非常に大きく、また立体音響による迫力ある映像体験が楽しめます。

映画だけではなくYouTubeやDMMのアプリなどを視聴することもできるので、いろいろな映像を大画面で楽しむことができます。

周辺機器を使ってさらに没入感アップ

PSVRでの没入感をさらに高めるための周辺機器として、「PlayStation Move モーションコントローラー(PS Move)」「PlayStation VR シューティングコントローラー」があります。

PS Moveはスティック状のコントローラーで、手で持って使用します。PS Moveは恐ろしい怪物と戦うための剣や杖になったり、アイドルのライブで振るサイリウムになったり……と、より直感的な操作でのVR体験が可能になります。

「PlayStation VR シューティングコントローラー」は銃型のモーションコントローラー(ガンコントローラー)。こちらはVRのFPS(First-Person Shooter/一人称のシューティングゲーム)をプレイする際、直感的で没入感のある操作を可能にするものです。

ガンコントローラーはVR中でも同じような銃になっています。その持ち方や狙っている場所がゲーム内に反映されるため、現実で狙いを定める動きとゲーム内の動きが一致し没入感がより高まります。ガンコントローラーがあると臨場感はかなりアップするので、VRFPSでさらにリアルな体験がしたい人にオススメです。

実際に体験してみた感想は?


筆者も改めてPSVRを装着し、改めてVRコンテンツを体験してみました。今回は『サマーレッスン』『グランツーリスモSPORT』をプレイ。女の子とコミュニケーションをとれるシミュレーションゲームと、ドライビングシミュレーターという取り合わせです。

女の子とコミュニケーションを取ることができる『サマーレッスン』。キャラクターが息がかかるほど近くに来たときは驚いて体ごと動いてしまいましたが、それだけ実在感があるということでもあります。「癒やし」をテーマとしたVRゲームというだけあり、キャラクターとゆったりとした時間を過ごすことができます。

筆者は車酔しやすい体質なので、リアルな車に乗ってレースができる『グランツーリスモSPORT』のVRモードは若干つらい部分もありましたが、2Dの画面でプレイいるのとは大きく異なり、没入感は抜群です。立体音響によりエンジン音や排気音も臨場感があり、やはり映像だけではなく音響も素晴らしいと感じました。

今回は2017年10月に発売された新型PSVRを使用しました。VR対応のゲームは体や頭を動かすケースが多くなるため、2016年に発売された旧型のPSVRではリモコンやケーブルが体に当たってしまいがちです。しかし新型ではリモコンが撤廃・ケーブルが削減されているため、やや没入感を削がれにくくなったように感じられました。

VR酔いはコンテンツに大きく依存する

先ほど「車酔いしやすい」と書きましたが、VRにも似たような酔い(気持ち悪くなったり吐き気がする症状)は存在します。これはそのまま「VR酔い」と呼ばれています。原因はまだはっきりと特定されていません。

VRのゲームや動画は「VR酔い」対策がされているものも多数ありますが、酔いやすさには個人差もあるので注意が必要です。「最初はひどく酔ったけど、ずっとVRをやっていたら慣れてしまって、まったく酔わなくなった」というケースも。最低限防ぐためには、PSVRのヘッドセットををしっかりと頭に固定し、ピント調整をしましょう。また、忘れがちなのが、IPD(瞳孔間距離)の調整です。両目の間の距離は個人差がありますので最初に調整してしまいましょう。

いずれにせよ、自分が酔いやすいかそうでないか、酔いやすいコンテンツはどれかの判断が必要です。

セットアップは少し手間がかかる

ハイエンドなVR体験ができるHMDは、セットアップが複雑になりがちです。高クオリティな体験をするためには手の動きや頭の動きなどを正確にVR内へ反映する必要があり、複数のセンサーやケーブルを機材に接続しなくてはなりません。しかし、その手間に見合うだけの高品質で臨場感のある体験ができます。

PSVRもその例に漏れず、PS4とプロセッサーユニット、テレビやモニター、そしてPSVRを接続するためケーブルの数が多く、セットアップは少し複雑です。説明書をきちんと読みながら手順に沿って準備をするのが良いと思われます。

PSVRの価格はどれくらい?

PSVRとPlayStation Cameraのセットは44,980円(税抜。税込であれば48,578円)。また、PSVRはPS4と接続する必要があるので、PSVRと合計すると最安では税込で約80,000円前後(PS4が500GBモデルの場合)です。

Oculus RiftやHTC Viveといった、PC向けVRHMDの動作に要求スペックはかなり高めなので、VR用のPCにはハイエンドなゲーミングPCが必要とされます。そちらの価格は10万円以上であるケースが多くを占めるため、Oculus RiftやHTC Viveの価格を加えると15万~20万円前後になると思われます。したがって、ゼロから揃える場合はPSVRが一番安価に済むと思われます。

通常のPS4でも問題なくPSVRを楽しむことができますが、PS4 Proでは画質やフレームレートが向上するタイトルが複数あります。より高品質なVR体験をしたい方はPS4 Proがおすすめです。

臨場感と没入感が最大の魅力

PSVRの最大の魅力は、やはり圧倒的な臨場感と没入感でしょう。キャラクターや怪物たちが「今そこにいる」実在感があり、本当にゲームや動画の中に入ってしまったかのような体験ができます。癒やし、恐怖、高揚感……2Dの画面よりも「そこにある」感は強まり、今までになかったような体験になっています。

少々セットアップには手間がかかりますが、そのぶん体験の質は素晴らしいものがあります。一方でコンテンツの数は大量にあるわけではなく、もっとたくさん遊びたい……と思う部分もあります。今後発売・配信されるソフトやアプリが楽しみです。

(参考記事)
・新型PSVRと旧型を実機比較!変更点レビュー
・PSVR、今後発売予定の注目ソフト10選(最新版)


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