Intelは、VRヘッドマウントディスプレイ(VRHMD)用のトラッキングとマッピング技術の向上を目的として、コンピュータビジョンプロセッサを開発する米Movidius社の買収を発表しました。なお買収額など契約の詳細に関しては明らかになっていません。
3D深度センサー技術「RealSense」の向上をはかる
Movidiusはディープラーニングやコンピュータビジョン向けの省エネルギーSoC(System on a Chip)や、高度な機械知能(マシンインテリジェンス)を開発しています。開発されたチップは中国の企業DJIのドローン「Phantom 4」や、Googleが進める視覚認識プラットフォーム「Tango」などに採用されています。
一方Intelは8月のIntel Developer Forumにて、3D認識カメラ「RealSense」を搭載したワイヤレスVRヘッドセット「Project Alloy」を開発する計画を発表しています。同社はRealSense開発の一環として、これまで機械学習の最適化を行うディープラーニングを行うNervana社をはじめとする多数の企業を買収しています。今回の買収によって取得されるMovidiusのディープラーニング、マッピング、ナビゲーションなどの技術も、RealSenseの強化・最適化に利用されます。
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RealSenseと低消費電力を誇るMovidiusの機械学習ハードウェアが融合することにより、スタンドアローンの小型AR/MRデバイスにおいて必要不可欠な要素になる可能性があります。
Intelの発表したコードレスVRHMD「Project Alloy」
Intelの上級副社長であるJosh Walden氏は、「ARやVR、ドローンやロボットといった当社のあらゆる取組にこの技術を取り入れることを検討しています。Movidiusの技術を統合したことにより、Intelはコンピューティングの新しい波の最先端を走ることになる」と語っています。
なお、Project Alloyは2017年にオープンプラットフォームでの展開を予定しています。
(参考)
Intel Acquiring Movidius To Bolster Mobile Position Tracking And Room Mapping(英語)
http://uploadvr.com/intel-acquires-movidius/
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