【レポート】VRビジネスはどうなる!?“「VRビジネスのこれから」を語りつくす夜 第一夜”を開催

2016年は「VR元年」と言われているけれど、VRで実際にビジネスをするってどんな感じなの….??そんな方々の声に応えるべく、Mogura VRでは1月29日、一足先にVRビジネスに踏み切った方々の知見を共有するイベント“「VRビジネスのこれから」について語りつくす夜 第一夜”を開催しました。

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これからのVR事業に興味のあるビジネスマンなどおよそ100人が集結し、VRとビジネスをテーマにパネルディスカッション・懇親会を行いました。

パネルディスカッション登壇者
■沼倉正吾氏
DVERSE Inc.(ディヴァースインク) CEO / Co-Founder

VCより資金調達を受け、企業向けにソリューションとなるようなVRコンテンツの制作を行っている。これまでの実績では工場での教育教材など。体験ブースでは、HTC Viveを使って、実際に歩いて手を動かしながら地形を作るVR Terrain Makerを展示した。

■藤井直敬氏
株式会社ハコスコ 代表取締役 / VRコンソーシアム代表理事

誰でも簡単にVRを体験できるデバイスとして段ボール製のハコスコを開発・販売、コンテンツ配信のためのプラットフォーム「ハコスコストア」も展開している。

■関根健太氏
株式会社 積木製作 / セールスディビジョン・シニアディレクター

建築業界にて、家や都市計画などのハイクオリティな3Dモデリングを制作してきたが、VRの登場以降、様々なVRコンテンツを制作。自動車部品メーカーとのコラボでの東京モーターショウでの出展などの実績を持つ。

――まず「OculusRiftの価格について」。1月7日、9万円強という価格で予約が開始されました。どのようにお考えでしょうか?

沼倉:
価格については何とも思っていません。おそらく世間では大筋「一般に対する普及」というところで盛り上がっていると思います。しかし現場にいると、まだまだ一般に普及という段階では無いと感じていました。製品版単体では、DK2のマイナーチェンジ版としてしか捉えていません。しかし、バーチャルな空間に触れられるOculus Touchが出てくればVRらしい表現力が増す事になるので、また違うと思います。

――既存の技術と比べ、VRにはどんな可能性があると思いますか?

関根:
まだ出来ていない建築を表現するためのイメージが、建築業界においてはとても大切。こういったイメージを作るため、CGは市場のあちこちで使われています。しかし、実際にそのCG空間に入る事ができるのは、これから出来上がるものを分かりやすく体験できるという意味でVRの魅力ですね。建築業界では特にそれが言えます。建物のまっさらな空間だけでなく家具の配置まで出来るので、生活感のイメージもできますね。
藤井:
ゲームなどはある程度想像の範囲内だと思いますが、VRの可能性は未知です。神経科学者としての意見ですが、VRを使うと人を騙せます。そしてそれをうまい事やると人が幸せになる。幸せは人それぞれなので、VRは極めてプライベートなもの。そういったプライベートな体験をいかに提供できるか。toB向けに考えているのであれば、特にその事が言えます。
沼倉:
普及の段階によって、可能性は変わると思います。現在、CGをPCの画面で見ようとしたらXYZ軸をマウスでコントロールしなければなりません。しかし、本来これは不自然なこと。VRでは、その空間に入ることができるので普段自然にやっている通り動けば見ることができますよね。2D のモニターで表現できなかったもの、そしてそれを新しく創りだすクリエーターが今後増えてくると思います。

――初期の段階を考えた時、投資・ビジネスにチャンスがあると言ってもいいのでしょうか?

沼倉:
現状は大変ですよ(笑)。まず、どこのプラットフォームが生き残るのか分かっていない。おそらく初期はスマホから浸透、そしてアミューズメント施設での利用へ。自宅では体験できないリッチな体験、映画館で映画を見るようなイメージですね。チャンスはつくるもの。つくるという方向で言えば、楽しみなジャンルですね。
関根:
建築という分野では、VRそもそもの期待値が高いです。空間そのものをデザインしている業界なので、ここまで素晴らしいものは無いと思います。開発にはコストがかかるため、かなり限られた条件になってしまいますが、カタチにできるのは強みですね。

――他社との競合の可能性についてはどう思いますか?

沼倉:
今は、VRで何をやるか迷われている方が多いと感じます。今から始めて、気合を入れて続けられれば、一定のポジションをとれるかもしれません。今は参入し放題ですよ(笑)。ただ、国内で資本を入れてやるのは、現状では相当厳しい。我々は、投資を受けながらやっていますが、まだ投資という状況ではありません。
藤井:
ハコスコと同じような事業を行っているのは、ソニー(PSVR)やOculus。これは、規模が違い過ぎますよね。圧倒的なスケール感に太刀打ちできません。しかし、世の中の多くの人が「VRなにそれ?」という状況なので、取り放題の実がたくさんなっている状況とも言えます。あまり焦らずに続けていく事が大切なのではないでしょうか。
関根:
建築は目に見えるものなので、期待値が高い。まわりがどんどんVRと言い始めている時期です。VRコンテンツの開発には時間もコストもかかります。その中で「VRはじめました。こっちの方が安いですよ!」といった真面目に取り組まない企業が出てくるのは非常に困る事ですね。実際にこういったメーカーが出てきており、クライアントのVRに対する評価が下がってしまっている状況下にあります。

――VRは、実がなり放題で参入し放題という話がありました。業界が成長するためには、どこが発展する要素になると思いますか?

関根:
いかに自然な体験に近づけられるかが問題だと思います。例えば、現在出ているヘッドマウントディスプレイ(HMD)についても肌につけて被らなければいけないとか、酔いなど。これらをクリアするデバイスはないですよね。
藤井:
人口が増えてこないとバリエーションが出ないですよね。ピラミッドがあるとしたら、下にいけばいく程人口が増える。みんなどんどん参入してきて欲しいと思います。
沼倉:
VR体験をやりたい方は多いと思いますが、どこでやったらいいのか分からない。その参入を増やすために、身近な場所を用意する事が大切です。

20160129214110HTC Viveを体験する参加者
Mogura VRでは今後も積極的にイベントを開催していきます。

この記事を書いた人

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    先端技術好きなデザイナー。VRでは、MVコンセプトアート制作や360度カメラを使用した企画に関わる。多摩美術大中退、CI開発から書籍装丁等の様々なデザイン業務に従事。 THETA LOVERだゾ。

    Twitter:@sayamecci

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