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活用事例 2018.03.23

360度動画マネタイズへ 仏映画会社がVR作品の配給権取得

フランスの映画配給会社MK2が、世界的エンターテインメント・パフォーマンス集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」の4つのVR映像コンテンツの販売権・配給権を取得したことが明らかになりました。今回の契約で権利を獲得したMK2は、今後施設へのコンテンツ販売や配給を行うことが予想されます。

今回MK2が権利を取得したVR映像は、カナダのVRコンテンツ制作スタジオFelix & Paul Studiosとシルク・ドゥ・ソレイユのマルチメディア製作部門が共同で製作したコンテンツです。

4つのVR映像コンテンツ

『Inside the Box of Kurios』


アメリカ「デイタイム・エミー賞」のOutstanding Interactive Media部門受賞作品。

『KÀ The Battle Within』


トロント国際映画祭の「Cutting Edge POP VRラインナップ」の公式セレクション入りした作品。

『Dreams of “O”』


テキサスで開催される「サウス・バイ・サウス・ウェスト(SXSW)映画祭」にてOutstanding Technical Achievement賞を受賞した作品。

『Through the Masks of Luzia』


カナダの「Canadian Screen Award」でBest Immersive Experience部門にノミネートされた作品。

世界中の施設へ配給

MK2はフランス・パリで、主要な単館映画館向けの配給ネットワークを構築しています。今回権利を獲得した4つのVR映像コンテンツはパリにあるVR映画館のほかに、MK2のVR設備『VR Pods』を購入したスカンジナビアのNordisk、ブラジルのArvoreといった施設でのリリースが予定されています。

同社は「シルク・ドゥ・ソレイユ」のVR映像コンテンツを世界中にあるサードパーティのVR映画館や、ロケーションベースのエンターテインメント施設にもライセンス供与していくことを予定しています。

シルク・ドゥ・ソレイユのコンテンツ配信パートナーシップ部門でシニアマネージャーを努めるSebastien Ouimer氏は、MK2との提携について「新しい観客に向けたシルク・ドゥ・ソレイユのVR体験の提供と、ライブエンターテインメントを補完する革新的な方法を模索するなかで、自然とこのようになりました」と話しました。

同氏は世界的に有名なシルク・ドゥ・ソレイユが「ありふれたものでなく、常に新しいものを求め、観客を魅了するユニークな世界を構築していく」パフォーマンス集団だと語っています。

2016年にパリで常設のVR施設を開設したMK2は、Felix & Paul Studiosが製作したVR映画『Miyubi』などのVRコンテンツのライセンス供与を行うため、国際営業部門を拡大しています。

MK2のゼネラルマネージャーであるElisha Karmitz氏は、「世界中でロケーションベースのVR施設は急成長しています。Felix & Paul Studiosとのコラボレーションで、信じられないほど美しく革新的な体験を、観客の方々に提供できることを嬉しく思います」とSXSW映画祭にてコメントしています。

同氏は「様々なVRイニシアチブの背景には、配給業者の一連の権利を構築し、フェスティバルやVR専用施設、デジタルプラットフォームなどからVRコンテンツへのアクセスを増やすことを目的としています」と語ります。

(参考)VarietyCIRQUE DU SOLEILOculus Store


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