【体験レポ】スマホでVRを体験しながら操作ができるMilboxTouch。日本から世界に挑戦

ついつい現実のことを忘れてあちらの世界に行ってしまうVR。Oculus Riftなどの高性能なデバイスならコントローラーを使ったり、さらには手を動かすことのできるコントローラーを使うものもあります。

oculus touch

一方、現在もっとも手軽なVRデバイスとされているスマホVRでは操作方法があまり確立していません。Galaxyのスマホ専用のGear VRでは側面のタッチパッドでスマホのような操作が可能です。しかし、Google Cardboardなど1,000円程度で体験できる手軽なスマホVRは、片手でデバイスを持たなければいけないこともあって、操作方法がタップくらいしかない状態です。

スマホHMD

今回、紹介するMilboxTouchは日本発の段ボール製デバイス。2016年4月の発売を予定しています。1個2,000円(予定)。VRを体験しながら、スマホの操作をすることにこだわった操作シートが最大の特徴です。

明治大学と株式会社WHITEのコラボレーションで誕生したMilboxTouch。4月の発売に先駆けて、さっそく触って体験、そして株式会社WHITEの神谷CEOに話を伺ってきました。

スマホHMD

非常に正確な反応を実現

MilboxTouchは側面にタッチパネルがあり、そこを触ることによって、タップ、スワイプ、フリックなどスマホの操作が可能になっています。操作しているときの様子はGear VRと似ています。

体験したコンテンツは「パックマン」をVRで体験できるようにした『MilboxTouch ver. VR PAC-MAN』。ゴーグル側面のシート部分に指を当てて前方に向けてくるくると回すように操作すると、向いている方向にパックマンが前進します。また、逆周りに指を回すとパックマンは後退します。

MilboxTouch

パックマン視点で敵を見ると思った以上に巨大で緊張感のある鬼ごっこになります。初代パックマンもそうですが、ついつい遊んでしまいそうになりました。

操作性は非常に正確で、誤作動や反応しにくいといったこともありませんでした。神谷氏によると「昨年のTOKYO DESINGNERS WEEKで展示した際に、1,000人以上が体験したがほとんどエラーがでなかった」とのこと。開発過程で改善を繰り返し、今の正確性が実現しました。

入力方法が増えることで広がる可能性

これまでのスマホVRでは、入力方法が頭の動きとタップしかありませんでした。頭の動きだけのこともしばしば。「じっと対象を見つめると選択」というようなシンプルな操作がほとんどでした。

ただのタップだけではないタップ、上下方向へのスワイプ、などの複数の操作ができることでゲームを始めとしてスマホVRでできることはグッっと増えるでしょう。

鍵を握るのは導電性インクのシート

ここで、MilboxTouchの仕組みを少し掘り下げてみましょう。MilboxTouchは、段ボール製の箱に、導電性インクという通電性のあるインクが回路のように配置されたシートを挟み込んで作ります。

MilboxTouch

この透明な上に金色の筋が入っているシートが色々な入力を可能にします。仕組みは非常にシンプルで、インクの上に指を走らせると、それに対応するようにスマホ側に静電気が伝わり、画面が反応するというもの。

MilboxTouch前方に指を回す操作は、スマホ上では上方向へのフリックになる

この導電性インクのシートが明治大学の研究成果であり、ともにMilboxTouchでの実用化のために開発を進めてきたそうです。

シート以外にもこのMilboxTouchにはこだわりがあるとのこと。段ボール製のMilboxTouchのデザインは「Google Cardboardの設計図を参考にせず、オリジナル」とのこと。組み立てやすさを重視したり色々と工夫をしているそうです。

WHITEの神谷氏は、「目指しているのは、VRをよりカジュアルに楽しめるようになること。MilboxTouchというデバイスを売るだけでなく、この導電性インクのシート自体を広めていくことで、VRコンテンツの可能性を広げていきたい」とのこと。

このMilboxTouchは現在特許出願中です。2月17日から開始したクラウドファンディングは2日あまりで無事に目標を達成。アメリカで開催されている世界的なスタートアップの登竜門イベント、SXSWのInteractive Innovation Awards VR&AR部門では、現在ファイナリストに選ばれており、3月中旬のグランプリ発表を待つ状態。すでに、世界的にも名が知られ始めています。

現在、コンテンツ開発者も募集中とのこと。操作できるスマホVRでどのようなコンテンツが作成されるか楽しみです。

この記事を書いた人

  • KFtb1VIM

    株式会社Mogura代表取締役社長。慶應義塾大卒。元ネトゲ廃人。中央省庁勤務後、ベンチャー企業を経て「Mogura VR」編集長。VRジャーナリスト。国内外を駆け回って情報収集中。VRのことならいくらでも語れます。

    Twitter:@tyranusii

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