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業界動向 2018.07.25

北海道の経済産業局、VR/AR/MR分野の支援施策発表 新市場創出や拡大目指す

経済産業省北海道経済産業局は、今後成長が見込まれる「XR(VR/AR/MR)分野」に着目した支援施策を実施することを発表しました。技術力を持つ北海道内のIT・コンテンツ関連産業の新市場創出、および拡大を目指し、業界団体や支援機関との連携のもと、企業の積極的なチャレンジを支援します。

取り組みの背景

VR元年と言われた2016年を経て、XR分野には成長の期待が寄せられています。株式会社MM総研の調査では、2018年度から2021年度にかけて、国内のAR/VRコンテンツ、VRヘッドマウントディスプレイ市場は約15倍になると推計しています。さらに近年はVRゲームなどのエンターテイメントだけでなく、ビジネス分野でも市場が拡大しています。


(経済産業省北海道経済産業局資料より)

北海道のXR企業

北海道には「サッポロバレー」と呼ばれるIT産業の集積があり、ゲームやコンテンツ制作関連企業が数多く存在します。これら企業の中でも、「XR技術」をビジネスツールとして取り込む事例が出現しています。

今年6月には、一般社団法人北海道モバイルコンテンツ・ビジネス協議会(HMCC)内に「北海道XR研究会」を設置。XR分野のビジネス展開を推進するなど、道内企業による新ビジネス創出に向けた機運の高まりが見られます。


(株式会社インフィニットループの「バーチャルキャスト」。VR機器を使用し、自分の動きをバーチャルアバターに反映できる。生放送などの機能も。ニコニコ動画などで知られる株式会社ドワンゴと共同開発)

例えば工事現場の360度遠隔監視システムを開発したエコモット株式会社、バーチャル配信者になれる「バーチャルキャスト」の株式会社インフィニットループは、北海道を代表するXR企業です。


(エコモットの「ミルモット Omni」。360度カメラの映像をVR機器で、遠隔で確認できる。建設現場での監督時間の削減が期待されている)

また北海道銀行は株式会社ランドスキップと提携し、VR技術を用いた北海道の観光活性化を目指しています。

施策内容

こうした背景から、経済産業省北海道経済産業局では「XR分野」に着目。道内IT・コンテンツ関連産業の新市場創出や拡大を目指し、以下の取り組みを行います。

XR企業の発掘

まずHMCC会員企業に対し、XR分野での取組状況や技術の保有・活用実態、分野別ユーザー情報などについて、アンケートやヒアリング等調査を実施します。各種データをとりまとめ、道内企業の取組実態やポテンシャルを整理。同時に「XR企業カタログ(仮称)」とし てホームページ上で公表・周知します。

さらに今年8月にはXR分野における企業集積が進むカナダ・バンクーバーの業界団体等を訪問・視察し、マッチングやアライアンス促進を図ります。

XR活用のムーブメント・機運の醸成

HMCCと連携し、今年10月、XR分野に関する先端技術カンファレンスを企画開催するします。XRの魅力と可能性をメインテーマに、国内外の有識者等によるビジネスセッションを予定しています。

またXR導入の契機として、IT企業等導入が期待されるユーザー業界を対象に「活用可能性に関する事例発表/セミナー」を企画開催します。各種支援施策も併せ、具体的な案件創出を目指します。

経済産業省は、これまでにも先進コンテンツ技術に関する事業補助金、VR/AR技術等を対象としたビジネスマッチングイベントの共催、VRコンテンツ制作ガイドライン作成といった取り組みを行っています。

(参考)経済産業省北海道経済産業局


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