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テック 2017.04.30

ニューロテクノロジーで表情に表れる前に感情を認識するVRシステム「MASK」


VRでコミュニケーションをとるソーシャルVRに注目が集まっています。ソーシャルVRの実現には、フェイスブックが積極的に取り組んでいるほか、VRのキラーコンテンツになるとの声もあります。

その際に、VRでアバターの感情表現をより豊かにするものとして注目されているのが「表情認識」です。

スイスに拠点を置くMindMaze社は、ニューロVRテクノロジーを応用して“感情を読み取る”VRヘッドセット向けシステム「MASK」を発表しました。顔の表面から電気インパルスを検出し、表情に表れる直前の感情を認識してアバターに伝えることで、現実の感情とアバターの感情を同期できる、としています。

MindMaze創業者Tej Tadi博士

MindMazeは2011年にTej Tadi博士により創業しました。Tej博士は、スイス連邦工科大学でバーチャルリアリティ&コンピューターグラフィクスの修士課程を修了し、博士課程では最先端の脳イメージング技術、認知心理学、神経画像処理を組み合わせ臨場感あふれる没入型バーチャルリアリティシステムを構築しました。

2016年2月には脳卒中の治療にVRを活用するなどの目的でVRスタートアップ史上最高額の1億ドルを資金調達しています。

現実とアバターの感情を同期する「MASK」

ニューロVRテクノロジーにより現実の感情をデジタル世界へ同期できるVRヘッドセット「MASK」を発表しました。「MASK」は以下の特徴を備え、ソーシャルVRなどの感情が重要になるアプリケーションにおいてより現実とアバターの感情を同期させ、感情的に没入して体験ができるとしています。

「MASK」の特徴

現実よりも速い感情認識

進化した機械学習と生体信号処理を利用することで、ユーザーの顔に表れる数十ミリ秒前の表情をデジタル化しアバターに反映できます。

進化した表情認識

顔の表面から電気インパルスを検出し、独自のアルゴリズムで分析することでトレーニングや事前のキャリブレーションなしに各個人の神経信号を生成します。

さまざまなヘッドセットに対応

「MASK」のハードウェア部分は、軽量のフォームパッド形状となっています。Gear VRのようなモバイルヘッドセットから、Oculus RiftやHTC Viveといったデスクトップ向けヘッドセットまでどのようなVRヘッドセットにも組み込むことができます。

「MASK」のようなフェイストラッキング技術は他社からも生体センサーやカメラを用いた方法などが登場してきています。ソーシャルVRといった表情をアバターに伝えることが必須なアプリケーションでは重要な機能となるので今後の動向に注目です。

(参考)
MindMaze MASK- (英語)
https://www.mindmaze.com/mask/


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