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活用事例 2018.03.28

米VRスタートアップLytroが閉鎖へ 累計調達額は2億ドル

アメリカ・カリフォルニア州に本拠地を置くスタートアップLytroは、2018年3月27日、閉鎖のための準備を進めていることを発表しました。Lytroは公式サイトにて「To the Cinematic and VR Community, Live Long and Prosper(シネマティック、そしてVRのコミュニティへ。長く生きて、そして成功してください)」と題したメッセージを投稿しています。

ライトフィールド技術に活路を見出そうとしていた

Lytroは、2012年に創業しました。奥行きを撮影するカメラを開発・発売し一時期話題を集めました。その後、2015年にピボットを行い、VR向けの“ライトフィールド撮影技術”の開発に注力していました。ライトフィールド撮影技術は、光の経路に関する情報をさらに詳しく取得する撮影技術です。従来の写真撮影では光がセンサーに当たったかどうかという情報を2次元で取得しますが、ライトフィールド撮影では光の入射方向や距離を取得することで奥行きのある「空間そのもの」を記録できます。

シリーズDまで、累計調達額2億ドル

Lytroはライトフィールドに関する59もの特許を保有しています。2017年2月にはシリーズDラウンドで6,000万ドル(約63億円)の資金調達を行い、これまでの累計調達額は2億ドル(約211億円)に達します。2017年2月時点の評価額は3.6億ドル(約380億円)でした。

先日、Googleが買収を検討しているというニュースが報じられた矢先の閉鎖の報となります。米メディアVergeによると、実際は買収ではなく「Lytroの従業員の多くがGoogleに転職した」というのが真相の模様。元Lytroの従業員たちはGoogleでライトフィールド技術の開発を行うのではなく、複数のバラバラの部門に配属されたと報じています。

Lytroは公式サイトにて、「ライトフィールドはVRとARの道を形づくるものだと信じており、何ができるかという境界を広げ続けてきたことを誇りに思っている」と投稿文を始め、これまでの取組を振り返りました。

「新たな製品づくりに取り組むこともプロフェッショナル向けのサービスを展開することもできなくなりました。」と記しており、閉鎖の直接的な理由については言及をしていません。投稿文は最後に感謝の意を示して締めくくられています。

(参考)Lytro公式The Verge


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