新型VRHMD LG 360 VRの海外メディアによる体験レポート

2月22日から25日まで、スペインのバルセロナにてMobile World Congress 2016(MWC2016)が行われました。そのMWC2016の中で、ひとつの新しいHMDが披露されました。韓国のLGエレクトロニクスが開発したスマホ向けHMD「LG 360 VR」です。

LG  360 VR

LG 360 VRは、ハコスコやGear VRなどの既に発売されているスマホ向けHMDとは異なり、スマートフォンをHMDに装着しません。LGの最新型スマホG5をUSBケーブルで接続して使いますが、スマホはあくまで処理や操作用です。ディスプレイは本体に最初から搭載されています。

MWC2016にて体験できたLG 360 VRについて、Road to VRのライターのスコット氏がレポートをしているので、元記事を引用しつつ、LG 360 VR を紹介していきます。

良い点

LG 360 VRは、2つのスクリーンを搭載しており、Snapdragon 820 プロセッサーを備えているLGの最新スマホ、LG G5に接続して使います。Scott氏は、「LG 360 VRは新しい種類のVRHMDである」とした上で、その特徴を述べています。

彼はまず、「軽いので、長時間装着していることができる」ことを挙げています。実際、LGの公式サイトによると、LG 360 VRの重量は118g。他のHMDのほとんどが300g台なので、およそ三分の一の重さとなっています。(参考:Oculus Riftは380g程度、Gear VRは310g。)

また、メガネのように掛けるだけで使用できるため、バンドなどの頭部固定を必要としないのも特徴的です。

次に「たためるので、小さなリュックサックのポケットにもしまえる」点にも触れています。形状のスリムさに加えて、メガネでいう”つる”の部分をたたむこともできます。これによってカバンにも入るサイズとなり、持ち運びがとても簡単です。

悪い点

一方イマイチだった点です。Scottは自身の体験を「頭の動かすと、明らかに画像描写が乱れ、不快感がある」と報告しています。

「ほとんどのコンシューマーHMDでは、ディスプレイパネルの素材に有機ELを用いているが、LG 360 VR では液晶を使用している。有機ELは描写の遅延を軽減することができるが、液晶ではそうはいかない」と彼は説明を加えています。確かにOculus Riftの開発者版の第一弾であるDK1は液晶でしたが、有機ELが採用されたDK2以降のモデルと比べると遅延はかなり異なります。

また、視野角や画素数については、「液晶パネルの大きさは960 x 720(×2枚)。視野角は80度なので、狭くはあるがGear VRと同程度の画像描写」と述べています。
(参考:Gear VRは視野角96度で、2560 x 1440のディスプレイ一枚)

さらに展示されたデモでは、LG 360 VR 接続時のスマートフォンの扱いについても注意が必要だったようです。彼が報告した問題の概要をまとめると、次のようになります。

「LG 360 VRは本体内蔵の角度・加速度センサに加えて、USB接続されているスマホをタッチパッドとして使用する。そのためか、VR体験をしているとき、スマホは安置される必要があり、不用意に動かすとセンサーが反応してしまって見え方に影響が出る。これはVR酔いを引き起こす一因となる。

Scottはこのことについて、「もしも今回展示されたLG 360 VRが製品版なら、使用中はずっとG5(スマホ)を平らなところに置かなければならず、バスの中などでは快適な体験ができないだろう」とコメントしています。

また、LG 360 VR で両目の間の距離を調整することはできません。こうした点についてLGは今のところ今回展示されていたモデルが開発中のものか、製品版かを言はしていません。

その他

その他のポイントとして、彼はまず、コンテンツに言及しています。

「LG 360 VR は、Google Cardboardのアプリと360度動画に対応しており、体験できるコンテンツが既に大量にあるのは良いこと。一方で、Gear VR向けにOculus StoreがあるようにLG 360 VR 向けに作られたソフトが今後出てくるのか注視したい」

LG  360 VR

最後に、装着感について報告しています。

「外部の光が、側部や下側など、顔とHMDの隙間から簡単に入ってきて、レンズに反射する」

外部の光が入ってくることは、VR体験の没入感を低めてしまうものです。結局、顔に密着させたりしても「後でスタッフが照らす、緑のネオンの光の反射は防げなかった」そうです。

最後にScottは、「LG 360 VRはモバイルVR界にハイエンドなVR体験をもたらすだろうか?今回の展示では、そうは思えなかった」と言って締めくくっています。

(参考)
The Good, the Bad and the ‘Meh’ of LG 360 VR – Road to VR
http://www.roadtovr.com/good-bad-meh-lg-360-vr/

LG DEBUTS THE G5, ITS FIRST EVER MODULAR SMARTPHONE – LG Newsroom
http://www.lgnewsroom.com/2016/02/lg-debuts-the-g5-its-first-ever-modular-smartphone-2/

※アメリカのVR専門メディアRoad to VR、UploadVRはMogura VRとのパートナーシップを結んでいます。

この記事を書いた人

  • 1tQ5TzRU

    工学専攻の大学生。好きな科目は国語。趣味は歌などの創作でボーカロイドも使います。SAOのような物語が引き起こす、自他の文脈や人と世界の関係の集積へダイブすることを切望して止みません。将来もVRの傍に立っていたいと思います。

    Twitter:@yunoLv3

    Mogura VRのライター一覧はこちら
    http://www.moguravr.com/writers/