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活用事例 2017.10.10

医療用VR/ARアプリ開発 米企業が約12億円を資金調達

シカゴに拠点を置く医療系ソフト開発企業のLevel Exが、先日シリーズAで1,100万ドル(約12億円)を資金調達しました。同社は現在医療系アプリの開発を行なっており、モバイル端末で手術のトレーニングを行うアプリ『Airway Ex』をリリースしています。同社は今回調達した資金を元に、ARやVRを活用したアプリ開発に取り組みます。

Level ExのCEOサム・グラッセンバーグ氏によると、今回調達した資金によってモバイル端末用アプリの開発をさらに進めるとのことです。同氏は「モバイル端末は(医療での)トレーニングにおいて最も便利で使いやすいツールであり、多くの医師に受け入れられるだろう」と述べています。

VR/ARを医療現場で活用

グラッセンバーグ氏は「ARは手術時において便利な技術だ。そしてVRは今後多くの(医療用)アプリが登場し、医療教育に活用されるだろう」と述べています。また、「(医療現場に)ARを用いることによって、たとえば手術時に患者のMRIのスキャンデータを手術台の上にAR表示できる。これによって手術中、患者の状態をシースルーで把握することが可能になる。こういったアプリは手術の正確性をより高める」と述べています。

一方で、VRを医療に活用することによって、緊張感の高い手術現場をバーチャル空間に擬似的に再現することができます。様々な状況を想定したVRコンテンツを体験することで、医師のトレーニングに役立つことができます。

日本ではHoloEyes株式会社が、CTスキャンされた人体データをVRやMR(マイクロソフトのHoloLens)を使って手術等に活用する取組を行っています。

VR/ARを用いた医療用アプリを開発中

現在、Level Exは医療アドバイザーによる助言を得ながらアプリのテストを行なっており、より直感的に操作できる医師向けのアプリを開発しています。実際の手術室のグラフィックや音など、実際の環境をできるだけリアルに再現したコンテンツ開発を行なっています。

同社が開発したコンテンツを複数の医師がテストしたところ、反応はおおむね良好だったとのこと。グラッセンバーグ氏によると、「モバイル端末を用いて高レベルなリアリティを再現する技術に、医師たちは常に驚いている。バーチャル空間に再現された患者は、体験者のアクションに応じて呼吸をしたり、流血したり、咳をする。(中略)医師たちは様々なケースを何度もプレイして、技術をマスターしたり、ハイスコアを獲得したり、同僚と(スコアを)競ったりする」とのことです。

導入事例が増えてきている医療分野におけるVR/AR活用に今後も注目したいところです。

(参考)
UploadVR / Level Ex Raises $11 Million For A Real Surgeon Simulator(英語)
https://uploadvr.com/level-ex-raises-11-million-real-surgeon-simulator/


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