【体験レポ】ド派手な戦闘シーンに参加できるVR版乖離性ミリオンアーサー。HTC Viveの特徴を活かした展示方法も

1月24日、舞浜アンフィシアターで、スクウェア・エニックスのスマホゲーム「乖離性ミリオンアーサー」のファン限定イベントが開催されました。参加者は抽選で選ばれた2,000人。イベントの目玉の一つとしてVR体験コーナーが設けられました。

果たしてどんな体験になったのか。スマホゲームのVR移植といえば、白猫プロジェクトのOculus Rift、Gear VRへの移植(コロプラ)やグランブルファンタジーの360度動画(Cygames)がありました。今回の乖離性ミリオンアーサーの体験は、ド派手でファンに嬉しい要素満点の体験でした。

最新のVRデバイスを使った、スマホゲームの中にいる体験

今回展示に使われていたのは、HTC Viveの新型プロトタイプVive Pre(以下、Vive)。年明けのCESでのお披露目以来、国内初展示となります。こちらはまだ体験できる機会が少なく、製品版に近いものを体験できるだけでもワクワクします。

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最初にスマホと同様、4人の主人公、富豪アーサー、盗賊アーサー、歌姫アーサー、傭兵アーサーの4人から選びます。筆者は傭兵アーサーを選択しました。

椅子に座ってViveを被り、両手に専用のSteam VR コントローラーを1つずつ持ちます。ヘッドホンをつけたらスタート。

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周りが明るくなると目の前には想像より背が低く可憐な妖精ウアサハ、思わず手を伸ばして撫でようとして現実の机にコントローラーをぶつけました。伸ばした自分の手は普段見てるキャラクターの絵と同様のガントレットを着けていますが、動きは自分の手そのものです。

ウサアハの後ろに仲間の、富豪アーサー、盗賊アーサー、歌姫アーサーたちがこちらを見つめています。鏡もあり傭兵アーサーの自分がキョロキョロしているのが見えると、自分はこのキャラなんだろ改めて実感できます。ウサアハの敵が現れた報告とともに、見覚えのある剣を差し出されます。手を伸ばして剣を掴むと戦闘シーンにワープします。

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荒野の奥には噴火している火山があるステージ「山越えの試練」のようです。敵は頭上を飛んでおり降下、キマイラが現れます。仲間のアーサーたちは目の前の左右に分かれて立っているので、盗賊アーサーのふりふりする尻尾や歌姫アーサーの揺れる胸元、ドレスのリボンや襞の動きに目がいきます

戦闘はスマホで遊ぶ時と同様の流れで進みます。カードが5枚目の前に現れ、スマホならタッチをすればいいところですがここはVR……。一瞬とまどいますが、手を伸ばして選びたいカードに触れ、コントローラーのトリガーを押すと選択です。

目の前に配置されたカードが大きくなり空中に浮かぶと自分たちの攻撃開始です。自分自身のターンになると、剣を振る動作のアイコンが出て、右手に持っている剣を上から下に向けて振るうと自身の魔法が発動します。攻撃するカードを選んだ場合は、目の前からキマイラまで派手な光や炎が飛び、キマイラに命中して激しい爆発がおきます。

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キマイラの攻撃は全体攻撃の時は目の前すべてが炎に包まれたり、大地を大きく踏みつけると地面が隆起したり。筆者の顔面目がけてキマイラの口から光球が吐き出された時は、思わずよけてしまうくらいの迫力でした。

見慣れた光景なのに同じ空間にいる仲間が攻撃されると、痛そうに思えて、防御魔法で6角形のバリアが目の前に展開したり、回復魔法で体力が一気に回復するとほっとします。

敵味方ともエフェクトがこれでもかと派手なので楽しめます。4ターンで終了するので個人差もありますが、プレイ時間は10分近くになりました。

https://www.youtube.com/watch?v=sS_ufulenIo

筆者(kure)のプレイ動画

キマイラを倒して戦闘が終わると仲間が駆け寄ってきて3人とハイタッチと手を挙げてきました(そしてここでも揺れる歌姫アーサーの胸……)。スマホではない演出なのでどうすればいいのか一瞬戸惑いましたが、ここはVR、自分もパーティの一員です。自分の手を挙げて彼らの手に合わせハイタッチをすると達成感とともにデモ終了です。

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色々と情報量は減らしつつもVRならではの工夫も感じられました。例えば仲間のステータス。普通にしていると見えませんが、そのキャラに視線を向けるとステータスが浮かんで見えます。仲間を長く見つめてたら振り返って声かけてくれるなんていう演出もほしいですね。更に一緒に闘っている気分になっていたと思います。次はHTC Viveのルームスケールを活かし、自分の足でミリオンアーサーの世界を動き回ってみたくなりますね。

エフェクトもキャラクターも風景もそのままスマホで遊んでいたゲームの中に入ったような作りで、ミリオンアーサーのプレイヤーならば必ず体験したいと思われる出来でした。ぜひ今後も体験できる機会を作っていただきたいでところですね。

HTC Viveの特徴「Lighthouse」を活かした展示とは

ここから先は少し技術的な考察になります。

今回体験したVive Preは旧型と比べてVive本体もコントローラーも軽くなり、着けている、持っている感覚が以前より気にならなくなりVRの世界に没頭できました。なお、Viveは5m四方のVR空間を実際に歩き回れることが特色ですが、今回はあえて体験者の安全性を優先して座って体験するコンテンツとして展示されました。立ち上がって、動き回れたら、さらに一緒に戦っている感覚やハイタッチは現実とに近づいたことでしょう。

動き回れなかった一方、今回の展示では、HTC Viveならではの機能を活かした展示が行われていました。

Viveを体験する際には、ヘッドマウントディスプレイとコントローラーの位置をトラッキングするために、ベースステーションと呼ばれるレーザー照射装置を2つ設置します。通常は1つのHTC Viveのヘッドマウントディスプレイ(VRHMD)と片手ずつ2本のコントローラー、ベースステーションは2個で1セットです。今回は、体験ルームの端に1セット2つ設置されていたところまでは通常と同じですが、体験ルームには4セットのVRHMDとコントローラーが配置されていました。

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つまりVRHMDとコントローラー4セットを1セットのベースステーションでまかなっていたことになります。

これはHTC Viveの特徴を活かして実現した仕組みです。HTC Viveの位置トラッキングの仕組みは、ベースステーションから放射状に射出、発信されるレーザーをVRHMDやコントローラーが受信するというものです。トラッキング情報は各デバイスからそれぞれのPCに位置情報が送られます。そのため、それぞれのデバイスを独立して検知することが可能となります。

一方、同じPC向けのVRHMD、Oculus Riftの場合はトラッキングの方法が真逆になります。VRHMDから発信される赤外線を設置した赤外線カメラで受信することでVRHMDの位置を検知し、カメラからPCに位置情報が送られます。

このHTC Viveの仕組みは「Lighthouse」と呼ばれています。まさにベースステーションはレーザーによってデバイスを照らしだすLighthouse(灯台)の役目を果たしています。このシステムの詳細な解説はゲームライターの佐藤カフジ氏の記事をご参照ください。

参考:Valve「Lighthouse」とOculus CV1のトラッキングはどっちが凄い?(Game Watch)
http://game.watch.impress.co.jp/docs/series/vrgaming/20150630_709454.html

この仕組みにより、1セットのベースステーションで複数台のデバイスを認識することが可能になっており、今回のような展示が可能になっています。

今回の乖離性ミリオンアーサーのデモは、内容もそして展示方法も非常に興味深いものでした。今後製品版などにつながるのか注目です。