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活用事例 2016.06.22

サムスン、クラウドコンピューティング企業を買収 VRへの応用に期待

2016年6月15日、サムスンはクラウドコンピューティング技術を扱う企業「Joyent」を買収したことを発表しました。

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サムスンはソフトウェアとサービスの強化へ

今回サムスンが買収したのは、サンフランシスコに拠点を置き、クラウドを始めとする先端技術を取り扱っている企業Joyent。ただしこの買収は、サムスンがAmazonやGoogle、そしてMicrosoftのようなクラウドサービス事業に乗り出したことを意味するわけではありません。

この買収の主眼は「ソフトウェア、およびサービスの向上」にあるとのこと。サムスンはスマホのGalaxyシリーズを開発しており、Oculus社と共にモバイルVRHMDであるGear VRの開発もしています。サムスンが迎えたクラウド技術が、今後VR分野にも応用される見込みであると、サムスン・モバイル部門の技術チーフであるRhee氏が言及しています。

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クラウド×VRの可能性

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モバイルVRにクラウド技術が取り入れられた場合、何が可能になるのでしょうか。

現在では、Gear VRのヘッドセット本体がUSB接続されたスマートフォン「Galaxy」を駆動・サポートし、Galaxy内にあるアプリが動いています。

例えばここにクラウド技術を用いると、Gear VRのヘッドセット本体が何もしなくとも品質を損なうことなく、(負荷の高い処理は全てクラウド側に任せることで)スマートフォン単体でVRコンテンツを動かすことが可能になります。

高負荷な処理をクラウドが担うことで、これまでスマートフォンではスペック的に実現出来なかったレベルの高品質なVR体験が可能になります。またスマホへの負荷が減れば、長時間使用による過熱問題も解決するかもしれません。

もちろんこれらには、「VR酔い」を引き起こさない程度に高速の通信・処理技術が必要です。これはクラウドの応用における課題と言えそうです。

2016年は、Googleが開発するスマートフォンVRプラットフォーム、「Daydream」も登場する予定です。現在Gear VRによってモバイルVR分野を牽引しているサムスン、そしてVR業界に本格参入してきたGoogle。今後彼らがどのような成果を出していくのか、期待したいところです。

(参考)
・Samsung Has Bought a Cloud-Computing Company that Could Give Mobile VR a Big Boost – UploadVR
http://uploadvr.com/samsung-joyent-mobile-vr/

・SAMSUNG公式ニュース(英語)
http://news.samsung.com/us/2016/06/12/samsung-acquire-joyent-leading-public-private-cloud-provider/

※米UploadVRはMogura VRとパートナーシップを結んでいます。


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