【PSVR】『Joshua Bell VR Experience』“動くことのできる”実写360度動画がすごい理由

PlayStation VR専用ソフト『Joshua Bell  VR Experience』は、グラミー賞受賞のヴァイオリニスト、ジョシュア・ベル氏がブラームスの「ハンガリー舞曲 第1番」を奏でる様子をVRで体験できる実写の360度動画です。

3D音響でまるでその場にいるようにヴァイオリンの音色を聴くことができ、非常に荘厳で落ち着いた雰囲気になるこの作品ですが、最大の特徴は“動けること”です。頭を振るだけでなく、頭を前後左右に動かしてみると、全く違和感なく動くことができるのです。

動けないことが当たり前の実写360度動画

そもそもなぜ実写の360度動画で動けることが新しいのでしょうか。

実写の360度動画は、設置されたカメラの場所を中心に360度を撮影したものです。そのため、VRHMDを装着して見ていても、イメージとしてはプラネタリウムの真ん中に動画を見ている人がいて、ドームに張り付いている動画を見ている状態です。また、プラネタリウムのドーム”しかなく”、動き回ることもできません。

赤色がカメラ(動画を見ている人)のいる場所。そこから動くことはできません。

https://www.youtube.com/watch?v=zeR3K6FIZkA

この動画は従来の実写360度動画です。カメラの設置されたところからぐるっと見渡すことはできますが、その場所から動くことはできません。

「動ける」ようになった特殊な方法

一方、『Joshua Bell VR Experience』は通常の360度動画と異なり、視点が固定されず、数十センチほどの空間ですが、動くことができます。

一言で言うと、このコンテンツでは、演奏しているジョシュア・ベル氏とサム・ヘイウッド氏の映像を、撮影データから作られたスタジオの3Dモデルに合成しています。

3Dモデルとして作られているピアノ

スタジオが3Dモデルでできているため、通常のVRコンテンツと同じく、ポジショントラッキングを効かせることができ、動き回ることができるという仕組みです。

先ほどのプラネタリウムで説明すると、3Dモデルでつくられたものはプラネタリウム内にある椅子などと同じ、物なので、動き回って近づいても違和感を感じないようになっています。

さらに、人物の撮影は2つのレンズを並べたステレオカメラで撮影されているため、まるでその空間に3Dモデルとしているように(現実では当たり前のことですが)立体感を感じます。

なお、ポジショントラッキングできる範囲から外れると、画面は暗転するようになっています。

位置トラッキングだけでなく、ステレオ撮影や3D音響の録音などにも言及しているメイキング映像がこちら

https://www.youtube.com/watch?v=poI6E8O4jmQ

自分が動画の中で動くことができるため、本当に自分が動画の中に入り込んだような没入感を得られます。本作は無料で楽しむことができます。

『Joshua Bell VR Experience』のように実写の360度動画で動くことのできる作品は、インテルが2017年1月にCESで公開したデモのように「カメラ側で工夫する」方法による制作方法もあります。また、Lytro社は、一体となったライトフィールド・カメラの開発を進めています。

(参考)

http://www.jp.playstation.com/software/title/jp9000cusa07767_00joshuabellvr0000.html

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