新しいメディアが登場すると、新たな広告形態が現れます。VRに続いてARを使ったスマートフォン向け広告が登場しました。このAR広告を始めたのはイスラエルのマーケティング/広告企業であるIronSourceです。同社は、スマホゲーム用のAR広告を発表しました。
モバイルゲーム用のAR広告
同社はスマホARを用いてユーザーが“触れ合える”新しい広告を開発しています。広告のデザインや開発はIronSourceの社内スタジオであるPlayworks Studioが担当、同スタジオではゲームを用いた広告開発を専門に行なっています。
IronSourceの主任デザインオフィサーであるダン・グリーンバーグ氏によると、「広告は社内で制作し、クライアントから得た3D素材を用いていいます。制作には社内のグラフィックデザイナー、アニメーター、プログラマー、ゲームデザイナーやデータサイエンティストらが関わる」とのことで、「(IronSourceは)AR広告を配信する最初の企業として特異な位置にいる」と語っています。
インタラクティブ性を重視した広告
同社が開発するモバイルAR広告の例として、次のようなものが挙げられます。ユーザーがスマートフォンのアプリを起動し、『ポケモンGO』と同じような様子でキャラクターが現実空間にAR表示されます。プレイヤーはキャラクターにファイヤーボールを投げ、ミニゲームをプレイします。そしてゲームが終了すると本編のゲームをインストールするかどうかを聞かれます。従来のようにユーザーが受動的に視聴する一方通行の広告から、インタラクティブ性を重視した体験型の広告をもたらします。
AR広告は体験型へ
Greenberg氏によると、「今日、成功するゲーム広告とは従来のようなバナー広告ではなく(中略)それはユーザーに体験をもたらすものだと考えています。体験をもたらす広告とは、ゲームと同じくらいユーザーが触れ合うことができるものです」と語っています。また、ユーザーが触れ合うことができる広告に関して「ARはまさに最適の例です」とのことです。
ARは今後数年間にわたってモバイル端末を主要なプラットフォームにして普及していくと予測されます。Greenberg氏はARによってモバイル広告が進化するのは自然なことであり、「従来の受動的な広告から、インタラクティブなものへと変わります」と語っています。
(参考)
VentureBeat / IronSource launches ‘world’s first’ AR ads for mobile games(英語)
https://venturebeat.com/2017/09/28/ironsource-launches-worlds-first-ar-ads-for-mobile-games/