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テック 2017.09.06

iPhone/iPadで使えるようになるAR機能でできること

Appleは2017年の6月6日、iPhoneおよびiPadのAR(拡張現実)対応を発表しました。これらのAR対応はiOS11から本格的にスタートするとのこと。その後次世代iPhone(=iPhone 8)発表イベントが9月12日に決定、同時に最新のiOSであるiOS 11の正式版リリース日が発表されると予測されています。

【UPDATE】
アップルは2017年9月12日のイベントで、2017年の最新iPhoneとしてiPhone 8、iPhone 8 Plus、そしてiPhone発売から10周年を記念するプレミアムモデル「iPhone X」を発表しました。また、同イベントでiOS11の正式リリースが日本時間9月20日(米国は9月19日)となることもあわせて発表されています。ただし、iOS11に対応していてもARKitに対応していない機種が存在するようです。Mogura VRではこれらの情報をまとめ次第、順次更新していきます。

すなわち、今秋以降、iPhoneならびにiPad向けのARアプリが多数リリースされることが予想されます。本記事では、iOSで体験できるARについて解説します。

目次

1.AR(拡張現実)とは?
2.ARでどんなことができるのか?
 2-1.ARで子犬と遊ぶ
 2-2.ARで食材を認識して、名前や成分を表示する
 2-3.ARでメジャーを表示してモノの長さを測る
 2-4.ARで3Dモデルを作成してみる
 2-5.ARで地図を表示すると矢印で道案内
3.ARフレームワーク「ARKit」とは?
4.iPhoneのAR対応は2017年9月中?

AR(拡張現実)とは?


AR(Augmented Reality/オーグメンテッド・リアリティ)とは、噛み砕いて言うと「現実に、デジタルな情報や3Dモデルを表示する」ことを指します。
これまでスマートフォンで可能だったAR機能は、カメラを通して現実にキャラクターを投影したり、特定のマーカーを認識してその上に情報を表示する、といったものでした。前者の例としては『ポケモンGO』のARカメラ機能が分かりやすいでしょう。


iOS11で搭載されるAR機能は、これまでのAR機能と違い、空間を一部認識します。例えば『ポケモンGO』でこの機能を組み込むと、地面や床などがカメラで認識されるため、モンスターボールが地面を跳ねるようになり、ポケモンは地面や床に合わせて歩きます。

https://www.youtube.com/watch?v=iHN4c7FYXYs

本来、ARの詳細な解説はこちらの用語集を参照のこと。

(関連記事)
・AR/VR/MR用語集 – AR(拡張現実感)

ARでどんなことができるのか?

それでは、iPhoneやiPadのAR機能を用いたアプリではどのようなことができるのか、紹介していきましょう。以下で紹介するアプリやデモは、開発者向けARフレームワーク「ARKit」を使用しています。

ARで子犬と遊ぶ

ARで犬といつでも・どこでも遊ぶことができます。犬にスマホを近づけると撫でるような動作ができるほか、足元のバーチャルな木の枝を拾って投げれば、犬が走って拾ってくれます。他にも拾って戻ってきた犬のお腹を撫でたりすることも可能。『ニンテンドッグス』や『たまごっち』を思わせる、こちらのアプリは海外のRidgeline Labsが現在開発中です。

(関連記事)
・物理的には存在しない犬と遊ぶ iPhoneのAR機能活用

ARで食材を認識して、名前や成分を表示する

食材にカメラをかざすことで、アプリがその食材を認識し、関連する情報をAR表示しています。動画では、バナナの上に出現した円の中に、栄養価に関する情報が表示されており、また食材の名前や含水率などの様々なデータを視覚的に分かりやすく表示しています。QRコード等の追加情報も必要ないため、手軽に使うことができそうです。

ARでメジャーを表示してモノの長さを測る

テープ型のメジャーを表示して長さを測ることができるアプリです。対象となるモノにカメラをかざしてタップするだけで、どんなものの長さでも測ることができます。動画では実物のメジャーと比較する様子もあり、かなり正確な計測が可能。ARで表示されるため、測る長さに制限がなく、触れる必要もなし。便利かつ様々な状況での使用が見込めます。

ARで3Dモデルを作成してみる

こちらはiPadを使用したARコンテンツのデモ動画。AR機能を使い、Apple Pencilを用いて3Dモデルを作成しています。AR空間上に作成した球体の一部分を伸ばしたり、くぼませたり、削ったりすることで、彫刻のようなことが可能です。iPadを動かすことで、様々な方向から編集を加えることができるようになっています。ARで物をデザインすることで、実際に置かれているところを想定しながら作業する、といった応用ができそうです。

(関連記事)
・iPadとApple Pencilを使い、ARで現実にない彫刻を掘る

ARで地図を表示すると矢印で道案内

こちらは2017年8月末時点では未確定の情報ですが、iPhoneの「マップ」アプリにARを利用して道案内をしてくれる機能が実装されるのではないか、との説があります。仮にこれがiPhone8(iOS11)に実装された場合、「マップを表示したはいいけれど、どうやって行ったらいいのかわかりにくい」といった事態を解消できます。日本であれば東京の大型の駅での乗り換え等で強みを発揮しそうです。

(関連記事)
・iPhoneのAR機能でカメラをかざすと矢印で道案内 「マップ」への対応に期待

ARフレームワーク「ARKit」とは?

6月6日に開催されたアップルの基調講演では、開発者向けのARフレームワーク「ARKit」が発表されています。このフレームワークを使用したARアプリは、特別なデバイスを必要とせず、iPhoneとiPadの単眼カメラを使って動作します。カメラで現実空間を認識し、机の上にデジタルなモノやキャラクターを置くこと等が可能になるほか、現実側のオブジェクトサイズや環境光の明度の推定等を行うことができます。

こちらのARKitはiOS 11に対応するため、ARKitの登場によって様々なARアプリや機能をiOSのデバイスで操作できるようになります。

また、8月29日にはグーグルがスマートフォン向けのARプラットフォームとして「ARCore」を発表しており、Androidのスマートフォンでも空間を認識したAR機能を利用できるようになります。これにより、iOSとAndroid双方のメジャーなOSがARに対応することとなり、ARがスマートフォンに普及してゆくことが予想されます。

(関連記事)
・スマホAR時代の幕開けか グーグルも今冬にAndroidにARを展開
・ポケモンが地面に沿って動く iPhone、iPadがiOS11からAR対応 開発者向けのARKit発表

iPhoneのAR対応は日本時間の2017年9月20日から

例年通りであれば、2017年9月12日のイベントで次世代iphone(=iPhone8)の発表が行われる可能性が高く、それと同時にiOS11の正式なリリース日等が発表されると思われます。
過去にも新型のiPhoneが発表されてから、一週間前後でiOSの最新版がリリースされていることを考慮すると、iOS11のリリースは9月20日前後になりそうです。

【UPDATE】

アップルは2017年9月12日のイベントで、iPhone 8、iPhone 8 Plus、そしてiPhone発売から10周年を記念するプレミアムモデル「iPhone X」を発表しました。また、同イベントでiOS11の正式リリースが日本時間9月20日(米国は9月19日)となることが予告されています。ただし、iOS11に対応していてもARKitに対応していない機種が存在するようです。Mogura VRではこれらの情報をまとめ次第、順次公開していきます。

(更新履歴)

2017/09/19…iPhoneのAR対応日時について更新


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