「Insta360 Air」は中国のVRスタートアップShenzhen Arashi Visionが開発するAndroidスマホ向けの360度カメラです。スマートフォンに直挿しするタイプの360度カメラで、Micro USBとUSB Type-Cの2つの種類が展開されています。
Shenzhen Arashi VisionはiPhone向けの360度カメラであるInsta360 Nanoを昨年に発売しており、そのAndroid版と言える360度カメラです。Insta360 Nanoとの違いでは、軽量であること、バッテリーがスマートフォンに依存していることから充電が不要なこと、また量販店や通販サイトの販売価格が約2万円と安価なことなどが挙げられます。
大まかなスペックは下記の通りです。
解像度(静止画) |
3008×1504(3K) |
解像度(動画) |
2560×1280(2.5K)(一部スマートフォンでは3008×1504(3K)) |
F値 |
F2.4 |
サイズ |
直径38mm、高さ39.5mm |
対応機種 |
Androidスマートフォン |
対応SNS |
Facebook、Facebook Messenger、Instagram、Twitter、Line、YouTube |
価格 |
約20,000円(税込) |
注意点としては、対応するAndroid端末がいわゆる高スペックなものに限定されるということ。メーカーサイトによると対応端末はこちらの要件を満たしている必要があるとのこと。
■Android OS 5.1以上
■USBホスト機能(USB OTGサポート)有り
■SOC
Qualcomm: 600 Series or 800 Series
MTK: Helio X10, X20, X25, X30 Series
Exynos: 7410, 8890
Huawei Kirin: Kirin9xx Series
■RAM(内蔵メモリ)2GB以上
ここで意外と気を付けたいのが高性能なスペックのスマホでも、ごく稀にUSBホスト機能を有していない機種があることです。例えば日本国内でも人気のSIMフリー端末である「HUAWEI P8 lite」と「HUAWEI P9 lite」はUSBホスト(OTG)に非対応です。購入を検討する際には、端末が対応するスペックかどうか、そしてカメラの端子でMicro USBとUSB Type-Cの2つのタイプを間違えないように、確認することが必要でしょう。
便利な点と感じたのは「充電が不要」なのでバッグに入れっぱなしでも使用できることでした。サイズも小さいので、筆者の場合はバックのペットボトル入れや折りたたみ傘用のポケットに入れていました。ただ、この充電が不要というのは「カメラ単独での撮影ができない」ということも意味します。
実機レビュー
外観はこんな感じ。本体を保護するゴムにしっかりと包み込まれています。今回のレビューに使用したスマホは、Galaxy S7(Samsung)です。
ゴムを取り外すと、本体が出てきます。着脱しやすい上に、レンズや端子をしっかりゴムが守ってくれているため安心感があります。小さいため、持ち運びにも困りません。
Insta360 Air を使用するためにはまず、Insta360 Airアプリをインストールします。
スマホと繋いで写真を撮る
その後にはWi-Fiの設定なども全くいらずに、スマホに差し込むだけですぐに使えるようになります。他の360度カメラでは無線設定などで煩わしい思いをしますが、こちらは1秒もかかりませんでした。黄色いボタンを押せば、すぐにシャッターを切れます。
画像・動画を加工して遊ぶ
また、画像や映像を加工して遊ぶことができる粋な機能もあります。360度動画なのに、リアルタイムでフィルターをかけて遊ぶことができます。写真はもちろん、加工された映像そのままを録画することも可能です。余談ですが、筆者はこの機能がお気に入りです。
ライブストリーミング
映像の録画やライブストリーミングにも対応しています。実際にYouTubeにてライブストリーミングを行ったのですが、Androidスマホは基本的にGoogleアカウントにログインしているため、アカウントの紐づけも数回のタップで終了。すぐに配信が可能です。ライブ配信を開始する赤いボタンの横に黄色いマークがありますが、これはジャイロスコープによる手ブレ補正機能がオンになっている状態を示しています。
ライブストリーミングには、360度配信を行うモードの他にアニメーションライブモードと呼ばれる機能があります。これは360度配信するのではなく、自分の見せたい方向だけを自分のスマホで調節して配信できるというもの。実際にYouTubeで見ると、以下のようになります。
スマホを手で持って撮影しているため、360度画像に手が写り込んでしまう、やや解像度が低いといった難点はあります。筆者はこれまでTHETA S、Gear 360(2016年版)などを使ってきましたが、Insta360 Airは持ち運びやすくて使い勝手の良く価格も安い、触っていてとても楽しいカメラです。カメラ自体にバッテリーが入っていない構造で熱くなりにくいため、夏場の使用にもおすすめです。