今回紹介するのは、小説をVRで表現した『Innocent Forest -灯の鳥-』(旧タイトル:『FullDive novel: Innocent Forest』)です。日本語対応でじっくり読むことができます。
『Innocent Forest -灯の鳥-』はGalaxyシリーズのスマートフォンを装着することで使用できる「Gear VR」専用のアプリです。価格は無料です。
物語は主人公となる青年「ケイ」が「記憶を失う森」を訪れ、その森に住む少女「ルクレイ」と過ごし、その中で大切なものを見つける、という内容です。
360度の空間を活用し、没入感を高めた小説
このアプリでは、基本的には目の前に表示される文章を読み進めていきます。しかし、周囲360度に広がるのは、小説内でのシーンの風景。まるで自分が本当にその場所にいるような感覚になります。
台詞のあるページでは、音声を流すことができます。実際に主人公がいる風景の中で、実際に聞こえる声を聞きながら読むことになります。普通に紙や画面で読む小説よりも、没入感が一気に増したような小説になっています。
挿絵代わりの360度動画
この小説には、挿絵代わりに360度動画が挟まれる部分があります。
ルクレイとケイの自己紹介シーンです。まるで360度アニメのように、ルクレイがケイ(プレイヤー)の周りを動き回って喋ります。
目の前には美味しそうな朝食が。通常のアニメのように第三者視点ではなく、自分のために出された食事が目の前にあるという感覚があって、いっそう美味しそうに感じます。
人のぬくもりを感じ、引き込まれるストーリー
物語は、主人公=プレイヤーとなる青年ケイが、記憶を失う森に訪れるところから始まります。訪れた者は、辛い出来事を一つ、忘れることができるという森です。主人公のケイは、なにを思って、この森へ来たのでしょうか。
暗い森を一人で歩くケイ。時間感覚もなくなったころ、急に視界が晴れ、一軒の家を見つけます。
その家に住んでいたのは、一人の少女。彼女は疲れ切ったケイを温かく迎え入れ、ルクレイと名乗りました。おしゃべりなインコのパッセも紹介してくれます。そして、ルクレイはケイにこう告げます。「目的は果たされた。きみはひとつ記憶を失った」
しばらくその家に滞在し、ルクレイと幸せな時間を過ごすケイ。しかしそのうち、自分が忘れた記憶がなんだったのか気になり始めます。そして、ルクレイの案内で、ケイは「記憶の鳥」たちに出会います。
最後にケイはどうなって、どんな選択をするのか……。
小説をVRで体験し読む、ということ
没入感は高いものの、基本的に文章を読んでいくというのは普通の小説と変わりません。さらに、Gear VRの日本語の小説アプリは初めてでも、英語の小説アプリは以前にもありました。360度動画が挟まれているのが面白いところですが、数は少ないです。もう少し回数を増やせれば、とは感じました。
このアプリは無料のため、比較的気軽に体験できるアプリです。ただし、じっくり読んでいると1時間以上かかるため、途中で端末が熱で止まってしまうことも。一気に読めないことがあるので、そこは注意です。
<ソフトウェア情報>
タイトル |
Innocent Forest -灯の鳥- |
メーカー |
MyDearest Inc. |
開発者 |
MyDearest Inc. |
ジャンル |
カジュアル、映画、音楽、物語、ユーティリティ |
価格 |
無料 |
言語 |
日本語、英語 |
コントローラー |
なし |
評価(最大5) |
4.3(47件) |
対応ハードウェア |
Gear VR |
入手方法 |
Oculus Storeよりダウンロード |
リリース日 |
2017年7月25日 |
ダウンロード |
https://www.oculus.com/experiences/gear-vr/1165266710246286/ |
公式サイト |
<Mogura VR的評価>
【オススメ度】★★★★☆(もう少しこれからに期待)
【快適さ】★★★★☆(端末の熱で最後まで一気に見られない)
【操作性】★★★★★