教育向けVRコンテンツを開発するImmersive VR Education社が、現地時間3月12日にダブリンとロンドンAIM市場(新興企業向け株式市場)で新規株式公開(IPO)を行いました。この上場によって、新たに600万ポンド(約8億8,800万円)の調達を目指します。
今回株式上場を行なったImmersive VR Educationは、アイルランドのウォーターフォードに拠点を置くスタートアップです。同社はこれまでに教育機関向けVRの研究開発などを行なっており、アポロ11号の月面着陸を体験する『Apollo 11 VR』やタイタニック号沈没を体験する『Titanic VR』などの教育向けコンテンツを開発してきました。
VRを使った体験授業
Immersive VR Educationは、バーチャル教室プラットフォーム『Engage』を開発しています。『Engage』は『VRChat』のようなソーシャルVRに近いプラットフォームであり、VRヘッドセットを装着し、バーチャルな空間上で授業を受けることができます。
『Engage』では実際に手に取ることが難しいモノや、現実では行くことができないような場所をVRで提示したり、難しい概念を視覚化して容易に理解したりすることが可能です。
航空宇宙学を教える際には月面を背景にしたバーチャル教室で授業を行うことが、古代生物に感する授業を行うのであれば恐竜をバーチャル教室に連れてくることもできます。このような仕掛けを使うことで、子供の好奇心をより刺激する授業ができるというメリットもあります。これまでには体験を通じて宇宙を学べるコンテンツ『Apollo 11 VR Mobile』などが公開されています。
録画機能を用いて貧困地域での教育にも活用
さらに『Engade』ではレコーダー機能を使用し、アプリ内に独自のレッスンを録画することができるので、録画された授業を復習などに活用することができます。オックスフォード大学の研究者は、この教育プラットフォームを用いて医療に関するハンズオンレッスンなどを作成しており、医者の育成が難しい貧困地域での活用ができるのではないかと期待しています。