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業界動向 2018.12.18

IMAXのVR体験施設、来年初頭に全て閉鎖へ 市場から撤退

IMAX社は、2019年初頭までに、世界に複数構えるVRエンターテインメント施設を全て閉鎖すると発表しました。

VRを通してこれまでにない体験を

IMAX社がVR市場へ参入したのは、2016年の初頭でした。VR体験を通して、「新しいインタラクティブな体験を創造する」ことを目標としました。500億ドルの資金調達を経て、VR体験を用いてどのようなコンセプトや拠点が適切か検証する意図で、実験的に複数拠点に施設の建設を行っていました。
これについて、CEOのRichard L. Gelfond氏は、「VRの技術を駆使して、これまでになくハイクオリティで素晴らしい体験を提供する」と述べていました。

複数施設の建設と、IMAXの挑戦

2017年初頭から、Imaxは世界の複数の都市で施設の建設を行いました。欧米ではニューヨーク、ロサンゼルス、トロント、マンチェスターの4拠点、アジアではバンコク・上海の2拠点です。

当初IMAX VRでは、StarVRなどプレミアムなVRヘッドセットの導入をウリにしていました。

苦戦、そして撤退へ

しかし、実際に体験できるコンテンツは家庭用のVRヘッドセット向けに配信されているものが中心となり、特殊な筐体やデバイスを使うこともほとんどありませんでした。他のVR体験施設のようにプレミア感のある体験を提供できず、苦戦が続きました。

2018年6月、同社は最初の拠点であるニューヨークの一部施設を閉鎖しました。またそれを追うように、中国・上海の拠点も閉鎖しました。10月には、ニューヨークのAMC Kips Bayにあるニューヨークの残りの施設を閉鎖しました。

そして2週間前、Imaxはヨーロッパ最後の拠点であるマンチェスターの施設を閉鎖し、残すはたった3拠点:トロント、ロサンゼルス、バンコクのみとなっています。
 
さらに、IMAX社は施設閉鎖の発表と共に、2019年はVRに関する費用投資を一切行わないと述べています。また、Imaxのセキュリティ(SEC)に関する特許書類においても、「VRの市場から撤退する」と公式に発表しています。

(参考)https://www.roadtovr.com/imax-close-remaining-imax-vr-centres-soon/
https://variety.com/2018/digital/news/imax-vr-is-dead-1203089351/


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