値下げされたVRデバイス「HTC Vive」徹底解説

PC向けに開発・販売されているVRヘッドマウントディスプレイ(VRHMD)、「HTC Vive(読み方:エイチティーシー ヴァイヴ)」。2017年8月21日には値下げが発表され、以前よりも購入しやすくなりました。

今回は「HTC Vive」の最新情報をまとめてお伝えします。

目次

1.HTC Viveの特徴
 1-1.ルームスケールでVR内を自由に動ける
 1-2.様々な施設で使用されている
2.HTC Viveの価格
3.公式ストアや家電量販店の店頭でも購入可能
4.HTC Vive本体のスペック
5.PCの必要スペック
6.コントローラー・周辺機器
 6-1.ルームスケールを実現するベースステーション
 6-2.Steam VRコントローラー
 6-3.様々なものをVRに持ち込めるトラッカー
 6-4.装着時間も短縮、オーディオストラップ
 6-5.無線化キットが開発中
7.HTC Viveのソフトはどこで購入・起動できる?
8.新型の噂も?

HTC Viveの特徴

ルームスケールでVR内を自由に動ける


HTC Viveの特徴は、最大で対角線5m分を歩くことができる「ルームスケール(部屋サイズ)」のVR体験です。HTC Viveを装着して、最大3m×4mの長方形型の空間を自由に動き回ることができます。HTC Viveをつけたまま歩く、座る、寝転ぶ、後ろを向く……といった動作が、範囲内の全ての位置で可能です。
Oculus Riftでもルームスケールでのプレイは可能ですが、周辺機器がさらに必要です。HTC Viveは箱一式に含まれているセンサーのみでより広い範囲でプレイすることができるようになっています。

※HTC Viveのコンテンツにはルームスケールでプレイするものと、その場で立つだけでプレイできるもの、椅子に座ってプレイできるものもあります。


また、ルームスケールでHTC Viveを使用する際、壁や家具にぶつからないように、「Chaperone(シャペロン)」というシステムが導入されています。これは現実の空間であらかじめ動き回れる広さを指定しておき、VR体験中にその範囲からはみ出そうになると、青い壁が表示されて警告を行ってくれる、というものです。足元の椅子などは動かす必要がありますが、このシステムにより住宅の壁にぶつかる心配はありません。

上記のようなルームスケールでの自由な動きを実現するため、HTC Viveには「ベースステーション」と呼ばれる機器が同梱しています。このベースステーションはHTC Viveやコントローラーの位置を割り出すために使われており、最初に起動する際はセットアップが必要となります。

(参考記事)
・HTC Viveのセットアップ方法 – 開封から体験開始まで
・用語集 – ルームスケール

様々な施設で使用されている

https://www.youtube.com/watch?v=EDEaTlIEfwM

HTC Viveは、商用利用が可能で、アーケードなどの外で多くの人が体験できる、いわゆる「ロケーションベース」のVRコンテンツでも多数利用されています。2017年7月14日に東京・新宿でオープンした大型VRエンターテインメント施設、「VR ZONE SHINJUKU」の全VRアクティビティや、渋谷アドアーズの「VR PARK TOKYO」の大部分はHTC Viveが使われています。


これらの理由のひとつとして、周辺機器である「Vive トラッカー」の存在が挙げられます。トラッカーを「VRに持ち込みたいモノ」にセットして固定することで、その物体の位置をVR上で反映することができるようになります。こちらについては後述します。

HTC Viveの価格

HTC Viveの価格ですが、2017年8月22日時点ではコントローラーとセットで84,110円(税込)となっています。8月21日に価格改定が行われ、改定前の107,784円から2万円以上の値下げとなりました。
また、サポート等を含んだビジネス向けのもの(Business Edition)は税込みで160,000円。こちらには商用ライセンスや大量購入への対応、商用利用での保証などが含まれています。

他のVRHMDとの価格比較ですが、「Oculus Rift」はサマーセール期間中、国内ではコントローラー付属で50,000円となっています。サマーセール終了後は海外で499ドルを予定しているとのこと(国内価格未定)。

また、マイクロソフト社が2017年末から展開するPC向けの没入型「MRヘッドセット」は最低価格299ドル、日本では4万円から展開されると予想されています。こちらはコントローラーは付属せず、必要な場合は別途購入するか、同梱版を購入する必要があります。

(参考記事)
・HTC Viveが価格改定 2万円超値下げで税込84,110円に

 

HTC Vive

Oculus Rift

Acer MR
(Win MR)

HP MR
(Win MR)

国内価格

84,110円

50,000円
(2017年サマーセール、サマーセール後は未発表)

40,000円(開発者版)

53,784円(開発者版)

ハンドコントローラーの有無

同梱

同梱

なし(同梱版は399ドルを予定)

なし

公式ストアや家電量販店の店頭でも購入可能

HTC Viveは、公式のストア以外にも、正規取扱店のオンラインストアならびに店舗で直接購入することができます。
正規取扱店にはパソコンや関連部品・パーツを販売しているドスパラ、ツクモ、ユニットコム(パソコン工房)、家電量販店のヨドバシカメラやビックカメラ等が含まれています。正規取扱販売店リストはこちら(外部サイトに飛びます)。

HTC Vive本体のスペック


HTC Viveはディスプレイに有機ELディスプレイ(OLED)を使用しており、解像度が片目あたり1080×1200、両目合わせておよそ2K(フルHD)相当となっています。これはOculus Riftと同じ解像度です。リフレッシュレートや視野角もほぼ変わらず、高品質なVR体験が可能です。
重量に関しては、以前HTC Viveは約550グラムと若干重めでしたが、2017年4月に軽量化が達成され、Oculus Riftとほぼ同様の重量となっています。

 

HTC Vive

Oculus Rift

Acer MR

画面解像度

有機EL
1080×1200 2枚

有機EL
1080×1200 2枚

液晶
1440×1440 2枚

リフレッシュレート

90Hz

90Hz

90Hz

視野角

110度

110度

95度

位置トラッキング

アウトサイドイン方式(付属のベースステーションを使用)

アウトサイドイン方式(付属の赤外線カメラを使用)

インサイドアウト方式(外部センサー不要)

重量

468グラム

470グラム

350g

PCの必要スペック

HTC Viveと接続するPCに必要なスペックは、以下の表の通りとなっています。ハイエンドのVR体験のため、要求スペックは高めですが、それ相応の高品質な体験が可能となっています。

また、2017年8月現在はWindowsにのみ対応していますが、同年6月6日に開催されたアップルの開発者会議によれば、iMacの新型およびiMac ProがHTC Viveに対応することが発表されています。ノートPCであるMacbookについても、外付けGPUデバイスによりVR対応となるとのことです。

OS

Windows 7 SP1 以降

プロセッサー

Intel Core i5-4590、またはAMD FX 8350以上

GPU

NVIDIA GTX970/1060、またはAMD Radeon RX 480/R9 290同等以上

メモリ

4GB 以上

ポート

HDMIポート×1
USB2.0ポート×1

コントローラー・周辺機器

ルームスケールを実現するベースステーション

HTC Viveの大きな特徴である、ルームスケール(部屋サイズ)でのVR体験を実現するために使用されているのが「ベースステーション」です。HTC Viveに2個同梱されており、これらを室内にセットすることで、現実のヘッドセット本体やコントローラーの場所を追跡し、VR内での移動や操作に反映することができます。

HTC Viveのセットアップガイドによれば、ベースステーションは斜めに2つ、それぞれの距離が5mまでの範囲で配置することを推奨しており、これは3m×4mの長方形型、また約3.5m四方の四角形の対角線の長さにあたります。また、最小範囲は1.5m×2mほどから指定することが可能です。


上記のような範囲を自由に歩き回れるだけでなく、椅子に座ったまま、もしくは立ったまま移動せず、その場でプレイするモードを選択することもできるようになっています。

また、ベースステーションは壁に固定してしまうこともできますが、展示等の多くの場合では、三脚やライトスタンドなど、角度を変更できる雲台が必要になります。これらの雲台や三脚はHTC Vive一式には付属していないため、別途購入が必要となりますのでご注意ください。

ベースステーションはHTC Viveのセットに2つ同梱されていますが、個別で追加購入することも可能。その場合は1台につき17,000円(税込)となっています。

Steam VRコントローラー


HTC ViveにはSteam VRコントローラーと呼ばれる棒状のコントローラーが2本同梱します。こちらを使用して手を動かしてものをつかむ、といった動作が可能。バッテリーは四時間ほど持続します。
トラッキング精度も高く、特に違和感なくVR内での操作することができ、落下防止用のストラップがついている等、汎用性が高く使用しやすいコントローラーです。

こちらのコントローラーもベースステーション同様、HTC Viveのセットに2つ付属しています。別途購入も可能で、その場合は1台につき16,000円(税込)となっています。

様々なものをVRに持ち込めるトラッカー

HTC Viveは多くの大型VRエンターテインメント施設で使用されていますが、そのひとつの理由として、別途販売されている「Vive トラッカー」の存在が挙げられます。Vive トラッカーは、Viveとトラッカーを結びつけたものを無線で接続し、ヘッドセットやコントローラーのように位置を検出・特定できる周辺機器です。
これを「VRに持ち込みたいモノ」にセットして固定することで、その物体の位置をVR上で反映することができるようになります。

例えば、サッカーをプレイするゲームでは、靴や足首にVive トラッカーを取り付けることで、現実でのキックをVR空間内でも反映することができるようになります。他にも、銃を使うゲームでは、銃型コントローラーにトラッカーをセットし、コントローラーの動きとVR内の銃の動きを一致させる、といった使い方が可能です。


これにより、従来のコントローラーでは難しい操作が必要なコンテンツを制作することが可能となっています。例えば、「VR ZONE SHINJUKU」の『マリオカート アーケードグランプリVR』では、手首にトラッカーを装着し、カートのハンドルを回す、コース上にあるアイテムを手で取る、といった動作を行うことができるようになっています。

Viveトラッカーは通常のHTC Vive用セットには付属していないため、使用する場合は別途購入が必要になります。こちらは12,500円(税込)。

(参考記事)
・PSVR品切れの裏で VR周辺機器Viveトラッカーが発売後2時間で売り切れたワケ
・「VRで好きなものを追跡できる」Viveトラッカー、新たな活用例やチュートリアルを追加
・ボールをVRに持ち込んでスーパーシュート  Viveトラッカーを使ったデモ動画が公開

装着時間も短縮、オーディオストラップ

また、HTC Vive用のアクセサリとして「Vive デラックスオーディオストラップ」が別途販売されています。こちらのアクセサリはVive本体にヘッドホンを統合、さらに装着時の調節も手軽にするなど、Viveの使用を快適にするアクセサリーとなっています。

オーディオストラップを使用する第一の利点は、本体ヘッドセットとは別にヘッドホンやイヤホンを取り付ける手間がなくなること。従来、ヘッドセットをかぶってからオーディオ機器を装着することになりますが、オーディオストラップを使用することでそのような煩雑さがなくなります。
第二の利点としては、Viveを装着する動作自体もより簡単になることが挙げられます。Viveに付属している標準のストラップでは、装着する際に左右二箇所のバンドを、自分に合う位置で留める必要がありました。ですが、デラックスオーディオストラップでは、後ろ側にあるダイヤル一箇所を回して締めるだけて済むため、装着時間を短縮することが可能です。

こちらはViveに付属している標準ストラップと付け替える形で使用することになります。通常のセット内には同梱されていませんので、別途購入することとなります。価格は12,500円(税込)です。

(参考記事)
・VIVEデラックスオーディオストラップを換装したほうがいい理由
・装着の手間が大幅短縮 HTC Vive デラックスオーディオストラップの換装方法

無線化キットが開発中

HTC Viveは従来、有線接続で映像をPCから出力しています。それゆえ、ルームスケールで動作させた際にケーブルに足をとられる、付添のスタッフがコードを手に持つといった事態が生じることがありますが、これを解消するため、無線接続で動作させるためのデバイスも開発されています。


HTCおよびValve公式の商品ではありませんが、「TPCAST」や「DispleyLink XR」、インテル社の「WiGigワイヤレスVRソリューション」などが存在し、同一の場所で6人まで同時にワイヤレスでのVR体験ができる企業用のデバイスも開発されています。

使用方法としては、無線接続用のキットをViveに装着し、Viveに電力を供給するバッテリーはポケット等に入れる方式が多くを占めています。セットアップ時にケーブルを接続する際や、プレイ中に足がひっかかる等の煩わしさを取り除き、ルームスケールの体験をより快適にするという点で注目されています。

現状では「TPCAST」の実装・開発が一歩早く進んでおり、2017年中にはViveの無線化が実現しそうです(ただし、国により展開時期に差が出ると推測されています)。

(参考記事)
・【体験レポ】ワイヤレスなVRは実現するのか?CESに展示されていた3種類の無線化キット比較
・HTC ViveでワイヤレスVR体験が可能に インテル製無線化キットが発表
・VRはワイヤレスへ 両眼4K120Hzまで対応ワイヤレスVRシステム登場

HTC Viveのソフトはどこで購入・起動できる?


HTC Viveのソフトは、ValveのプラットフォームであるSteamVRで入手することができます。最初の購入の際、Steamの会員登録が必要になりますのでご注意ください。

また、起動する際はSteamVRを起動すると、HTC Vive上でVRモードの画面になります。モニター上でもVR内でもソフトを購入・ダウンロードして起動することができます。

(参考記事)
・【決定版】HTC Viveゲーム・アプリおすすめタイトル24選
・【HTC Vive】8月第3週の新作&注目のVRゲーム・アプリ

新型の噂も?

2017年8月現在、HTC Viveはデバイスのスペックや新機能に関するアップデート・追加等は行われておらず、またPCによる接続を用いた新型のデバイスは、2017年中には登場しないことを明らかにしています。

ですが、同デバイスのキットは現在様々なものが開発中。そのうち、何種類は2018年中にリリースされる可能性があります。

特に、新型トラッキング(追跡)技術である『SteamVR Tracking 2.0』が開発されていることに注目。これは複数のベースステーションを接続し、より広範囲のトラッキングを可能とする技術が含まれています。これらの技術は早ければ2017年11月にも公開される予定であり、2018年にはこの新型センサーを同梱したHTC Viveが登場するのではないかと推測されています。

他方、ValveやHTCはこれらのリリースについて正式なアナウンスを行っていません。いずれにせよ続報を待つことになりそうです。

 

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この記事を書いた人

  • いつの間にやら居ついた人。ゲーム関係の仕事を経てMoguraに合流。 現在は記事執筆やら編集やら何やらをしています。 デジタルゲームやVR/AR/MRにおける経験や物語体験、仮想身体のありかたに興味。あとライフログとかにも。 Twitter:@mizuharayuki

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