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テック 2017.11.30

裸眼で空間に立体映像 開発者向けに750ドルで登場

3次元の立体映像を空間に表示し、3Dペインティングなどのインタラクションが行える立体映像ディスプレイが発表されました。

「Holoplayer One」という名称の本デバイスではHoloLensのようなウェアラブルデバイスを装着することなく、現実に3Dの物体があるように表示され、複数のユーザーが体験を共有することができます。

ジェスチャー入力のできる3Dディスプレイ

Holoplayer Oneは、ヘッドセットを用いずに3D空間とインタラクトすることを目指すLooking Glass Factory社が開発するホログラフィックディスプレイです。

ノートPCのように折りたたまれた形状から展開され、パネルを通して様々な方向から見ることのできる立体映像が表示されます。

トレイラーではパネルに3D映像が表示されるだけでなく、指先のジェスチャーを用いてVRアプリ『Tilt Brush』のように空間に3Dペイントを行っていることが見て取れます。

空間をデータ化するライトフィールド技術

本デバイスで用いられているのは、ライトフィールドと呼ばれる空間のデジタル化技術です。

ライトフィールドでは、空間を「光の点の集合」として扱います。ある視点から空間を見た時、物体や景色から反射されて目に届く光の座標をすべて記録することで、空間をデジタルデータとして扱えるようにする技術です。最近では、現実空間を3Dデータ化するLytroのライトフィールドカメラなどで耳にするようになりました。

Holoplayer Oneではこのライトフィールド技術を用い、3Dオブジェクトの光の点の集合を再現して表示することで、実際にそこに立体的なものがあるかのように見せています。

このライトフィールドの光点データは、どこから覗くかという「視点」の位置によって変わります。様々な方向から覗けるようにするために、現在の開発キットでは32の異なるビューが同時に出力されるようになっています(32方向から覗ける)。提示された映像は、1ビューにつき267×480の解像度を持ちます。

Holoplayer Oneの映像は3Dテレビとも異なり、特別なメガネを用いずに立体的に見ることができます。

開発キットが予約受付中

Holoplayer Oneでは、指先の動きを読み取って立体的なインタラクトを可能にしています。IntelのRealsenseデプスカメラを用いて指先の追跡を行っています。

Looking Glass Factoryの共同設立者でありCEOのShawn Frayne氏によれば、「現在の開発キットの仕様は主にコストの面でスペックを抑えられている」とのこと。解像度や同時ビュー数を増やすことは可能ですが、まずは「クリエイターが利用できるようにする」ことが重要だと述べています。

Holoplayer Oneは、現在開発キットが750ドル(約8.4万円)で予約受付中です。発送は2018年4月となっています。また、公式サイトではUnity用のソフトウェア開発キットも配布されています。

Frayne氏によると、1、2年後には製品版をリリースするとのこと。

(参考)
Holoplayer One Is An Interactive Lightfield Display Bringing Holograms To Your Home / UploadVR(英語)
https://uploadvr.com/holoplayer-one-interactive-lightfield-display-bringing-holograms-home/


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