ウクライナ軍は、マイクロソフトの開発するMRデバイスHoloLensの実戦利用を試みています。
周囲の情報や敵の識別・ハイライトも可能
透明なウィンドウに画像や情報を表示できるHoloLensは、今まで建築や宇宙活動といった場での活用が進められてきました。
今回ウクライナのLimpid Armor社が開発した技術では、戦車や装甲車を囲む辺り360度の周囲の熱や光学に関する情報を見ることができます。
「Circular Review System」と名付けられたそのヘッドセットは、HoloLensと戦闘用ヘルメットを組み合わせて作られました。
Circular Reviewはまた、敵味方を識別・ハイライト表示し、指揮官からの司令を表示し、自動で敵対者をターゲットすることができます。さらには、ドローンや空爆が敵をマークする支援も可能です。
以下は同社の発表したスペック(英語)です。
イスラエル軍も軍事利用を検討か
本ヘッドセットは10月11日、ウクライナの首都キエフで行われたイベント「Arms and Security 2016」で発表されました。
今までは管理下の施設のみで試験され、ヘッドセットも実戦では使われていませんでしたが、Limpid Armor社はすぐにでもCircular Reviewを広くウクライナ軍に投入する計画を進めています。
同社は同じシステムを民間にも提供するとしており、工事現場や飛行機・無人機のパイロットが周囲を確認できるシステムを開発中です。
HoloLensの軍事利用を試みているのはウクライナ軍だけでなく、ブルームバーグによれば、イスラエル軍も8月に2つのHoloLensを購入したことが分かっています。
「少なくともこうした軍事利用が世界では進められています」と、イスラエル軍のRotem Bashi氏は述べています。「私たちはこうしたデバイスをどう開発するか、私たちの軍事にどのような影響を与えるか、を解明したいと思っています」
(参考)
VRScout / Ukrainian Military Testing Microsoft HoloLens for Battle(英語)
http://vrscout.com/news/ukrainian-military-microsoft-hololens-battle/
※Mogura VR は、VR Scoutとパートナーシップを結んでいます。