絵の枠を越えて部屋の中一杯のバラ HoloLensで見ることで完成する水墨画

いまや、市販のVRヘッドセットやAR機能を搭載したスマートフォンを使って空間に絵を描くことが可能になりました。そして、絵をVRやARで鑑賞することも、はたまた名画の中に入ってその世界を体験することもできます。

2017年8月11日~8月16日に東京・銀座のギャラリー枝香庵で開催された『Shukou Tsuchiya Exhibition 2017 墨唱華 – 抽象水墨花言葉展 – 』では、マイクロソフトのMRデバイスHoloLensを使ったユニークな展示が行われました。


水墨画を基礎とした現代アートを手掛ける土屋秋恆氏の個展です。2013年から株式会社ソニー・デジタルエンタテインメント・サービスと共にチャリティの水墨画作品の個展を開催。主催の株式会社ソニー・デジタルエンタテインメント・サービスの収益は全額寄付に回されています。

昨年はVRを使った展示、今年は、HoloLensと水墨画を組み合わせた作品が展示されていました。ギャラリーには土屋氏が「花言葉」からインスピレーションを得た作品抽象水墨画30点程が展示。その内、1点がHoloLensを通して観る作品『幻想螺旋薔薇図』です。

『幻想螺旋薔薇図』


小部屋の中には額縁に納まった絵が椅子の上に載っています。

葉しか描かれていない絵をHoloLensを被って見てみると、絵から生えているようにらせん状に伸びた蔦と、沢山のバラの花が描かれています。

繊細に描かれており、蔦に近づいてよく見ると棘まであります。バラの花も花びらの構造まで精確に見てとることができます。

バラの周りには蝶が舞い、殺風景な白壁の部屋だと思ってたのが、HoloLensを通してみれば、華やかな空間となります。

最初は葉のみの絵を見たときは、花を描いた他の絵に比べて寂寥感を感じていましたが、ラを見た後では、最初の絵の印象もまったく異なります。寂寥感ではなく、見上げたら大輪の花が咲いてるような希望やわくわくするような明るい絵に思えてきます。

今回の展示のために、この部屋に飾ることを想定して制作された本作品、部屋の中にぴったり収まるように蔓の広がり方やバラの大きさも描かれています。

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部屋一杯に蔓が複雑に広がっています。

絵は筆で描かれた水墨画ですが、HoloLensで見たバラと茎は空間に絵を描けるアプリ『Tilt Brush』で土屋氏が描いたものです。作品を実際に制作した場所はVR GALLERY by Sony Digital Entertainment。展示するギャラリーの部屋に合わせるため、床にテープを使って広さを再現し、一気に蔓から描き上げたとのこと。

『Tilt Brush』を体験したことがないとイメージがつきにくいですが、『Tilt Brush』はVR内に下絵や資料を映して見ながら描くことはできません。何もない空間に立体的に描き上げていきます。

『Tilt Brush』の紹介記事はこちら

HoloLensへ対応したのは株式会社ホロラボ前本 知志氏。水墨画という伝統的な絵画とHoloLensと『Tilt Brush』という新しいテクノロジーで表現された本作品は、ギャラリーの展示室でHoloLensを通して水墨画を見ることで完成し、見る人の心に訴える作品です。

『Tilt Brush』で描かれた部分はしゃがんで見上げて見たり、左右に回り込んで見るなど平面の絵ではできない楽しみ方ができますVR空間内で見ることと違うのはHoloLensならば、現実に置かれた絵と合わせてじっくり見ることができるところ。

HoloLensの面白い使い方であり、絵画などの芸術とのコラボレーションが更に広がっていきそうです。

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この記事を書いた人

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