2016年12月末に新たに公開されたマイクロソフト社の特許によると、MR環境において現実物の色を変えたり、複数人のユーザーでオブジェクトを共有する仕組みとしてバーチャル”アンカー”を配置する方法が提案されています。
1つ目の特許『COLOR FILL IN AN AUGMENTED REALITY ENVIRONMENT』は、現実環境にCGを重畳して環境色を変更する方法について述べています。従来は、現実物の3次元データをあらかじめ用意して、それをもとにCGを作成、重畳する方法が取られていましたが、常に3次元データを用意できるわけではない、処理に時間がかかるといった問題がありました。この特許では、カメラから入力された映像の色が均一な部分を検出し、その部分のデプスセンサー値を合わせて色を塗りつぶすかを決めることによってあらかじめ3次元データがなくてもCGを重畳できるようになったのが特徴です。下図の例では、現実の壁を検出して色を変えている様子が描かれています。
2つ目の特許『VIRTUAL PLACE-LOCATED ANCHOR』は、複数人が同時にMRで作業をする場合、表示するオブジェクトを自分だけ見えるようにしたり(プライベート)、共有(パブリック)したいといった要望があります。この特許ではバーチャル”アンカー”と呼ばれる空間に固定されるオブジェクトについてプライベート、パブリックの切り替えに関する方法を提案しています。
マイクロソフトは非常に多くの特許を出しており、それらのほとんどは実際に製品に搭載されることはありません。しかし、これらの特許からマイクロソフトが多人数でコラボレーションできるようにしたり、現実物とのインタラクションを増やしていこうとしていることが読み取れます。
(参考)
Microsoft HoloLens Patents Let You Change the Color of Your World and Create a Shareable Virtual ‘Anchor’ – (英語)
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