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クリエイティブツール 2017.07.25

さらなる認識強化へ HoloLens次期モデルはAI専用の新型チップ搭載

マイクロソフトはMRヘッドセットであるHoloLensの次期バージョンでは、コンピュータビジョンのタスクを遅延をおさえて実行するように設計されたマイクロソフト製のカスタムAIチップが搭載される予定です。

先日行われたコンピュータビジョンとパターン認識会議(CVPR)2017で、マイクロソフトの人工知能および研究グループ担当副社長であるHarry Shum氏は次のバージョンのHoloLensに新しいホログラフィックプロセッシングユニット(HPU)が含まれることを発表しました。

HoloLensには、HPUと呼ばれるカスタムマルチプロセッサが含まれています。これは、マイクロソフトのデプスセンサー、ヘッドトラッキングカメラ、慣性計測ユニット(IMU)、赤外線カメラなど、各種センサーからの情報の処理を担当しています。 HPUは、HoloLensを自己完結したホログラフィックコンピュータとするものの一部です。

デバイス自体でDNNを実装可能に

Microsoft Research Blogによると、新しいバージョンのHoloLensには、デバイス自体にディープニューラルネットワーク(DNN)を実装する機械学習専用のカスタムチップ「AIコプロセッサー」が搭載されるとのこと。新しいAIコプロセッサを搭載したPCに接続された第1世代のHoloLensを使用して、マイクロソフトは3つの複雑なハンドトラッキングモデルを同時に実行することが可能であるとしています。

コンピュータビジョンタスクの待ち時間を最小限に

マイクロソフト社によると、AI対応チップは、軽量でエネルギー効率の高いモバイル機器用に設計されたチップで、クラウドにデータを送信する代わりに、オンボードでリアルタイムAI処理を実行できるとのこと。これは、ハンドトラッキング、オブジェクトおよび音声認識のようなコンピュータビジョンタスクの待ち時間を最小限に抑えることができます。

Microsoft Research Blogを書いたMarc Pollefeys氏によると「AIコプロセッサーはHoloLensの次のバージョンで動作するように設計されており、バッテリーから連続的に稼働しています」とのこと。また「HoloLensのために開発している新しい機能のほんの一例であり、Microsoftがこれまでの歴史を通じて行ってきたように、長期的な投資意欲と能力を持っているからこそできることで、インテリジェントな複合現実感デバイスを開発しようとする場合に必要な考え方です。複合現実感と人工知能はコンピューティングの未来であり、私たちはこのフロンティアを進化させることに興奮しています。」とも述べています。

HoloLensの次世代機のリリース時期や価格は現在不明ですが、今後も新しい機能が公開されるのか楽しみです。

(参考)
Microsoft Research BlogーSecond version of HoloLens HPU will incorporate AI coprocessor for implementing DNNsー(英語)
https://www.microsoft.com/en-us/research/blog/second-version-hololens-hpu-will-incorporate-ai-coprocessor-implementing-dnns/

HoloLens 2.0 to Put a Custom A.I. Chip at the Heart of Its On-board Processorー(英語)
https://www.roadtovr.com/hololens-2-0-put-custom-chip-heart-board-processor/


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