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投資 2018.07.02

セカンドライフ創設者の企業が38億円調達「ブロックチェーンはVRに必須」

「セカンドライフ」の創設者であるフィリップ・ローズデール氏が設立したHigh Fidelityは、シリーズDで3,500万ドル(約38.5億円)の資金調達を行った旨を発表しました。グローバルなVRシステムの開発を進め、人材獲得や新オフィス開設に資金を投じるとしています。

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VRメタバース構築を狙う

High Fidelityは、企業名と同名のソーシャルVRサービス「High Fidelity」を開発し、ユーザーがアバターで交流することのできるバーチャル世界を作ろうとしています。High Fidelityが構築するソーシャルVRは、ユーザーが相互接続されたバーチャル世界をホスト、構築、および結合できる基本的なメタバース(バーチャルな世界)です。複雑なシミュレーションを実行するために、ユーザからの処理を分散するコンピューティングモデルを用いてプラットフォームの範囲を拡大しています。Oculus RiftやHTC Vive、および通常のMacなどのPCに対応しています。

今回の資金調達は2,000万(約22億円)ドルを投資したGalaxy Digital Venturesがリードインベスターとなり、複数のベンチャーキャピタルらが出資しました。また新たな出資者としてBlockchain Capitalが参加しています。High Fidelityは2016年12月にも2,200万ドルの調達を行っており、資金調達総額は7,200万ドル(約79億円)に上ります。

ブロックチェーン技術が不可欠

この資金調達からは、同社のブロックチェーン技術への注力も見てとれます。ローズデール氏は、ブロックチェーン技術が巨大かつ分散化されたVRメタバースには不可欠になると主張しています。

同氏は、「我々はVRの中でイベントに参加したり、互いにエンターテイメントを提供したりします。大規模かつ安全に行うには、VRの世界は分散化されなければなりません。このために、ブロックチェーン技術は必須です」

High Fidelityは、既にVRの中に独自の仮想通貨「High Fidelity Coin(HFC)」を設けています。仮想通貨と言っても値上がり益を狙う投資対象ではなく、VR内でのやり取りを円滑にするものということです。

さらにHigh FidelityのMarketplace内で衣装やアバターを取引するために、所有権を示すシステム「Digital Asset Registry(DAR)」も設定しています。この仕組みもブロックチェーン技術を用いており、“同一性と所有権を示す明白な証拠で、偽造コンテンツに対する強力な防衛手段”とされています。

これらの動向から、同社がVRのビッグビジネスの兆しを見てとっていることは明らかです。High Fidelityはバーチャルグッズやサービスの市場は、利用者数10億人、金額にして1兆ドル(約110兆円)の規模になると予測しています。同社はこの市場でメインプレーヤーとなるべく、今後も事業拡大を行っていくと考えられます。

(参考)Road to VR
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