NVIDIAは、新たなPC向けグラフィックボードGTX1050とGTX1050Tiを発表しました。このうちGTX1050TiがOculus Riftの最低動作要件を満たす可能性があります。
今回発表された2種類のグラフィックボードは、NVIDIAの次世代グラフィックボードGTX10番台の中でも低価格帯のエントリーモデルになります。GTX1050が109ドル(約11,000円)、GTX1050Tiが139ドル(約14,000円)で、10月25日に発売されます。
公式にはまだ謳われていませんが、GTX1050TiがOculus Riftの動作要件を満たす可能性あることが米VRメディアRoad to VRのNVIDIAへの取材により判明しています。
VRをより手軽に。Oculusの新技術が下げる最低動作環境
10月頭に開催されたOculus Connect3(OC3)にて、OculusはPC向けのヘッドマウントディスプレイRiftを動作させるための推奨PC、Oculus Readyの基準を引き下げることを明らかにしました。
これはOculusが新たに開発した新技術Asynchronous Spacewarp (ASW)により実現するものです。この技術により、従来画像の描画処理頻度を表すフレームレートが45fpsのVR体験でも動作水準である90fpsで体験することが可能になります。
Oculusはこの新技術により、NVIDIA GTX970以上としていたOculus Readyの基準をGTX960以上にすると引き下げる発表を行いました。
GTX1050TiはGTX960を上回る性能となる可能性があり、それはGTX1050Ti搭載のPCでOculus Riftが動作することを意味します。
GTX1060、GTX970、GTX1050Ti、GTX960の性能比較表はこちら。
GTX1060(3GB) |
GTX970 |
GTX1050Ti |
GTX960 |
|
アーキテクチャ |
Pascal |
Maxwell |
Pascal |
Maxwell |
コア数 |
1152 |
1664 |
768 |
1024 |
ベースクロック |
1,506 MHz |
1,050 MHz |
1,290MHz |
1,127 MHz |
ブーストクロック |
1,709 MHz |
1,178 MHz |
1,382 MHz |
1,178 MHz |
VRAM容量 |
3GB GDDR5 |
4GB GDDR5 |
4GB GDDR5 |
2GB GDDR5 |
バス幅 |
192-bit |
256-bit |
128-bit |
128-bit |
TDP |
120W |
145W |
75W |
120W |
Road to VRの取材に対しNVIDIAの広報担当者は「(GTX1050Ti)が(Oculusの動作要件を)満たすことに期待している」と述べています。しかし、90fpsを常に維持し快適に高品質なVRを体験できるのはGTX960とも添えていたとのこと。
139ドルのGTX1050TiでOculus Riftが動くとなると、動作させるためのPCの価格はさらに下がります。OculusはOC3にて、AMDの協力により499ドルのOculus Ready PCが発売されるとの発表を行っています。NVIDIAのGTX1050TiでもVRをより手軽に楽しめるようになるかもしれませんね。
(参考)
NVIDIA Expects New $139 GTX 1050 Ti GPU to Meet Oculus Min Spec
http://www.roadtovr.com/nvidia-geforce-gtx-1050-ti-oculus-minimum-specification-virtual-reality/
※Mogura VRはRoad to VRとパートナーシップを結んでいます。