GoogleのDaydream Labsは開発者向けブログにて、開発の過程で学んだことについて語っています。それによると他者とのコミュニケーションとVR体験の間には相互作用が働いており、互いに良い方向に導き合うとしています。
Daydream LabsではVRコンセプトのプロトタイプを素早く作成するためエンジニアとデザイナーがペアを組み、学んだことをVRコミュニティでシェアしています。今週、チームは”ソーシャル”について焦点を当てており、多くの体験の中で「VR空間を他者と共有することによってVR体験はより良いものになり増幅する」ということを学んだと述べています。
手と目玉によるコミュニケーションの成立
目は、見ている方向や何に対して話しているかを相手に伝えることができます。そこでチームは、VR内の二者を“宙に浮かぶ手と目玉”のみで表現しました。すると非常に単純なアバターにも拘わらず、顔と顔で向き合ったコミュニケーションが演出され、その場を相手と共有している感覚が生まれたとのこと。そして感情や意図などを意外なほど相手に伝えることができたようです。
宙に浮かぶ手と目玉のみで構成されたアバター
他者とのコミュニケーションの活性化
初めてVRコンテンツを起動したとき、どこで何から始めるかを理解するのは中々困難です。しかし既存のだれかのパーティに参加することでそれは解決します。マルチプレイで共通の目的を持つことで相手とのコミュニケーションが活性化し緊張がほぐれ、VR体験をより良いものにします。
向社会的相互作用の調節
現実で相手のことを知っている場合、VR内での相手の身長の違いに気付くでしょう。VR内では誰もが同じ身長、同じ目線の高さにいます。また、調整の度合いによっては、各々をその空間の中で一番背の高い人物として演出することもできます。現実世界で身長は重要な社会的手掛かりであり、VR内ではこれらのパラメータを調整することによって人々の向社会的相互作用を成立させることも可能だとしています。
(関連)
開発者がGoogleの新しいVRプラットフォームDaydreamを試してみて分かったこと
Google Daydream Labsが60以上のVRアプリ制作から学んだこと
(参考)
Daydream Labs: VR plays well with others(英語)
https://developers.googleblog.com/2016/06/daydream-labs-vr-plays-well-with-others.html