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PR 2017.03.29

「VRの導入で成約率が2倍に」国内プレーヤーが語ったVRマーケティングの実際の効果

3月16日、GMOクラウド株式会社と株式会社WHITEが共同で開催する「VRビジネスの今を知る “実践者”が語るビジネス×VR」が行なわれました。イベントには、実際にVRをビジネスとして活用する複数の企業の担当者が集まり、会場には約100名が来場しました。

VRは「体験そのものを伝える」メディア

VRマーケ_イベントMogura VRの久保田

イベント最初に行われた基調講演では弊メディア編集長の久保田が登壇。VRの概観についての説明とスマホで体験できるコンテンツを紹介しました。VRの特徴を「体験そのものを伝えるメディア」と一言で表し、現在のVRデバイスがハイエンドからローエンドのものまで多岐多様に渡り、各デバイスの性能・特徴に合わせたコンテンツの設計が必要であることを示しました。

また、アメリカのVR/AR専門投資ファンド「The Venture Reality Fund」が制作したVR関連会社の業界マップを紹介しました。2017年版は1年前に比べて掲載企業数が40%増加したこと、海外大手のIT企業もVRに参入しているトレンドについて語りました。

VRマーケ_イベント

VRマーケ_イベント

GMO_VRマーケティング

GMO_VRマーケティングイベント来場者は、配られた「Milboxゴーグル」で、高品質なスマホVRコンテンツを体験。

VRは「1対1・1人称」のマーケティングへと変革を起こす

VRマーケ_イベント株式会社WHITEの小池氏

続いて登壇した株式会社WHITEの小池祐介氏は、国内で成功したVRプロモーション事例も紹介。VRマーケティングの大きな特徴として、従来はイベント実施などで提供していた体験というコンテンツがVRでは非対面で提供可能で、これまでにない多くの人々に体験を提供し、人の感情を動かすマーケティングが可能になることがポイントと説明しました。VRの登場で非対面であっても「1対nから1対1に」「1人称」のマーケティングへと変革が起きる可能性を示しました。

・『ニュースチェック11桑子キャスターVR』(※画像は公式サイトのキャプチャ)
VRマーケ_イベントSNSでは「惚れてしまう」といった感情が動かされたコメントが多く見られた。

・『異性の気持ちを味わえる男女の本音 VRムービー』
GMO_VRマーケ_イベント男性視点と女性視点を選べ、感情的に体験者を引き込ませる体験をWebVRで提供。

さらにWebVRの登場によりリターゲティングといったウェブマーケーティングとの掛け合わせや、ゴーグルを使用せずに体験できる360度コンテンツでSNSへの伝播力を高めるなど、マーケティング効果を広くかつ深くする方法も紹介しました。

VRサービスには様々な業界から反響がきている

VRマーケ_イベントGMOクラウド株式会社の西木氏

360度パノラマVRコンテンツ制作管理ツール「panocloud VR(パノクラウドVR)」を展開するGMOクラウド株式会社の西木有理氏は、主にホスティング・セキュリティサービス事業を行う同社が、VRに取り組んでいる理由として「ウェブコンテンツとVRの親和性」「新しい時代の高付加価値な技術」であることを挙げました。特にウェブ制作を行う会社にとっては魅力的なソリューションになるだろうとし、2017年以降は、現実的にどのように活用できるのかを本格的に検討する企業が急増していることを明かしました。

同社がVRサービスを開始した去年に比べて「具体的なイメージのリクエストが多くなってきている」とし、これまでに不動産・住宅、医療、建築・ゼネコン、航空といった各種業界を横断して反響を得ているとのこと。例えば不動産の内見の前に「複数の施設をVR体験で見る」というアクションを挟むことで、成約率や営業効率の向上に繋がる事例も出ていると話しました。

panocloud VR(パノクラウドVR)panocloud VR」の画面。360度の静止画をツアーすることが可能。

さらにマーケティング効果を高めるためには、コンテンツの質に加えてコストと工数の削減も重要になる点を指摘。「panocloud VR」では制作の簡易さと低価格で導入きるプランを実現し、たとえ小規模な予算の小さいチームであっても、VRマーケティングとVRコンテンツの供給を始めることができるよう設計していると語りました。

トークセッションで語られたVR導入による効果

VRマーケ_イベント

同イベントの後半では上述した登壇者3名に、オートデスク株式会社の門口洋一郎氏と株式会社Loco Partnersの岡田友宏氏を加え「VRはビジネスになるのか?今訊きたい実践者の知見」と題したトークセッションが行われました(Mogura VRの久保田はモデレーター)。

モデレーターの久保田から「実際のビジネスとして見てもVRマーケティングは効果はあるのか」という質問に対しては、定量的な実績と定性的な評価の2つから効果があったことが登壇者から紹介されました。

営業マンの工数削減と顧客サービスの向上を一挙に解決

GMOクラウドの西木氏は、不動産事業でVRを導入したケースで、成約コンバージョン率が2倍になったことを明かしました。コンバージョン率が上がったことにより、不動産会社の営業マンの工数が削減されたことに加えて、顧客側の視点からもVR体験を使うと実際に内見する物件の数が少数に絞られることから、顧客サービスの向上にも繋がっていると語りました。

VR以外の用途に素材やデータを転用してトータルコストを抑えられる

VRマーケ_イベント(左から)Mogura VRの久保田、オートデスクの門口氏、Loco Partnersの岡田氏

3Dグラフィックスツールで世界最大シェアを誇るオートデスクの門口氏は、VRコンテンツに使うデータや素材を他に転用することでトータルの効果を高められることを指摘。インドのマハラジャの宮殿を修復する際に必要なCADデータなどをVRコンテンツやPR広告など様々な用途で転用することに成功したことを紹介しました。また、建築の分野向けのVRツールの売上では日本が世界売上の30%を占めており、日本は建築におけるVRには積極的な市場で、VRを導入し始めている企業が多いと述べました。

SNSのエンゲージメント率は2倍から3倍に

日本国内の高級旅館・高級ホテルに特化した予約サイト「Relux」を運営するLoco Partnersの岡田氏は、BtoBとBtoCの両面で効果があることを指摘しました。旅館・ホテルから見える「夕刻時の絶景ポイント」といった訴求力のある魅力的なコンテンツが、従来の平面の動画では表現できずにいた課題を解決することができたとのこと。360度動画を使うとその魅力をストレートに伝えることができ、旅館・ホテルが持つ独自の魅力を発信することができるようになったと語りました。またBtoC側ではソーシャルメディアで360度動画のコンテンツを投稿するとエンゲージメントが2倍から3倍に上昇する、とすでに効果が出ていることを述べました。

ユーザーとの関係性を強くすることができる

「イベント体験者の表情が笑顔になる」と定性的な効果にも注目していると語ったのはWHITEの小池氏。イベントの主催者と参加者の結びつきを強くすることができるのは大きい効果だと指摘しました。また定量的な面でも、360度動画の広告は通常の動画に比べて最後まで視聴される割合が大きく、視聴完了単価が想定の半分になったという事例もあることが語られました。

VRの取り扱いで苦労することと今後の取り組みに関しての展望

Loco Partnersの岡田氏は「VRサービス導入の準備期間は1ヶ月だったが、立ち上がりは成功した」とした上で、今後はコンテンツを拡充していくことが課題だとしました。理想は同社が契約する1,000社全てに導入したいとのことですが、地理的な原因で撮影に行くことは難しいことを指摘。今後はVRコンテンツが集まる仕組化を創ることに取り組んでいくと語りました。

VRマーケ_イベント

WHITEの小池氏は(VR導入するに当たっての)検討が長期化するという課題があると語りました。新しい技術への理解と、VRは体験しないと分からない部分が長期化の理由になるとのこと。さらに、稟議を上げる際に、担当者の上長がゴーグルを装着してくれないというケースもあると指摘。その場合は担当者と協力して外堀を埋めていくことが大切だとし、とにかく体験してもらって正しく理解をしてもらうことが必要だとしました。VRへの理解者が増えていくことは間違いなく、今後はユーザーがVRを体験するためのハードルを下げていく取組みが重要になってくると語りました。

すでに誰でも手軽にVRマーケティングを始められる時が来ていることの認知が必要

GMOクラウドの西木氏は、VRは市場として確立されていないので、1から市場を創ることに今も奮闘していることを語りました。VRのビジネスモデルを確立し、「panocloud VR」を使えば、コストをかけずに手軽にVRマーケティングを始められることの認知を広げるのが近々の課題としました。また、Web上でVRを使ってコンテンツを訴求するツールを拡充していくことにも取り組んでいると語りました。

セッションの最後はモデレーターのMogura VRの久保田が「現在のVR市場はハードウェアが牽引しているが、数年後にはコンテンツがVR市場を牽引していくことが予想されている」とし、市場が本格的に盛り上がる前にノウハウとポジションを確立していくことの重要性や各プレーヤーの思惑を紹介して、イベントを締めました。

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panocloud VR(パノクラウドVR)