NVIDIAはドイツで開催されるゲーム展示会Gamescomのプレイベントにて、PC向けゲーミンググラフィックボードGeForceシリーズの新世代モデル、GeForce RTX 2080 Ti、RTX 2080、GTX 2070を発表しました。
GPUは、Oculus RiftやHTC ViveなどのVRヘッドセットを使うために必要であり、VR対応と呼ばれる性能を満たす必要があるため、その性能と価格には注目が集っていました。
発表会で登壇したNVIDIAのCEOジェンスン・ファン氏は、「これほど事前リークが出たグラフィックボードはなかった。その全てが間違っている」とと笑いをとりつつ、発表を行いました。
実写並みのCGを可能にするレイトレーシング
新たに発表されたGeForce RTX 2080 Ti、RTX 2080、RTX 2070はこれまでとコアアーキテクチャが進化したTuring世代のGPUです。Turingは先日開催されたSIGGRAPHでNVIDIAが発表した次世代GPUで、AIによる処理と、リアルタイムレイトレーシングを可能にします。リアルタイムレイトレーシングは、CGの空間全体を満たす光の反射や屈折、影をリアルタイムで表現します。Turing世代のGPUは初めてレイトレーシングに焦点を当てたGPUになり、これまで以上に実写に近いCGを実現します。
Turing世代のGPUは3つのプロセッサからなります。14TFLOPS+14TIPSbの処理能力を持つTuring SM、10ギガレイ/秒のレイトレーシングの処理を行うRT Core、AIを駆使するTensor Coreの3つのプロセッサです。
レイトレーシングを行う場合、現行世代のPascal世代の最高機種RTX 1080 Tiが300ミリ秒以上かかるのに対して、Turing世代のGPUは45ミリ秒で処理を行い、高速化していることが分かります。
NVIDIAはレイトレーシングを行う技術をRTXと総称しています。
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(レイトレーシングの有無の比較。左がRTXをOFFの状態、右がON)
3モデルが発表
今回発表された3モデルは、GeForce RTX 2080 Ti、GeForce RTX 2080、GeForce RTX 2070です。NVIDIAが直販するファウンダーエディションの価格(上段)と通常モデルの価格(下段)は、以下の通りです。発売日は9月20日と発表されました。
GeForce RTX 2080 Ti |
1199ドル(約13.2万円) |
GeForce RTX 2080 |
799ドル(約8.8万円) |
GeForce RTX 2070 |
599ドル(約6.6万円) |
性能比較は以下の表を、詳細は公式サイトをご参照ください。
新型3モデルの比較(カッコ内はファウンダーズエディションでオーバークロックした場合)
RTX 2080 Ti |
RTX 2080 |
RTX 2070 |
|
GPUアーキテクチャ |
Turing |
Turing |
Turing |
レイトレーシングパフォーマンス |
10 ギガレイ/s |
8 ギガレイ/s |
8 ギガレイ/s |
NVIDIA CUDAコア |
4352 |
2944 |
2304 |
ブーストクロック |
1545 MHz |
1710 MHz |
1620 MHz |
フレームバッファ |
11GB GDDR6 |
8GB GDDR6 |
8GB GDDR6 |
メモリ速度 |
14 Gbps |
14 Gbps |
14 Gbps |
VR Ready |
対応 |
対応 |
対応 |
Virtual Link |
対応 |
対応 |
対応 |
日本での発売日、価格については続報待ちです。
※2018年8月21日22:00 通常版の価格を追記しました。