スマホを使うタイプのVRヘッドセットとして、VR普及の一翼を担ったGear VR。2015年に発売されて以降、様々な用途で使われましたが、2019年の今、ついにその役割を終えようとしています。
OculusのCTOであるジョン・カーマック氏は、2019年9月25日より開催されたOculus Connect 6にて、スマートフォン向けVRヘッドセット「Gear VR」に関する“追悼(eulogy)”スピーチを行いました。
以下、カーマック氏のスピーチを一部引用します。
我々は機会を逃したのだと思います。私自身、Gear VRに大きな労力を注いできましたし、それは我々が築いてきたモバイルVR(=Oculus GoやOculus Quest)の基盤になっています。
振り返ってみると、Gear VRは他のVRヘッドセットと比較して非常に多くのユーザーがいましたし、皆様からはとてもよい評価を頂きました。しかし、ユーザーへの定着率は良くありませんでした。定着率の高さは、Oculus Quest、Oculus Rift S、Oculus Rift、Oculus Go(の順)で、Gear VRはさらに下(=最下位)なのです。
(カーマック氏の“追悼”スピーチ部分。米メディアUploadVRより)
Oculus Connect 6の模様を実況していたOculus公式Twitterアカウントも「ソフトウェアは現在サポートされているが、残り時間は限られている(Software is currently supported, but days are numbered)」と述べていることから、Gear VRは終息に向かう模様です。
Software is currently supported, but days are numbered
— Oculus (@oculus) September 26, 2019
以前から注目が集まっていた
Gear VRの将来的な展開については、今回のスピーチ以前から注目が集まっていました。Gear VRはサムスンとOculusが共同開発したVRヘッドセットであり、ハイエンド機であるサムスンのGalaxyシリーズにのみ対応しています。2019年8月、Galaxyシリーズの次世代スマートフォン「Galaxy Note 10」がGear VRに対応しないことが明らかになるなど、存続が危ぶまれていました。
2019年9月27日現在、Gear VRについてOculusが今後どのような措置を行っていくのかは明らかになっていません。同VRヘッドセットの具体的なサポート終了予定や、購入したコンテンツの扱い(他VRヘッドセットへの引継ぎの可否など)も不明です。
(参考)UploadVR