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イベント情報 2018.04.11

VR×ウォータースライダー、ドイツの施設で反響

ドイツにあるヨーロッパ最大級の屋内外ウォーターパーク施設Galaxy Erdingでは、VRを使用したウォータースライダー「VR Slide」を楽しむことができます。

「VR Slide」は2018年2月にサービスを開始しており、4月現在までに9,600人以上の人々が楽しんでいます。利用料は2ユーロ(約250円)/回です。

ウォータースライダーに乗ってVR体験

ウォータースライダーに乗りながらVR体験ができる「VR Slide」は、体験するコンテンツを選ぶことが可能です。宇宙がテーマの「Galaxy」は地球圏外の異世界への旅を体験し、海に浮かぶ島がある「Sky World」では、空に浮かぶ島の周りを飛んでいる蝶の軌跡を追って楽しむことができるなど、遊び心満載の内容となっています。


(防水対応のAndroid端末を使用し、特別に設計された防水VRヘッドセットを装着して体験する)

1人ひとりの流れるスピードに対応

フロリダの水族館にあるVRジェットコースター「Kraken VR Roller Coaster」や、東京・としまえんにある「怨霊廃線VR」のように、アトラクションへのVR導入が進んでいます。しかしこれらの予測可能な速度で動くVRアトラクションとは異なり、「VR Slide」では体験者のウォータースライダーを流れる速さが1人ひとり違うという点が課題となりました。

「VR Slide」を開発したBallast社CEOのStephen Greenwood氏は、米メディアVRScoutのインタビューで次のように話しています。

「(体感とVR内の動きがずれて発生する)VR酔いを防ぐため、体験者がどこを流れているのか追跡できる信頼性の高いトラッキングシステムを開発する必要がありました。このトラッキングシステムを構築したことは偉大な成果です」

「VR Slide」のトラッキングシステムでは、スライダー上に超音波ビーコンが取り付けられ、ビーコンを通過した際にVRヘッドセットへ信号が送られます。

加えて体験ごとの全速度データを分析する機械学習が取り入れられており、この2つのシステムを活用することによって、体験者ごとの速度に連動したVR体験を提供することが可能となっています。

水×VR

「VR Slide」を手がけたBallast社は、シリコンバレーを拠点とするスタートアップです。CEOのGreenwood氏によれば、開発期間は6ヶ月ほど。最初の10週間でトラッキングシステムの信頼性を獲得し、その後14週間の実験を重ねたとのことです。

同氏はヘッドセットメーカー「Avegant」の共同創設者のAllan Evans氏とともに、水中で使用可能なVRヘッドセットの開発も行っています。水中でのVR体験という新たなる取り組みに関心が集まっています。

(参考) VRScout Ballast

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