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テック 2018.12.27

匂いVRデバイスFeelreal、触覚も組み合わせてクラウドファンディング再挑戦

アメリカのスタートアップFEELREALが、クラウドファンディングサイトKickstaterを使用した資金調達を発表しました。FEELREALはVRヘッドセットと組み合わせて使用する、VRで匂いと触覚を体験できるマスク型デバイス「Feelreal」の開発を進めている企業です。調達に成功した資金は「Feelreal」の製品化に使用されます。

「Feelreal」は2015年3月にプロトタイプが発表されました。同時に2015年夏の発売予定が告知されました。2015年5月には製品化のため、Kickstaterでクラウドファンディングによる5万ドル(約600万円)を目標とした資金調達が行われましたが失敗し、続報が途絶えていました。

専用カートリッジによる匂い再現

「Feelreal」は、匂い発生器(scent generator)という機材により、ユーザーに匂いを体験させます。匂い生成器は、入れ替え可能な“匂いカートリッジ”を装填することで、匂いを発生させます。

FEELREALが現在発表している匂いカートリッジの種類は9つです。ゴム臭、ガンパウダーの匂い、ミント、ラベンダーなどのフレーバーが公開されています。FEELREALは、将来的には計255種類の匂いカートリッジの発売を予定しています。匂いカートリッジは、キエフ在住の調香師Bohdan Zubchenko氏が調合を行います。

その他の仕様

「Feelreal」は匂いの他に、水や熱、風が肌に触れる感覚(触覚)も再現します。水滴は超音波、熱はマイクロヒーター、風はマイクロクーラーを使用して再現します。ハプティックモーターによる振動機能も搭載されています。

「Feelreal」はVRヘッドセットの下部に装着して使用します。装着は磁気式で、容易な着脱が可能です。VRヘッドセットとのデータ通信には、Bluetoothを使用します。「Feelreal」の対応機種はOculus Rift、HTC VIVE、PlayStation VR、Oculus Go、Gear VRです。バッテリーは本体に内蔵されており、4時間の連続稼働が可能です。

2018年12月現在「Feelreal」の製品版には、白と黒、グレーの3種類のカラーバリエーションが予定されています。

「Fealreal」は「Skyrim VR」「Beat Saber」「Death Horizon」といったVRゲームに対応します。匂いや触覚機能の体験に重点を置いた、FEELREALの独自コンテンツ「Feelreal Dreams 」も体験できます。その他にも、360度VR映像が独自プレイヤーFeelreal playerで視聴可能です。映像コンテンツの詳細なラインナップは2018年12月現在、公開されていません。

スケジュールや目標金額は未公表

「Feelreal」製品化のためのクラウドファンディングは今回で2回目です。

2018年12月27日現在、FEELREALは、今回のクラウドファンディングの開始日やスケジュールを発表していません。予定している目標金額も不明です。「Feelreal」を、出資者が報酬として受け取るための必要出資金額も明かされていません。

FEELREALは、自社の公式サイトで登録キャンペーンを開始しています。登録を行うことで、クラウドファンディングの開始時に割引を受けることが可能です。具体的な割引額は明かされていません。

VRでの匂い体験を追求する企業は他にも

VRで匂いを体験可能にするデバイスの開発には、様々な企業が取り組んでいます。代表的なのは、VAQSOが開発した「VAQSO VR」です。2018年12月に開発者版がリリースされた「VAQSO VR」は、「Fealreal」と同じく匂いカートリッジによる、匂いの再現を実現します。

(参考)Road to VR

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