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テック 2016.09.12

生体センサーで顔の筋肉の動きから表情を認識するVR技術

イギリスの新興VR企業であるEmteqが、ユーザーの顔の表情をトラッキングし、VRへの自然な入力を可能にする新技術「Faceteq」を発表しました。

Faceteq

フェイストラッキングを可能にする「Faceteq」

Emteqはこれまでに150万ドル(1億5,000万円)を資金調達。ユーザの表情や感情をミラーリングする小型センサーや、デジタルアバターに関する開発を行っています。

今回発表された「Faceteq」と呼ばれる技術は、筋電図(EMG)、電気眼球図記録(EOG)や心電図などバイオメトリックセンサー技術を応用し、顔の筋肉を動かした際に発生する電流をVRヘッドマウントディスプレイ(VRHMD)のフェイスプレートで感知。表情をトラッキングし、VR内のアバターに反映したりユーザーの疲労を警告することができます。

また、この技術はカメラを用いたトフェイスラッキングとは異なり、額などVRHMDで隠れた部分も感知することが可能な点が特徴です。

Faceteq
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プレイヤーの表情をVR内のアバターと同期させている様子
(画像参照:https://techcrunch.com/2016/07/25/veeso-wants-to-share-your-smiles-and-eye-rolls-in-vr/

EmteqのCEOであるGraeme Cox氏は、「我々の技術はヒトの表情や感情をデジタルの世界において再現したいと願うデベロッパーの人達のためにあります。例えば、感情的な入力を必要とするようなロールプレイングゲームの制作や、疲れているときなどの表情をコンピュータが読み取るなどを可能にする。」のように語っています。VR内のコミュニケーションをより良いものとする非常にユニークな技術と言えるでしょう。この技術が多くのVRHMDへ実装されることが期待されます。

なお現在、フェイストラッキング分野の開発を進める企業は多数存在します。同様にフェイストラッキング機能を搭載した「Vesso」というVRHMDもKickstarterのプロジェクトで開発が進められていましたが、残投資額不足でキャンセルされてしまいました。現在はIndiegogoにて再度資金調達に挑戦しています。

(参考)
Emteq Aims to Humanize VR by Capturing Your Facial Expressions(英語)
http://www.roadtovr.com/emteq-aims-to-humanize-vr-by-capturing-your-facial-expressions/

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