Oculusに20億ドルを投資したフェイスブックが目指すもの ザッカーバーグが語るこれからのVR

10月6日(日本時間7日)、Oculusの開発者会議Oculus Connect 3で基調講演が行われ、フェイスブックCEO、マーク・ザッカーバーグ氏が登壇しました。フェイスブックは2014年3月にOculusを20億ドル(約2,000億円)で買収しています。

基調講演の開始早々登壇したザッカーバーグ氏は、自身がデモを実演しながら、フェイスブックが考えるVRのこれからについて講演を行いました。

今回の記事ではその内容をお伝えします。

全世界10億人がVRを使うことを目指して

ザッカーバーク氏は、まずVRを「The next computing Platform」(次のコンピューティング・プラットフォーム)と称しました。昨年は「The next Plastform」と言及していたことから比べると、Computingという言葉が追加されたことになります。

昨年はSNSとして、文字の共有から始まり、画像、動画となりその先にVRがあると話していたザッカーバーグ氏ですが、SNSという枠を超えて「コンピューティング」全体の革命であるという捉え方を強くしているようです。

そして、次の10 ~15年間でVRデバイスのユーザーが指数関数的に増加していき、メガネ型のデバイスになっていく未来を見据えている中で、Gear VR、Oculus Rift、Oculus Touchなどのデバイスを発売した2015年、2016年はその始まりの年だとしています。
image03

目標は眼鏡型であり、10億人がVRのユーザーになっていることだと語るザッカーバーグ氏。2016年の現在の状況を紹介しました。
image02

Gear VRのアクティブユーザーは毎月100万人以上

次はソフトウェアが求められる段階

ザッカーバーグ氏は、ここからは「素晴らしいソフトウェアの体験」が必要になると指摘。ハードウェアが出揃ったところで、「それで何ができるか」が重要になると言います。
image05

そして、その鍵となるのがソーシャル要素であるとして「People First」(まずは人)という言葉を挙げました。
image04
スマホアプリでは、上位にくるアプリのうち6個中4個がソーシャルのアプリであり、人々の欲求として「理解されたい」気持ちがあるのではないかとザッカーバーグ氏

VRは、まるで隣にいるような「実在感」を実現し、ソーシャルに適しているプラットフォームだ、と語りました。
全てのアプリがソーシャルである必要はないが、実際にVRで実現するソーシャルなものはどういうことがあり得るか、デモを実演しました。

https://www.youtube.com/watch?v=2VC6aNh5WZo

このデモの中には様々な要素が詰め込まれています。アバターに実際の表情が再現されたり、色々な世界をテレポートしたり、一緒にゲームやお絵描きをしたり、動画を見たり、カメラで撮影をしたり、Messengerアプリを起動してで通話したり。

2016年6月のイベントでも原型となるデモが公開されましたが、今回はさらに洗練され、VRでできることが増えています。

コンテンツへの投資を増やしていく

ザッカーバーグ氏はデモの後で、VRにおけるコンテンツを増やすために、これまで2.5億ドルの投資をしてきたことを明かし、さらに2.5億ドルを投資することを発表しました。
image01

また、エンタメ分野だけでなく、Oculus Storeのコンテンツのうち10%は教育向けのアプリでるとし、教育分野のコンテンツ開発にも1,000万ドルを投資することを発表しています。

さらなるコンピューティングへ

ザッカーバーグ氏は最後に、ハードウェアについても触れました。現行のVRヘッドマウントディスプレイは、位置のトラッキングが完全ではなく、外部センサーに頼っています。その点を課題だとし、ヘッドマウントディスプレイ単体で位置のトラッキングができる「Inside-out」方式を採用したワイヤセスで高性能な一体型のヘッドマウントディスプレイを開発中であることを明かしました。
image00

このヘッドマウントディスプレイのプロトタイプは「Santa-Cruz」(サンタ・クルス)と命名されています。

https://www.youtube.com/watch?v=LIUYDUlGJzM

ワイヤレスで駆動するSanta Cruz

ザッカーバーグ氏は、このプロトタイプの製品化にはまだ時間がかかると言及。コンテンツに最も力を入れていくことを述べ、締めくくりました。

存在感を増すフェイスブック

今回のザッカーバーグ氏の基調講演は、5分程度で終わった昨年と比べ、時間も長く、そしてデモもあったりと非常に存在感のあるものでした。

また、VRの捉え方をコンピューティングの新しいあり方と明言した上で、ここから先をコンテンツのフェーズだとザッカーバーグ氏自らが語ったことは印象的です。

その後の基調講演ではソーシャルの要素を強化する発表も数多くありました。また、新たなプラットフォームを創っていくための仕掛けとして、一体型のハードウェアに加え、WebVRなどへの取組も明らかになっています。

Oculus Riftの出荷遅れなどでトラブルがあったOculusですが、12月6日のOculus Touchのローンチには数々のVRならではのタイトルを揃えて臨むことになります。

関連記事はこちら

この記事を書いた人

  • KFtb1VIM

    株式会社Mogura代表取締役社長。慶應義塾大卒。元ネトゲ廃人。中央省庁勤務後、ベンチャー企業を経て「Mogura VR」編集長。VRジャーナリスト。国内外を駆け回って情報収集中。VRのことならいくらでも語れます。

    Twitter:@tyranusii

    Mogura VRのライター一覧はこちら
    http://www.moguravr.com/writers/