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業界動向 2019.02.04

フェイスブック、初めて収益源としてVRデバイスに言及「Oculus Goが寄与」

2019年1月30日、フェイスブックは2018年第4四半期の業績発表を行いました。同社は一体型VRヘッドセットOculus Goについて言及。収益拡大に寄与したと報告しています。

Oculus Goが収益拡大に寄与

CFOのデイビット・ウェナー氏は支払料金・その他収入が前年同期比42%増の2.74億ドル(約295億円)だとした上で、「Oculus Goの販売とPortal(※)の発売が、当四半期の収益拡大に寄与した」と説明しました。

(※Portal:Facebookが開発を進めている、ビデオ通話に特化したスマートディスプレイ)

フェイスブックがVRデバイス・Oculusシリーズを収益源として言及したのは今回が初。同社が2016年2月、発売予定段階だったOculus Riftについて「今年の業績に大きな影響はないだろう」と述べていたこととは対照的です。

2018年9月に開催されたOculus Connect 5のでは、同社CTOのジョン・カーマック氏が「Oculus Goの売れ行きが期待を上回っている」と説明しています。これらの事実から、Oculus Goの販売状況は、これまでのOculus Riftと比較しても好調だと言えそうです。

フェイスブック業績に与えるOculus Goの影響

以下ではOculus Goがフェイスブックの業績に与える影響を、3つの観点から整理します。

マーケティングコスト

Oculus Goの販売に対して、同社は相応のコストをかけています。2018年第4四半期の総費用は前年比で62%増。ウェナー氏によれば、Oculus Goのマーケティングコストもこの増加に影響しているということです。

一例として考えられるのが、同年11月にフェイスブックが行ったOculus Goのプロモーションです。YouTubeのOculus公式アカウントには、ラッパーのウィズ・カリファら、アメリカ合衆国国内でも特に有名なセレブたちが出演する動画がアップロードされました。

VRに対する将来的な投資

今回の業績発表からは、VRへの将来的なコミットメントに関する示唆も得られます。ウェナー氏は同社の計画について「優先分野への積極的な投資を続けていく。この分野には、AR/VR、そしてAIのイノベーションが含まれる」と述べました。

この内容は、2018年第3四半期の業績発表とも合致しています。フェイスブックは2019年もAR/VR分野への積極的に投資を行い、総経費が前年比40~50%増の見通しだと説明していました。

収益性

今回発表されたのはあくまでも総利益のみで、Oculus Goの収益性については触れていません。Oculus Goはデバイス単体では199ドル(日本国内向けは23,800円)~と安価なため、大きな収益を得られるとは考えにくいです。おそらくOculusストアでのコンテンツ販売で利益を上げていると推測されます。

過去を振り返ると、フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグ氏は2016年第4四半期の業績発表の中で、VRは10年越しの事業になるとの想定を示していました。現時点では、まだVRの収益性に重きを置いていない可能性もあります。

今後の業績に影響しうるトピックスとして、フェイスブックは2019年春、ハイエンド一体型VRヘッドセットOculus Questの発売を予定しています。

(参考)UploadVR


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