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テック 2018.09.27

フェイスブック、動ける実写VR用カメラ「Manifold」発表 8Kカメラ16機搭載

アメリカ・サンノゼにて開催中のイベントOculus Connect 5にて、フェイスブックは360度カメラ「Manifold」を発表しました。本製品は、プロ向けのカメラメーカー、RED社との共同開発になります。複数のカメラアングルから同時に撮影を行い、深度情報を測定。撮影された動画の中で”動く”こともできる、ハイスペックの360度撮影を実現します。

複数カメラで動けるVRを撮影

今年5月、フェイスブックは開発者カンファレンス・F8で、カメラメーカーのRED Digital Cinemaとパートナーシップを結ぶことを公表していました。これは同社が提供する360度カメラSurround 360に関するもので、RED社はフェイスブックの360度の撮影システムを元に、VRカメラの製造を行います。そして今回公開されたのが、このパートナーシップによる成果「Manifold」です。

フェイスブックによると、Manifoldは複数のカメラアングルから同時に撮影が可能。対象の深度情報を測定し、VRヘッドセットでの鑑賞により適した没入感の高いシーン撮影を実現します。撮影された動画を、6DoF(位置トラッキングを含む前後上下左右)対応のVRヘッドセットで体験しながら動くこともできます。

作例では「ズームイン」も

サンノゼで開催中のOculus Connect 5では、新たに発表されたManifoldの実機と作例が展示されていました。


(プロ向け360度カメラInsta360 Pro2(左)と比べるとかなりサイズが異なる。Manifoldは巨大だ)


(展示では16個のレンズで映っている画を常時ライブストリーミングしていた)

作例としては紹介されていた動画では、360度の視点から一部分にズームインしたり、その逆でズームアウトするといった編集がなされています。最終的な出力としては8K60fpsを謳っていますが、個別のカメラで撮影されたRAWの動画も8Kであるため拡大をした画も鮮明で非常に綺麗に仕上がっています。

プロ市場がターゲット

販売価格や発売時期についてはまだ明らかになっていませんが、REDはもともとプロ向けのカメラメーカーであること、またフェイスブックはManifoldを「プロの映像制作者にとって理想のツール」と称しており、プロをターゲットと価格設定になることは間違いなさそうです。

公式ブログの中でフェイスブックは「REDとフェイスブックは、初の6DoFスタジオ向けカメラシステム実現に向けて緊密に連携してきました。プロのクリエイターと観客を、全く新しい方法で結びつけることが目的でした」と記しています。そして「今日、そのカメラ(Manifold)のデザインとスペックを公表出来ることを嬉しく思います。我々は引き続き、一般発売に向けて事業を進めていきます」と今後の道筋を示しました。

スペック概要

ブログで公開されたスペック概要は下記のとおりです。

センサー

・16のRED Helium 8Kセンサー搭載、6DoF360度の撮影が可能
・16台のカメラ(解像度8K、フレームレート60pfs)で同時に画像を記録

光学

・シュナイダー製のカスタムメイド魚眼レンズ(8mm、F4.0、180度)

入出力

・シングルモードSMPTE 304Mケーブル使用
・カメラヘッドとコントロールユニット、記録装置の距離は最大100メートル
・SDI出力機能
・複数のサードパーティ製ストレージに対応、録画時間1時間以上

アクセサリー

・フロントレンズ用NDフィルター
・操作、セットアップ用のクイックリリースハンドル

UI/UX

・ウェブアプリをベースとしたコントロールインターフェース
・ソフトウェア開発キットあり

(参考)Road to VRFacebook360
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