アイオワ州立大学のスポーツチームが、SyncThink社製のVRヘッドセット「EyeSink」を取り入れる予定であることが分かりました。視線を追跡する機能を使い、選手の脳震とうの検出を迅速に行えるようになります。
スポーツにおいて、外傷や脳へのダメージから選手を守ることは最優先事項です。特に身体の衝撃を避けられないスポーツでは、頭に衝撃を与えると起こる脳震とうに気を付けなければいけません。重度なものだと脳に大きなダメージを与える可能性があります。
そこでアイオワ州立大学のスポーツチームが取り入れると発表したのが、脳震とうの発生を測定するVRヘッドセットEyeSinkです。
EyeSinkとは
EyeSinkは、アメリカのマサチューセッツ州ボストンを本拠地にしたニューロテクノロジー企業SyncThink社が開発したVRヘッドセットです。内蔵されたアイトラッキング技術で、1分足らずで脳震とうの兆候を検出できます。
また同ヘッドセットは眼球運動障害とめまいといった脳震とうでよくある症状も測定可能です。この機能により素早く外傷を見つけ出せます。
EyeSinkの機能
EyeSinkはスポーツが行われているエリアのサイドラインで使用します。EyeSinkが脳震とうの疑いを見つけると、円を描いて移動するドットを体験者が目で追うテストが開始されます。脳震とうを起こしていない人にとって簡単なテストですが、脳震とうを起こしてている人は、画像のように目で追った円が散らばったり外れたりしてしまいます。
同デバイスは他にも外傷から回復する時間を観察する機能も備えています。さらに2016年3月にFDA(米国食品医薬品局)の審査を通過しているとのことで、特定の用途だけでなく、一般販売もできるものになります。
アイオワ州立大学はEyeSinkをまずフットボールとレスリングのプログラムに導入して、徐々に他のスポーツに取り入れることを検討しています。スタンフォード大学でも、すでに同ヘッドセットを全てのスポーツチームに導入しているとのことです。
(参考)
VR Focus / Iowa State Athletics Will Use A Concussion-Detecting VR Headset-(英語)
https://vrscout.com/news/iowa-state-concussion-detecting-vr-headset/
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