VR中でのマルチタスク環境の実現を目指すEnvelop VR、400万ドルを資金調達

VR中でのマルチタスク環境の実現を目指すEnvelop VRは、400万ドル(約4.8億円)の資金調達を行ったことを明らかにしました。

Envelop VRは、2014年にワシントン州ベルビューで設立された企業です。2015年6月には200万ドルを調達し、7月にはヒューマンインターフェースの先駆者であるThomas A. Furness氏を迎え入れました。今回の400万ドルの資金調達を受けて、彼らはソフトウェアの開発を加速化させます。

公式HPの事業紹介によれば、Envelop VRは「仕事・創作・遊びの新たなソフトウェアプラットフォームを創る」企業であり、現在「VRがコンピュータと人間の関わり方を変える」ことに着目しています。2015年6月には200万ドル(約2億円)の資金調達を行っています。

例えば、VR上では従来の長方形2Dディスプレイが必要なくなるなど、従来のプラットフォームでは実現不可能なこともVRでは簡単に実装できるでしょう。「モニターに制限がなくなる」ことの他には「3Dデータ・製品のビジュアル化」なども考えられています。

Envelop VRは、VR上でVR開発を行う環境を実現するためのプラットフォームの開発を進めています。

アメリカのVR専門メディアUploadVRは、Envelop VRにインタビューを行い、事業内容などについての詳しい話を聴いています。

UploadVRのインタビューの中で、Envelop VRのCTO、Jon Mavorは、彼らの目的をWindows用の「VRのシェル※」のようなものを創ることだと語りました。このシェルは、コンピュータと人間のやり取りを改善し、HMDを外すことなく、VR上でVR空間内でマルチタスクを可能にしてくれるものです。

(※訳注 シェルとは、ユーザーからのインプットをコンピュータにわかるように翻訳して引き渡し、コンピュータが出した結果をユーザーに分かる形でアウトプットする部分。例えばWindowsでは、シェルがコンピュータと人間を仲介して、操作を視覚的なものに翻訳してくれているので、我々はプログラムを書かずとも、マウスのクリックのみで直感的にコンピュータ操作ができる)

「最終的な市場は、VR上でコンピュータとやり取りをしたいと思う人々です」とJon Mavor氏は述べました。「手を使うインプットの方法には様々なものがあります。我々は、そういったあらゆるものに対応したいと思っています。コントローラーでコードを打つようなことにはならないでしょう」

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VRコンテンツの開発の現状は、極めて面倒なものです。現在の開発者達はヘッドセットを被っては外し、プログラムを修正することを繰り返しています。他にも、それぞれのアプリは独立して動いているので、VR体験中にSkypeをしたくなった場合、わざわざヘッドセットを外さなければいけない、などの問題があります。

Envelopは、ヘッドセットをずっと被ったまま、様々なタスクをVR上で行える環境の実現を目指しています。

VR上で一括して様々なタスクを行うという発想は、何もVRデバイスに限った話ではありません。我々はPC上で当然のように複数の窓を用い、テレビを見ながら第二のスクリーンとしてスマートフォンやタブレット端末を利用しています。
そう考えると、一人あたり一度にひとつしか体験できないVRプラットフォームでは満足できなくなるのは当然のことなのです。

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10月28日にEnvelopがワシントン州主催する「SEA-VR」では、Envelopのデモが公開されました。また彼らは、2016年第一四半期のOculus RifなどPC向けVRヘッドマウントディスプレイの一般発売に合わせて今年冬には「Envelop VRのベータ版」を小規模開発者向けに配信する予定です。

(参考)
Upload VR / Envelop raises $4 million for multi-tasking VR software
http://uploadvr.com/envelop-raises-4-million-multi-tasking-vr-software/

Upload VR / Envelop VR is trying solve virtual reality’s multi-tasking problem
http://uploadvr.com/unlocking-mystery-envelop-vr/

※アメリカのVR専門メディアRoad to VR、UploadVRはMogura VRとのパートナーシップを結んでいます。

この記事を書いた人

  • 慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、環境省に入省。環境白書の作成等に携わる。ECベンチャー勤務を経て、現Mogura VR編集長、株式会社Mogura代表取締役社長。
    現実を進化させることができるVRに無限の可能性を感じ、身も心も捧げている。これまでに体験したVRコンテンツは展示、配信合わせて500作品以上。現在ももちろんコンテンツを体験し続けており、VR業界の情報集約と提供、コンサルティングに強みがある。また、海外の主要なVRイベントでは必ず現地に足を運び、取材やネットワーク構築を行っている。2016年は6回渡米。

    Twitter:@tyranusii

    Mogura VRのライター一覧はこちら
    http://www.moguravr.com/writers/

  • 工学専攻の大学生。好きな科目は国語。趣味は歌などの創作でボーカロイドも使います。SAOのような物語が引き起こす、自他の文脈や人と世界の関係の集積へダイブすることを切望して止みません。将来もVRの傍に立っていたいと思います。

    Twitter:@yunoLv3

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    http://www.moguravr.com/writers/

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